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ほのぼのと4日目!

 

「季水くんは考えなしなんです! 今度ドアを破壊したらお兄様って呼びますからね!」


 しっかりドアを直しているか見張りながら、涙目になっているサクアを撫でる。ハッサクは、料理長と仲良しになったのか、肩に乗って一緒に見守る。


「それは勘弁してくれよ〜、お兄様って呼ばれるとなんか背中がムズムズして鳥肌が立つんだよ……」


 困った顔をしながら、手を止めずにドアの修理を進めている。


(見た目は真面目な癖に、中身は猪突猛進、厄介なタイプの脳筋だ。これで、猛省すれば良いんだ。僕の従魔たちを怖がらせた罰だ!)


「だったら、ドアを無闇に壊さないでくださいよ! あれですか、学園に通っても教室入るためたびにドアを壊すつもりですか!

ドアを壊し続ければ、退学になることだってあります! いくら、有栖家が自由主義だとしても、社会的常識を守れなければ、人として話になりません!!

良いですか、しっかりと壊した分だけ直してもらいますからね?!」


(僕だって鬼じゃない。しっかりと、直しさえしてくれればそれで良いのだ)


「わかったよ!! 俺が悪かったから、ちゃんと直すからな? そんな怖い顔するな、な?」


 一瞬だけこちらに向けた時、すごく困ったような顔をして、僕の怒りをなだめようとしていたから、悪い人ではないんだと思う。


「子供のスライムがいるって知ってたらあんなことしなかったのに……、悪いことをしたとは思ってる。ちゃんと修理するから、許してくれよ……」


「ちゃんと真面目に直したら、許してあげますからちゃんと修理してくださいね?」

 

 季水くんの懇願にそう答えれば、料理長は手を叩いて爆笑していた。ハッサクも、サクアも僕と同じ意見なようでウンウンと何度も頷いていた。


 ※※※※


 次の日。あの後、良い子は寝る時間だと監視役を料理長と変わり、直ぐに眠りについたので真面目に直したかチェックするために、いつもより早めに目が覚めたが、身支度を整えて同じタイミングで起きたハッサクを肩に乗せ、身支度を整えたタイミングで起きたサクアを抱っこし、自分の部屋から出る。


「2人とも起きるの早いね。あ、もしかして僕が早く起きたから起こしちゃったかな?」


 そう言えば、


「んぱぁ? (んーん、ボクが起きたかったから起きたんだよぉ〜、あるじぃ)」


「んきゅ!(ちょうど起きただけだからぁ、あるじのせいじゃないよ!)」


 そう言ってくれる優しい従魔たち。


(うん、僕は従魔運に恵まれているんだな! やっぱり、テイマー資格を放棄しなくてよかった!)


 そう考えながら、季水くんが壊したドアが修理されているか確認していく。僅かに魔力を感じるけど、本人の魔力だって何となくわかるから、見逃してあげようかな。

 ……自分でちゃんと直したみたいだしね。


「さて、しばらくは温室か書斎で過ごそうかな……。本当は泳いだり、森探索したいけど、ハッサクたちの怪我が治るまで念のためしないで起きたいし、湖も泳げそうなところないしなぁ……。

