投資家として最大の失敗
こんにちは、大本営です。
今回は、僕が犯した「投資家として最大の失敗」について語りたい。
2011年東日本大震災を機に投資を始めた僕はリーマンこそ経験していませんが、2011年の危機はS&Pによる米国債格下げ、2016年のチャイナショック、2020年のコロナショック、2025年トランプショックなどを越えています。それらの危機でも動揺売りをせず、少しずつ購入をしてきました。
本質的に債券投資家であることもあり、株式100%の方に比べれば――特にS&P500だけに集中するような方――利回りで劣りますが、それはスタイルの差であり、投資家としての失敗だとは思いません。僕は株式100%で投資するリスクが、心理的に受け入れられないのです。僕みたいなタイプは受け入れ可能なリスクを探りながら、債券比率を徐々に下げるしかないのでしょう。
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失敗を挙げればインド株の早すぎる売却等ありますが、これは投資経験が不足していただけなので最大の失敗とまでは言えません。
では、最大の失敗とは何か?
これが今回のお題であり、僕以外の方でも陥りかねないミスです。
それは結婚時の準備でした。
親類が先に結婚していたこともあり、「少なくなる小遣い問題」や「自分の貯金を別の確保」とかは聞き知っていました。
「少なくなる小遣い問題」の対策として徐々に小遣いを少なくしていき、結婚時に想定される金額に慣れさせ、結婚後も管理ソフト――マネーフォワードとかはなかった――で金の流れを徹底的に洗い出し、持続可能な資金配分を導きました。
「自分の貯金を別の確保」は定期預金等をまとめて――当時は投資はしていなかったが、個人の書店経営を目指したけど時勢にそぐわないと断念したが資金だけは手元にあった――自分の取り分だけを別口座に移動。
これらの準備をして、結婚生活に挑みました。
嫁さんはあまり貯金を持たない人でしたが、その点は僕の資産が十分カバーできたので問題にはなりません。
ですが、投資家として活動していくなかで、自分が致命的なミスを犯したことに気付きます。
そのミスに長々と苦しめられることになるとは、当時は思いもしませんでした。
僕が犯した「投資家として最大の失敗」とは何だと思いますか?
夫婦の共有財産について、完全に誤解していたのです。
致命的なくらいに誤解していた。
誰も指摘してくれなかった――多分大して資産がなかったから気にもしなかったのでしょう。ですが、僕は個人書店経営をするために資金を自前で用意したので、意識の差を生んだのです。
婚姻期間中に夫婦が協力して築き上げた財産「預貯金、不動産、自動車、退職金など」を指し、離婚時の財産分与対象として原則2分の1ずつに分配されます。
つまり、結婚前の資産は共有財産に当たらないのです。
名探偵ポワロでは作中において「夫婦の共有財産」について何度も触れていましたが、あれはイギリスの事情であり考えて深く考えませんでした。結果、僕はこの点に想い至らず、やや過剰なくらいに夫婦の貯金として用意しました。
幸い保有財産に圧倒的な差があるため、夫婦の資産は夫である僕の管理です。
ですが、一度提供した資産を投資に移動するのはハードルが高い。
夫婦生活を成立させるために資金提供をしたこと自体は正しかったが、その規模の見誤りは悔やまれます。
投資において生活防衛資金は半年程度とされますが、結婚生活は投資よりも不確定要素が多いものの僕は不確定要素を過大評価し過ぎました。失業や病気等を考慮すれば1年分程度の年収もあれば十分であり、結婚時の貯金としてはこの程度を提示すれば十分でした。
結果、僕は自分の分として分離しておいた貯金――総資産の15%~20%から投資資金を捻出することになり、投資規模は15%~20%のさらに半分から開始。投資の成果は資産規模に左右されるという鉄則に従えば、これは極めて痛い制約でした。僕は自分から言いだしたことで、抜け出すことが難しいロジックの迷路に陥ったのです。
年に数十万単位で資金を移動させることで対処しましたが、購入資金額としては大きくないため、投資規模の拡大において大きな枷となりました。
まだ結婚をしていない人は、夫婦の共有財産について事前に十分検討することをお勧めします。
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投資家として最大の失敗は、銘柄選びでも、市場でもありませんでした。
そして、単なる結婚の準備でもありません。
夫婦の共有財産に関する誤解が意味するものは、もっと深いのです。
想定外の事態や法制度への誤解は避けられません。
しかし――
自分の理解が正しいのか調べなかったこと。
投資ではなく、人生のプランニングミスこそ最大の失敗でした。
ただし失敗を破綻にまで発展させなかったという側面もあります。
最大のミスを最小に抑えるべく、僕は慎重に資金を移動させることで、夫婦関係の破綻を避けることができました。
投資効率の最大化を諦めるという代償は払いましたが……
投資を始めたばかりの方は「今が人生で一番若い」という言葉に影響され、資金を保有することは機会損失と考えがちです。ソシャゲなどのゲームが日常化している昨今では、効率性を追求する考え方がより重視されるのでしょう。その感覚を日常生活や投資に持ち込む人が増えているようです。
身に覚えのある方は案外多いのではないでしょうか?
ゲーマーの一人として、僕もその姿勢には共感を覚えます。
ですが、世の中は効率性がすべてではないのも事実。
「巧遅は拙速に如かず」と「急いては事を仕損じる」は紙一重であり、ときに果断さより慎重さが意味を持つ場面も少なくありません。最大の失敗を最小の被害に抑えるというリスクコントロールを身を持って体験したことは、この失敗において数少ない学びでした。
一度家計として提供された資金は、たとえ出どころが自分だとしても「二人の資金」として認識されます。
もし僕が急いで資金を引き上げていたら、その瞬間に夫婦関係は壊れていたかもしれません。
失敗を破綻の導火線にしなかったのは、ただ慎重に動いたからです。
人生における最大の失敗に直面しても、理性的に対応することが求められるのは投資だけではないでしょう。
プランニングミスの教訓は、定年退職という人生におけるもう一つのターニングポイントで生かしたいと考えています。
結婚は相手もあるので時期を読めない難しさがありますが、定年退職は個人事業者でない限り必ず訪れます。延長雇用を選ぶとしても、逆算してプランニングすることは十分可能なので、こちらのほうがプランニングしやすいのかもしれませんね。
今回のところは、この辺で。
では、では。




