幸せな王子 2
「でも、殿下の側近でしたら、殿下と同じように、私達の事を王家に誠意のない人間と思ったのではないですか?」
お兄様がバストン様に尋ねます。
「んー、僕の家はなるべく時間を合わせて家族で食事を取る、がモットーなの。
だから、家族間で情報は共有してるの。
僕に兄が2人いてさ、一番上の兄が8歳年上なんだけど、第一王子殿下と同い年なんだよね。
で、兄も第一王子殿下と親しくさせてもらってるけど、第一王子殿下が、ずーっと側近というか、専属護衛で欲しいって言ってるのが、センバ商会の長男なんだって。
それがもうさ、強さがハチャメチャなんだって!
でも、真面目で礼儀正しくて、学園も一般課程3年のあと騎士科1年で終わらせて、高等学園に飛び級するかと思ったら、官吏科を1年で終わらせて、高等学園にも官吏科で入ったんだって。
めっちゃ頭良いじゃん!母上もセンバ夫人はすごい人って言ってたし?
内緒だけど、そこに、おっかないって意味があるんだよ。逆らっちゃダメって。
それって、野蛮って意味とも違うくない?
だからさ、センバで一括りに野蛮はどうなんだろうなぁ、と思ったし。
僕さ、領地から出れないって言われてるんだもん、王都のお屋敷じゃなくて、領地のお屋敷にお手紙送ったらいかがですか?って、殿下に言ったんだよ?
そしたらさ!なんて言ったと思う?
届ける者の手間を考えよ、王族の手紙を粗末に扱うはずもないのだ、躾がなっていないというのなら、家族間で話し合う機会を作ってやっているのだぞ?
だよ?!
僕んちみたいに仲の良い家だって、父上が領地の魔物討伐に出掛けたりしたら、帰ってくるまで話なんて出来ないのに!!
領地から出られないっていう子供と家族が話し合いなんて出来なくない?!ねぇ?!」
怒涛のマシンガントークですわ。
「ありがとうございます、そんな風に思ってくれていたとは。
バストン様は、得た情報できちんと状況判断なさってくださる方なんですね」
お兄様がにっこり笑ってお礼を言います。
「うわー!君さ、その笑顔はヤバイよ!大丈夫?誘拐とか気をつけてね?!
逆に殿下に敬遠されてるから、肉食系令嬢から狙われなくていいかも?!ってか、婚約者いる?」
バストン様、こちらの心配もして下さる。ものすごく好感が持てる方ですわ。
「あ、はい、私にも妹にも婚約者はいます。
というか、先ほど話にあった、センバ商会のご長男様、シラヌイ・センバ様は、妹、ユーディリアの婚約者です。
ちなみに、私の婚約者も1つ下ですがセンバの者です。
ちなみに、バストン様や、殿下の婚約者は?」
「それがさ、殿下の婚約者候補が3人いるんだよ!
そこが決まらないと、僕達側近の婚約者も決まらないって母上が頭抱えてた。
だからさ、令嬢でも決まってない子が結構いるんだよ。
でさ、チャンスがあると思ってる肉食系令嬢がグイグイくるんだよ!あれこそ野蛮?目がギラギラしてんの!
やめて欲しいよね?!
ってか、思うんだけど、
令嬢がもてはやすじゃん、候補の皆も、できたら気に入られたいじゃん?
もしや殿下、モテて嬉しいんじゃないのかなぁ?」
「殿下は今、この世の春を謳歌しておられるんですね……」
お兄様が遠い目をしています。
ってか、バストン様、こんなに暴露して大丈夫ですの?
…もしかして、結構ストレスたまってません?