今日はいろいろ試したいことあるし、料理長に朝食用意してもらおっと!」


 鼻歌を歌いながら、調理場へ向かっている僕は気づかなかった。僕の独り言をたまたま聞いていた人物がいただなんて……。


 ※※※※


 はい! 場所は移動して、こちら温室! 僕達有栖家では趣味として植物や果物を栽培しており、それぞれ1人ずつ温室を持っています。

 僕の温室はオールマイティに揃えており、記憶を取り戻す前から1番植物を育てるの好きなので1番広かったりします。


 1番温室が広い理由としては、ガーデニングが趣味だけではない。料理や薬調合、調合なども趣味なため、温室に一通り道具が揃っているから、次第に1番広くなっていった。

 しかし、ステータス解放前では後天性スキルに反映されない。だから、解放後にスキル反映させるためには調合をたくさんしなければならない。


 さて。僕は生産系や自分の趣味系、そしてお父様の使っていた結界スキルを解放したいと考えているため、そうなると攻撃タイプではない。

 また、従魔であるハッサクやサクアも攻撃タイプとは言えないため、攻撃スキルを後天性で手に入れなければならない。

 まあ、従魔のステータスを見てくれ。


 スライム達のステータス詳細

・ハッサクーーーーー名前の通り、ほのかに柑橘類の香りがするオレンジ色のスライム。

 スキルーーーーーー調合(香水、石鹸担当。ただし、香りは問答無用で柑橘類の匂い)

 ーーーーーーーーーお菓子作り(ただし、柑橘類の菓子しか作らない)

 ーーーーーーーーー柑橘投げ(柑橘類の果物、ただしそれはレモンに限る。目にぶつけ、果汁を眼球に浴びせシバシバさせる。地味にHPが減る)


・サクアーーーーー桜色のスライム。1週間に一度桜餅を贈呈してくる謎のスライム。

 スキルーーーーーーお菓子作り(しかし謎に桜餅縛り。桜餅は作るのに時間はかかるが、絶品。

 ほんのり桜の香りがするお餅しか作れない。なぜかわからないが、お餅は大量生産可能。自分で自分のお餅を食べられる)

 ーーーーーーーーー投げる(何を? もちろん、出来立てのピンクのお餅ですよ。突き立てなので、とてももちもちです。)

 ーーーーーーーーー共食い(何を食べるかって? そりゃ、餅に決まってるじゃないですか。食べたあとは餅の量によってサイズアップします。)


 これ見ての通り、攻撃タイプとは言えないユニークなスキルが揃っている。まあ、チートは望んでいないし、それで構わないんだけどこれから先のことを考えると戦う手段が欲しいのはまた事実。


(サクアはどちらかといえば攻撃系もあるけど、攻撃の手段が変わっているからなぁ……。と言っても、サクアを前衛にするのもアレだし、僕もまた前衛タイプではないし?)


 だが、今は生産系のスキルが欲しいのだ! それに、僕はまだ4歳だ学園に入るまであと8年あるんだからとりあえず生産系のスキルのレベルを伸ばしたい。

 とりあえずは戦闘が得意な人に、戦闘を任せておこうではないか。


「今日は生産スキルを高めていこうか! でも、ハッサクたちは無理はしないように!」


 そう声をかければ、2人? とも手を作り出し、上に手を上げ、了承の意を示してくれた。


 まずは柑橘系の果物の回収をします。サクアに関しては材料は必要ないって本人が言っていたし。

 この世界では果物は全て木になります。そして、中には食用ではない木の実もあるから要注意!


 僕の温室では柑橘系の実はグレフレの実、レモの実、カンの実、ラムの実くらいにしかない。

 グレフレの実は、グレープフルーツ風味の木の実。風味だから少し野生感があるけど。

 レモの実はレモン風味。

 カンの実はみかん風味。

 ラムの実はライム風味だ。それぞれ、どれも2、3口で食べられるサイズで野生感があるけど美味しいよ。


 ハッサクに関しては今日は調合の方を伸ばしていきたいと考えているため、プラス薬草のふわふわ草、ひやひや草、食用じゃない実のあわあわの実、ジュレの実を使います。

 ちなみにふわふわ草はリラックス効果があり、石鹸とか香水とかに良いと思う。

 あわあわの実は石鹸に使うよ。食べると苦いだけで毒はないけど、食用ではない。すり鉢ですると泡立つんだ〜。

 ジュレの実も食べると苦いだけで毒はないけど、食用ではない。すり鉢でするとジュレが出来るよ!


 前世を思い出す前の僕は香水とか、石鹸とか作ったことないから、どういう風に出来るか楽しみだな。




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