表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/92

ほのぼのと5日目あんど6日目!

 

 春の25日、僕は無事に冒険者ギルドに所属することが出来た。もちろん、生産者申請もしましたとも。

 僕は予定通り、テイマーとして登録し、無事に冒険者デビューをした。

 ギルド申請はまあ、あっさりとしたもので何かギルド規則テストを受けさせられて、ギルド職員を驚かせるくらいの点数を叩き出したため、規則説明の追加はなしとなった。

 むしろ、ギルド職員にならないかと誘われたくらいのギルド知識量を持ち合わせていたことに、叔父様も驚いていたが、それ以上に本人である僕の方が驚きを隠せない。


(ただの本の虫だったはずなんだけど、興味を持つジャンルだけを読んでいたから、速読のおかげで何度も何度も読めたから身についていた知識なんだろうけどさ)


 とりあえず今、言えることは自分の今の立場上、ギルド職員になることは難しいと丁重に断らせて頂いたけどね。

 お父様の目的は、いかに僕が生き残る術を手に入れるかだ。さすがにギルド職員になってしまえば、修行時間も減るし、何せ僕には時間がない。

 だから、出来れば多くの回数、実戦経験を積みたいと思う今日この頃。


(まあ、しばらくの活動は修行だけど。修行が落ち着くまでは冒険者ギルドの生産者活動が主な活動メインだけどね)


「休息日開けから修行を開始し、同時進行で生産者ギルドで売買について学んでもらう。やることが多い、お前には時間は少ないからな」


 5年もあるとは言え、ここに居られるのはそのうちの数年だ。

 事実上3、4年くらいしか修行はできないということになれば、攻撃面に適していない僕はかなり頑張らないといけないと言うことになる。

 しかし、どんなに頑張ってもそれでも足りないくらいに僕は弱いんだろうなとも思う。


「ただ強くなるだけならすぐに出来るだろうよ。でもお前は俺と同じで、そこまで強さと名誉は求めていないんだろう? ……零、お前にはお前の強みがある。それをたった数年で伸ばすことは難しい。季水は誰かを守るために攻めることを選んだ、お前はお前の戦い方を見つけたら良い」


(……さすが、冒険者の教師をしているだけはある。強さも名誉も求めていないと、あの少しの時間で僕の考え方を見抜くんだから)


「わかっています」


 ただ、のんびり過ごすことは僕の立場上、無理だ。大切な人を僕のせいで失わないように、努力はしなくてはならない。

 僕は自分の生活を守るために、周りの大切な人な生活を守るために、僕は自分の身を自分で守れるようになるのが僕の目標だ。


(それにしても、僕の強みって何だろうか?)


 自分でも理解していない強さを、客観的に見ればわかるものなのかはわからない。けど、自分なりに自分の身の振り方を考えていかないといけないとそう思った。


 ※※※※


 春の26日、休息日。朝早く起きることが日課で、休日だからと寝間着のまま、リビングまで行くと、そこには遊騎さんを含めて5人の男性がいた。


(え、叔父様からこんな早くに守衛さんたちが来るなんて聞いてないんだけど……。それに、肝心の叔父様もいないし……)


 まあ、昨日の話の流れだと彼らが僕らの護衛と言うことになることはわかるんだけどさ。


「おはよう。もしかして、叔父様が忘れていただけでこの時間に来るって約束していたならお待たせさました」


 とそう言えば、遊騎さんは首を振った。


「おはようございます、零様。朝早くから申し訳ありません。我々の都合で朝早くに押しかけたのですから、零様が気にする必要はありません。この街に滞在する間、ここにいる私達が護衛を担当すると決めたのですが……、こちらの方でよろしいかの確認をさせていただきにきました」


(別に、スライムに対して否定派でなければ構わないし、合わないなら合わないとはっきり断って代えてと言えるんだけどな……)


「別に構わないよ。こちらこそ、寝間着姿で申し訳ないくらいだ。こちらとしてはスライムに対して否定的な考えを持ってない人、従魔と仲良くできる人であれば固定の護衛でなくても別に良かったのに、わざわざ確認しに来てくれてありがとう。早速だけど、護衛の担当者の名前を教えてくれるかな」


 本当は皆年上だから、敬語を使用したいところだけれど、護衛対象者であり、身分が上な僕が敬語を使ってしまえば萎縮させてしまうから、違和感を感じながらも敬語を使用しないように気をつけないと。

 それと、寝起きで辛いけど、ただでさえ早朝で気を遣っているのに、護衛の皆さんが萎縮しないようになるべく笑顔で対応しておこう。


「はい。私、遊騎を含めまして夕陽ゆうひ圭介けいすけ安斎あんざい夕霧ゆうぎりで担当させて頂きます」


(で、護衛紹介は終わり……?)


