嵐の前の静けさ 2
そして次の日から、殿下は、公務で今週いっぱい学園に来ません、という、非常にナニカありました感満載の休暇を取り。
私達的には非常に穏やかな1週間を過ごし、
週末にはライ様を始めイーリー様、ヨーク様、ギーニー様という顔ぶれが、一緒に訓練したいとセンバのお屋敷にやって来て
お兄様が本気で魔法を打つのを飄々とかわすライ様、
私の方向の定まらない魔法をチィちゃんがパンチで全て粉砕する、という訓練風景に
ヨーク様はお腹を抱えて大笑いし
イーリー様はキラキラと目を輝かせて
そんな2人の姿を含めた私達の訓練風景にギーニー様は「フーティが来ない理由がわかった」と、ドン引きしつつ、セリ相手に、ギーニー様達3人で挑むという訓練を行い、最後はご満足頂けたようです。
そして、迎えた週明け。
なんと殿下は、今週も公務で来ないという。
さすがにこんなに長い公務を10歳の殿下にさせるってナニ?と、フーティ様達も何も知らされていないらしいく、
今日の放課後、4人でご機嫌伺いに行くと言っていた次の日。
今度はフーティ様とイーリー様もお休みに。
ヨーク様曰く。
なんでも、昨日4人で殿下に会いに行ったら、殿下の顔つきが何か変わっていたという。
自信に満ち溢れてるのはいつもの事なんだけど、今までは、微笑ましい感じだったのに
「アレが微笑ましいって、感覚麻痺してない?」
って、お兄様、私も同感ですけど、驚くヨーク様にもびっくりですけど、
それが、他人を見下す感じになってきているらしい。
「うん、なんかね、ヤな感じ。ギーニーもそう言ってる」
そして、その場で、フーティ様とイーリー様に、明日から自分に同行するように、と命令されたらしい。
え?ヨーク様とギーニー様は?
「そしたら、地味な土と弱い植物じゃ話にならん、来るな、って言うんだよ。
今まで、僕達の属性をそんな風に貶した事なんで無かったのに。
なんか、殿下、変なんだよ」
「オカシイね。で、どこに同行しろって言ってたの?」
お兄様が尋ねます。
「それが、ついて来れないようなヤツらに教える必要はない、って、だからその場では教えて貰えなかったんだ。
フーティもイーリーもめっちゃ困惑してた。
帰り道、10歳の子供のご令嬢に危ないことさせるな、って家から拒否してもらう、って言ってたんだけどね、
今日から学園に来ないって事は、拒否を拒否されたのかな?
2人とも大丈夫かな?なんか、変だよね?!」
ヨーク様が泣きそうです。
「うん、オカシイ。元からオカシイけど、オカシさ具合に磨きがかかって、しかも斜め上に行ってる。
センバに情報収集を頼んでみるよ」
お兄様が請け負います。
「ごめんね、殿下に一番近い所に居たはずなのに、役に立たなくてごめんね」
ヨーク様、ついに悔し涙ですわ。
「なに言ってるんですか、ヨーク様のお話があって、初めて動けるんですよ!
初動のきっかけってめっちゃ大事です!!
それに逆に考えましょう!
殿下から離れるいいチャンスです!!
自分の将来、じっくり考えましょう!いっそのこと婚約者、見つけちゃうのどうです?」
お兄様がそう言うと
「フフフ、いっそのこと、見つけちゃうんだ!内々に決めちゃう?!」
「そうです、そうです、どんなタイプがお好きで?
私は次期センバの頭領の婿ですから!!センバの情報収集能力、すごいですよ?!
そして、殿下から有能な部下を奪ってやるのが目的です」
お兄様がニヤっと笑うと
「僕、奪われちゃうんだ?!」
「もちろんです!
なんか、もう、ヘドロに遠慮してるの馬鹿らしくなってきましてね!
ヘドロにはもったいない位の優しさと的確な判断力です!!こっちに勧誘してるんですが、気づいてます?!」
「おっと?!直接的になった?!僕的には大歓迎!!」
「ぜひ、お家のお母様ともご相談ください。いいお返事期待していますよ?」
お兄様がわざと丁寧にお辞儀をすると
「「アハハハ!!!」」
ヨーク様もお兄様と一緒に笑います。
ヨーク様、元気になって良かったですわ。
さて、殿下、本気でどうしたんでしょう?
イチ ヨーク様に婚約者勧めたんですか?
リオ いや、勧めたというか。どっちかと言えば、ヘドロからの引き離しだな。
イチ 良かったです!
リオ え、なんで?え、なになに!ヨークに惚れてる良い子がいるとか?!
イチ んーー?ヨーク様はあと10数年は独身で!
ライ うむ。婚約者など、もってのほかだ!!
リオ え、リオ様まで。なんで?
イチ・ライ センバの勘だ!!!
ヨーク 僕だって、恋とかイチャイチャとか、青春したいんだけど?!
イチ・ライ 却下!!!
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