もはや呪い?!
そう、4年前、チィちゃん達と初めて会って、
私達がセンバの唯一を受け入れて、
ライ様の長期休暇で一緒に辺境へ行こうね、なんて言ってたら。
母親が亡くなり、私達は領地へ押し込められ、そのまま仕事三昧で辺境へ行く事が出来なかったのです。
今回、私達の初めての長期休暇で辺境へ行く話が出たのに。
嫌なお茶会も辺境の温泉のご褒美があると思って、頑張る予定だったのに。
もはや、私達を辺境へ行かせない呪いじゃないでしょうか。
お茶会を2日後に控えた夜、
ホネマントに叩き起こされました。
「起きろ!リア嬢!!専属メイド!!
専属メイド!!攻撃するな!!!落ち着け!!大変なんだよ!!
良く聞け!!
領地で魔物が暴れてる!!!」
「「は???」」
「エミリオはもう支度を始めてる。専属従者は護衛と馬の手配を始めてる。
専属メイド!お前はセンバの神掛かった坊主に連絡取れ、アイツも連れてけ。
急げ!!村が2つ3つ無くなるぞ!!!」
「「え???」」
「え?じゃねぇ!早くしろ!エミリオに置いていかれるぞ!
あと、エミリオから伝言だ。
〝俺は王家とイチイに手紙を書く、ディはフロスティ様に手紙を書いてくれ〞
手紙は、学園の門でエミリオの専属従者に託せ。
専属メイド、手配をしたら、お前は一緒に行け。
とにかく、急げ!!!」
セリは私に騎乗服を着せたあと、窓から飛び出して行きましたわ。
私はホネマントの伝言通り、フロスティ様へお手紙を書きます。
領地で魔物が大量発生してしまったと連絡があったこと。
お兄様に救助要請が来たこと。
私は後方支援として一緒についていくこと。
お茶会に参加出来ないが、チィちゃんをフォローして欲しいこと。
取り急ぎの懸念事項はこれでしょう。
そして、セリも戻って来ました。
「シラヌイ様は10分あれば用意できるとのこと、行きましょう」
寮には門限があり、こんなに夜中に出るには許可が必要です。
寮母さんに事情を説明し、もしお疑いなら、一緒に門まで来てお兄様とお話して欲しい、とお願いしました。
本当に一緒に来ましたわ。
門には、お兄様と二人乗りしたサンショウ、そしてワサビ、馬を1頭連れたハジカミがいます。
「あら、本当でしたわ。
いやね、ウソをついて脱走しようとする生徒も居ないわけではないんです。
なので、一応確認のために来ました。
領地で魔物が発生したとお伺いしております。
貴方達は我が寮の大事な生徒です。
良いですか、約束してください。
無事に戻っていらっしゃい!!!!」
「「ハイ!!!!」」
お兄様と元気良く返事をして、
ハジカミに手紙を託し、そして、ワサビと二人乗りをし、セリはハジカミが連れていたもう1頭の馬に飛び乗ります。
「シラヌイ様は、センバ商会で馬を借りると言っていました!
センバ商会にて落ち合います!!」
「「了解!!」」
セリの言葉で、最初の行き先が決まり、3頭の馬が一斉に駆け出します。
「「御武運を!!」」
ハジカミと寮母さんの声が重なりました。
「あんな学園に入ったばかりの小さい子が駆り出されるのかい…」
寮母さんの呟きは、握り拳で唇を噛み締めているハジカミだけが聞いていました。
センバ商会でライ様と落ち合い、まだ起きたばかりだし、興奮しているだろうから、騎乗して次の町まで行け、
そこに鳥を飛ばしておくから、そこのセンバ商会で御者と馬車を用意させておく。
それに乗り換え、次の町まで全員馬車で寝ろ、
それを3回繰り返せば1日半で領地に着く、とのこと。
ものすごい強行軍ですわね?
どうにも、ホネマントが急かしているようです。
次の町に着いて、馬車に乗り換えると、最新鋭の馬車を2台、用意してくださいました。
警備の関係上、お兄様、サンショウ、ライ様で1台。
私、セリ、ワサビで1台です。揺れも少なく、ちょっとゆったり眠れました。
起きると、ホネマントがいます。
事情を説明ししてくれます。
「僕はエアトル侯爵領地の魔物の発生が感知できる。
最初はエアトル領の領地内にいなきゃ、分からなかった。
けど、エミリオと一緒に居て4年。
その間、年一回、一緒に領地を回ったら結びつきが強くなったんだろう。
王都にいても領地内なら分かるようになった。
前に言ったの覚えてるか?
ボクの森の近くの危うい忠誠心の村。
それから、山の麓の小さい村で、エミリオと同じ位の年で嫉妬や憎悪が酷いヤツがいるって言ってたの。
センバの坊主に探って貰ったけど何も出なかった村。
2か所同時に、しかもどっちも30体近くは出ている」
「「「なんで?!!!」」お兄様は領地のために頑張ってましたわ!!!」
「そのエミリオも、学園のためとはいえ、王都に出たから。
やっぱりエアトル家の人間は領地より王都の方が良いんだ、
侯爵様も一旦領地に戻ったのに、王都へ行ってしまった、
また我々は見捨てられるんだ、
そんな感情が流れ込んでは来てたんだが、領地は問題なく回ってたから、瘴気になるほどじゃなかった。
そこに、噂が入った」
「「噂??」」「まさか…?」
「リア嬢、そのまさか、だな。
リア嬢が第三王子殿下の婚約者になるってやつだ。
王家の影かなんか、入ったか?
じゃなきゃ馬車で3日もかかる場所に、こんなに早く噂なんて入って来なくないか?」
どぉおおおおおおして、王家は余計な事しかしないんでしょう!!!
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