 本人たちの声で、言葉で自己紹介が聞きたかったんだけど、これくらいの我儘なら許されるか。


「一人一人自己紹介をしてくれるかな。どういう人か認識するためにね」


 そう言えば、何故か護衛担当の守衛達は驚いて、ざわついていた。

 何か、おかしなことを言っただろうか? 特に別におかしなことは言ったつもりはないのだけれど、とそう考えていると、一列に並んでいた守衛の1人が僕の前に移動して来て、かしこまった礼をした。


「夕陽と申しますっ! 今回は……っ! 守衛の中で一番年齢が近いから選抜されました!

えっと、普段は盾役として戦うスタイルをとっています! 魔物と契約することに憧れているので、零様の従魔であるハッサク様、サクア様と仲良くなることが目標です!

ユニークモンスターだと聞いていたので、会えるのを楽しみにしておりました! えっと、頼りないかもしれませんが、よろしくお願いしますっ!」


 あまりに怖がりながら話すもんだから、途中で自己紹介はやっぱりなしで! って言おうかと思ったけど、口調がオドオドしているだけで、一生懸命話しているから、温かい目で見守ることにした。

 うん、合格だね。ハッサクやサクアに悪意をぶつけることはなさそうだ。


「夕陽くん、よろしくね。仲良くしようとしてくれる人が増えると、サクアもハッサクも喜ぶよ。まだ子供だからわからないことも多いかもしれないけど、仲良くしてあげてね。君のこと頼りにしてるよ」


 そう言いながら夕陽くんの手を握って、微笑めば何故か顔を真っ赤にさせていた。緊張をほぐすために手を握ったはずなのに、逆効果だったかな? と首を傾げていれば、


「俺は圭介と申します。そこの臆病者の幼馴染です。前まで冒険者をしていて、先生……いや、夜兎様の生徒でして、頭が上がりません。

圭介のことが心配で、守衛になりました。なので、夕陽のことを一番わかっている俺から言わせてもらうと、男性だと理解していても女性慣れしていない夕陽には、零姫れいひめに手を握られて照れているんですよ」


 圭介さんからそう言われ、そう言えば中世顔だったなと言うことを思い出し、握っていた手を離す。


(てか、ナチュラルに男子だと理解していても姫呼びしてるな、圭介さん。まあ、別に気にしないけど)


「圭介っ! 零様に失礼だよっ! 」


 と圭介さんを咎める夕陽くんを制し、


「構わないよ、好きに呼んで? むしろ、様呼びされるより、あだ名で呼ばれているようで距離感が近く感じて嬉しいよ」


 そう言えば納得したのか、夕陽くんは咎めることをやめ、おずおずと聞いてくる。


「僕も呼んでも構わないですか?」


(さっき好きに呼んでくれて構わないって言ったばっかりなのになぁ、まあさっきまで姫呼びを咎めていたから呼びづらいのかもしれないな)


「いいよ」


 姫呼びされるのは、むずむずするけどね。何故、姫呼びされたかはわからないけど、まあ悪い意味ではなさそうだし、気にしないでおこう。

 正直、最近あそこまでオブラートに女顔だって言われると、気になんなくなってきちゃったし。


「零姫、今日は俺と夕陽が護衛担当の日なので、あとでご予定を教えていただけると有難いのですが、よろしいでしょうか。

寝間着を着替える前に申し訳ないのですが、お時間を頂けると有難いのですが」


 ずっと、寝間着姿をすでに見られているし、今更だろうから構わないかとそう考えた後、了承しようと口を開こうとした瞬間、すでにサクアとハッサクが触手で丸を作ってしまっていた。

 従魔でさえ、心を読まれてしまうのかとおかしくなり、僕は思わず声を上げて笑った後、


「まあ、なんだ。こう言うことだから、全員の自己紹介した後にまた話そう」


 サクアとハッサクの頭に手を置き、そう言えば、圭介さんは微笑んで一礼した後、夕陽くんを連れて元の位置へ戻っていった。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