お兄様との幸せのために
朝になり、お勉強もお休みしなさいと、お兄様からの通達により、日中はゆっくりして、
夕食の後になって、初めてお兄様とお話することが出来た。
「ディ、鑑定式のあと、馬車の中で倒れたでしょう。もう大丈夫?それと、話したい事と、関係ある?」
さすがお兄様、話が早い。
「お兄様、これから話す事は、誰にも、アンにも話していないことです。そして、今後の私達の将来にも関わって来ると思います。お願い、私を見捨てないで」
「当たり前だ!ディは僕の全てなんだ!!なんでも話して?」
お兄様の優しさが改めて嬉しくて、私は話し始めた。
「まず、鑑定式で、私の属性が表示された時に、模様がついてると言われました。
その模様ですが、自分の事だからでしょうか、意味がわかったのです。
無属性で、浄化と、鑑定がありました。
つまり私は、鑑定式を行わなくても、その人の魔法などがわかるのです」
「……は?」
「そして、馬車の中で、動揺していた私をお兄様は慰めようと、手を握って下さいました。
そしたら、お兄様の魔力を感じて、勝手に鑑定が発動して、私にお兄様の情報が流れ込んできたのです。
その情報に耐えられなくて、私は倒れました」
「……は?」
「ごめんなさい、お兄様、わた…」「ちょっと待って!!ディ!!知らない情報が多すぎる!!一度僕に整理をさせて!!」
そう言って、お兄様は、口元を押さえて、ブツブツとつぶやきだした。
「ねぇ、ディ、僕の聞き間違えじゃなければ、
ディは、風属性の他に、無属性が使える、と言った?」
「はい」
「しかも、無属性は、浄化が使えて、しかも未知の鑑定というものも使えると?」
「未知ですか?鑑定式があるんですから、未知じゃなくないです?」
「いや、未知っていう言葉が悪かったの?そうじゃなくて、前代未聞でしょう!
鑑定の水晶じゃなく、個人的に鑑定が使えるなんて、どんな奴らに目をつけられるか!!
ディ、絶対、ぜぇぇぇったい、他の誰にも、しゃべっちゃダメだからね!!」
「は、はい」
「で?」
「…で?」
「いや、ごめんなさいって、謝ってたから、どうしたの?」
「あ、はい、お兄様を勝手に鑑定して見えてしまったものですから、ひとまず謝っておこうと思いましたの」
「あぁ、別にディに見られても困るものって、ないと思うけど。
ディは、僕の何が見えたの?」
「はい、お兄様は風属性で、風魔法が使えました。
その後に、グレーの文字で、竜巻、嵐、ホワイトアウトが見えました」
「…は?」
「ですから、風魔法が使えて、訓練次第で、何か条件とか満たせば、竜巻と嵐とホワイトアウトが使えるみたいです。さすがお兄様です!嵐やホワイトアウトなんて」「ちょっと待って!!」「…はい」
お兄様は再び、ブツブツつぶやき始めた。
「どうしよう、僕のディがヤバすぎる。
ディ、危機感を持って?
ディは、これから使えるかもしれない魔法もわかるってこと?その条件もわかるの?そんなこと世に知られたら、王族に飼い殺しだよ?」
「絶対イヤです!!お兄様と離れません!!」
「そうだね、僕もディと引き離されたりしたら、相手が国だろうとなんだろうと潰すもん」
お兄様の目が、仄暗く光る。
…あ、これ、私の屍は越えちゃダメなヤツに引っ掛かるわ。
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