急ぐ理由
「そして、多分」
ホネマントが続けます。
「ボクの森の村は領地軍も行き来してるし、近いから、そこにはすぐ軍も向かえるだろう。
でも、山の麓の村、あそこは少し遠い。
軍にまだ救助要請が上がって来てない可能性もある。
しかも上がって来ても森に軍が出払ってるだろうから、より遅れる。
あそこには小さい村が3つ程あっただろう?下手したら全滅するぞ」
「「「ッ!!!」」」
話を聞いていた3人同時に息を飲みます。
「その話をエミリオ達の馬車内で先にしてある。
そこでエミリオから伝言だ。
〝領内に入ったら、ライ様とワサビは山の麓の村へ直接向かってくれ。
魔物の殲滅と、生き残りの保護に尽力を。
ライ様は真面目、ワサビは気安いから、緩急つけてくれ。ワサビの感覚にまかせる。
俺はサンショウと一緒に軍に向かう。ディはセリと一緒に屋敷へ向かい、イチミと合流。
必要な支援物資の準備を始めて欲しい。あと、シチミにセンバ商会へ鳥の用意を頼む〞
専属メイドはリア嬢と馬の二人乗りは可能だよな?「ハイ」
よし、先は長いし、休める時に休んで、食っとけ。
じゃ、ボクはエミリオのところに戻る」
そう言って、ホネマントはズブズブと影に沈んで行きましたわ。
そこだけは相変わらず、ホラーです。
「エミリオ様と離れて居ても意思の疎通が出来るのは、すげー便利なんっすけどね、
急に影から出てくんの、アレなんとかなんないっすかね?
つい、手が出るっす。
その度に、あのホネ、縮んでる気がするっす。
いつか消滅するっす?」
ワサビ、手を出してたの?
…お兄様への攻撃も吸収してくれてるし、防御力として優秀みたいなのよね。
そうなると消えて欲しくないわね?
「エミリオ様の安全のためなら何でも、それこそ魔物も使う。
ある意味、清々しいほど徹底してるっす!」
お兄様以上に大事なものは無いわ!!!
「それ、エミリオ様もユーディリアお嬢様に対して同じように思ってますからね?
お嬢様には、ご自分の身の安全を最優先して欲しいっす。
お嬢様になんかあったら、オレ、本気でこの国が滅ぶと思ってるっす」
「エミリオ様だけじゃなく、シラヌイ様も、イチイお嬢様も加わりますし?」
セリ、最終兵器って言葉、思い出しちゃったじゃない!
「うわぁ、国じゃねぇわ、世界が滅ぶの、確定っすね!!
セリ、オレ死にたくねぇわ。
最優先事項はユーディリアお嬢様だ!!」「もちろん」
「よし、お嬢様、明日のために寝るっす!!」
そう言ってワサビはさっさと丸くなり、セリは私に無言で毛布をかけてきます。
けっこう衝撃的な内容の話をしてたはずなんですけど、眠れますの?
セリが真顔で圧をかけてきます。
あ、ハイ、寝ますわ。
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