バラダイアナディスカットゥルアキック団
恵と秋兎は恐怖に唾を飲み込みます。
子どもの力では何もできないとわかっていた二人は、ただ、ただ見ているだけでした。
ガタガタ
人々は音が聞こえた店内へと目を向けます。
店内から体中に包帯を巻き付けた中年男が出てきました。
もちろん、強盗団と同じ黒の仮面をかぶっています。
「兄貴…どうでしたか?」
近くにいた男が呼びかけます。
「うへへへ…。気持ちよくやれたぜ!!店主の不様な顔が目に浮くぜゲハガハハハ!!」
「さすがだ、アニキィ!」
「よっ、世界一!!」
「うへへへ、おうよ!俺は世界一の泥棒だ!!ゲハガハハハハハハハ!!」
その笑い声に強盗団達も高笑いします。
中年男の言葉は宝石店の店主をなぶったか殺したというのです。
人々の恐怖は高まりました。
(うん?秋兎…)
(あっ、恵もわかった?)
ひそひそと二人は中年男について話します。
(あの、気味悪い声は前に聞いた泥棒だ)
(ああ…あいつ、懲りないやつだな…)
「おーい、泥棒!」
(あっ、馬鹿!)
恵は慌てて、秋兎を抑えます。
「うん?」
恵の行為は役に立たず、強盗団に気づかれました。
「おい、ガキども俺らは泥棒じゃねぇー!」
「バラダイアナディスカットゥルアキック団だ!覚えとけ!」
すぐ近くにいた強盗団の二人に叱られました。
殴られるか殺されるかなど恐怖していた、恵は目を丸くしました。
「…長すぎだ」
長すぎの団名に恵は呆れ、名前すら覚えられません。
「何をぉ!兄貴がつけたんだ!文句は言わせねぇ!」
「じゃあ、どこがいいの?ばらだあぶすくなって?」
秋兎は問います。
「バラダイアナディスカットゥルアキック団だ!長いのが良いんじゃねえか!渋くてよ!」
自信満々で自分たちの団名を言う二人に恵と秋兎はどうしようもなく呆れました。
「何やってんだ?」
強盗団の中心にいた中年男は騒がしさに気づき四人に近づいてきました。




