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冒険者ギルド

「ここが地上! 人々の、冒険者の街なのですね!」


 あれだけ降っていた雨は止み、晴れ晴れとした空の下、ティファの弾んだ声がトヴァレに広がる。


 創造神ガイアス様からティファへ加護を切り替えた僕はレベルは上がらなくとも本来の性能を持つスキルを得ることができた。


 生まれ変わったスキルはリタへ追いつく可能性を秘めていて、募る期待を胸に地上へ戻ってきた。


 勿論、ティファも一緒に。


 女神様の力で瞬時に地下迷宮を出れた僕たちは、数時間ぶりのトヴァレの街を良く見てみる。


 未踏領域へと続く門がある大通りは左右に武器屋や道具屋など冒険に必要な店が軒を連ね、冒険者を中心に様々な人が行き交っている。


 その光景が彼女には珍しく映ったのだろう。


 目を輝かせ、辺りを熱心に見回していた。


 その姿は何とも女神様らしくないなぁと、思わず苦笑してしまうほどで。


 何故ティファが地上にいるのかというと、一度人々の街を見てみたいと言っていたからだ。


 ティファ曰く、人というものに興味があり、もっと良く知りたいのだとか。


 それで僕の新たなスキル【経験値増加・付与】を試す戦闘にも着いて来てくれることになった。


 ステータス的にもティファは僕より強いし、一人で行くのは心細かったからティファの提案を受け入れて、こうして共にトヴァレの地を踏み締めるに至ったのだ。


「ティファ、先ずは冒険者ギルドの本部へ行こう」


「冒険者ギルド? 何故ですか? この大通りを真っ直ぐ進めば未踏領域へ行けるのですよね?」


「まぁ、そうなんだけど。未踏領域へ入れるのは冒険者だけって決められているんだ。だからその冒険者になるためにギルド本部へ行って手続きをしないといけない。じゃないと門へ行っても捕まるだけだよ。ギルド本部は門の近くだから直ぐに終わるよ」


「そうなのですか? 決まりがあるのなら守らなくてはいけませんね。シフォン、御手数ですがそのギルド本部へ連れて行ってください」


「勿論、さぁ行こう!」


 遠慮がちに言うティファの手を取り、駆け出す。


 まさか自分が女の子を相手に、これほど積極的になれるなんて思いもしなかった。


 もしかしてティファだからかなぁ。


 考えると羞恥が膨れ上がり、顔の温度が上がっていく。


 その事を彼女に悟られないように風で冷やしながら、僕とティファは冒険者ギルドの本部を目指した。








 冒険者ギルドの本部はトヴァレの建物の中でも一際大きい。


 木材を多用した暖かみのある内装に、左右に分けられた空間が存在する。


 左は買取り所。


 主に魔石の売却をするところで、提示された買取り額にケチをつける冒険者がギルド職員にしつこく絡んでいるいつもの光景が広がっていた。


 次に右の空間は受付カウンター。


 此方は一般人も利用でき、主に冒険者登録の手続きやクエストの発注と受注などに関係することで使うことが多い。


 壁にはクエストボードが掛けてあり、クエストの貼り紙で埋め尽くされていた。


 僕はその光景を眺め、冒険者登録をしに行ったティファの帰りを待っていた。


 受付カウンターでギルド職員と話すティファはややあって、此方へ戻ってきた。


 その胸元には冒険者の証しであるギルドバッジがある。


 これを身に付け、門で提示しないと未踏領域へは行けないのだ。


「見てくださいシフォン、ギルドバッジを手に入れました」


「うん、これでティファも冒険者だよ。どうする? もう未踏領域へ行く?」


「行きましょう。早くシフォンの新たなスキルを試すべきです」


「う、うん。じゃあ行こうか!」


「はい!」


 自分のことのように張り切るティファを伴って、ギルド本部を後にする。


 向かうのは未踏領域。


 新たな力を手にいれた新たな冒険に胸は高鳴り、緊張は増していく。


 果たして僕のスキルは通用するのか。


 少しだけ楽しみな自分が確かにいた。

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