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その5!

 

「疲れているだろうから、修行は4日後から始めることとする。今日は冒険者登録、依頼の受け方、ランクシステム、ギルド設備の説明、ここら辺の地理の説明をした後、修行と休息についての説明をしていく」


(叔父様は気遣ってくれているんだろうけど、なかなかやる内容が多くないですかね。4歳の体力ではきつい……)


 と愚痴りたくなるのをぐっと堪え、了承を伝えるべく頷いてみせる。


「受付嬢の説明はわかりやすいが長いからな、依頼の受け方、ランクシステム、ギルド設備の説明、ここら辺の地理の説明は俺がする」


 ……ある程度調べてはあるけど、内部の人から聞くのとでは多少違う部分があるだろうから、僕は話を聞く姿勢に入る。


「まず、ランクシステムの話からするな。冒険者ギルドには依頼を受けたことにより、死者が出ることを最小限にするため、ランクシステムと言うものがある。ランク分けとしては下からH、G、F、E、D、C、B、A、S、SS、SSSの11段階がある。7歳未満はHランクから、7歳以上からはGランクからのスタートだ」


 そうなると、7歳以下の僕だからHランクからスタートとなるのね。それは、事前に調べた情報と同じ。


「ランクアップは一定数依頼をこなし、昇格試験に合格すること。または何らかの功績を残し、ギルドマスターからランクアップを命じられるかの2つ」


 S級にはなれないと思ってたから、そこは読んでなかったから知らなかった。まあ、興味が無いからスルーで良しとしよう。


「さてと、依頼を受けるためには冒険者ギルドに所属していること、自分のランクにあった依頼を受けることを守らなければならない。ランクごとに掲示板が分かれているから、ちゃんと自分のランクを見て依頼を受けるだぞ? ただし、自分より下のランクの依頼を受けるのは容認されている。ここまで質問はあるか?」


(ここまで気になることといえば……)


「ギルドマスターにランクアップを命じられることをするってどんなことをすれば認められるんです? 想像できないんですけど……」


 好奇心は何とやらで、聞いて後悔するかもしれないけど、どんなことをすればギルドマスターを頭抱えることになるのか、聞かずにいれず……と考えていれば、


「そうだな、一番ランク上がったのはDからSだな。その時は2人組のメンバーが、とある街に来襲したドラゴンを倒し、その子供をテイムしたからS級に上がったらしい。その後、色々な魔物や動物、植物をテイムやら採取やらして保護した結果、最終的にSS級まで登りつめたらしい。……1世紀くらい前の話だけどな」


(倒すだけじゃなくて保護もする、そりゃSS級にもなれるよ……)


「次はお前の母親の話だがな、BからA級に上がる際、ドラゴンを一回倒してるんだ。

まあ、倒したドラゴンが強いことは確かなんだが、世間ではトカゲモンスターかドラゴンか意見が分かれててな、お前の母親はトカゲモンスター派だったから1ランク昇格で話はついたんだけど、何故かまたドラゴンと遭遇してな、倒しちゃったもんだからギルドマスター権限でS級に昇格って訳よ。

ちなみに俺はドラゴンであってほしいと思ってる。

お前の母親がバリバリの冒険者やってた時は女性冒険者は僅かだったからなぁ、あいつがS級に上がってから女性人口も増えたんだよなぁ」


(ごめん、お母様。僕はお母様がトカゲモンスターだと考えるリザードドラゴンをドラゴンだと考えている派なの)


 理由を挙げるとするなら、リザードドラゴンを除く、トカゲモンスターで一番強いモンスターと比べてもあまりに強さのレベルが桁違いなこと、そしてドラゴンを標準にすればドラゴンにしては弱いかなくらいの実力は研究者予測ステータス表を見れた時感じた。


 また、リザードドラゴンと戦った後、ドラゴンに再び遭遇したと言う話から、僕はリザードドラゴンがトカゲモンスターであることに違和感を感じる。

 ドラゴンと遭遇する確率は1世紀生きて一度あるかないかの確率だ。それなのに、1世紀に2回も遭遇するなんてあまりに運が良くて、悪すぎる。


 それにこう考えれば、リザードドラゴンはドラゴンであると考えられるのだ。

 ドラゴンの魔力とは、攻撃を避けたとしても一度戦えば染み付いてしまうほど、質の高い魔力なのだ。それのことをマーキングと言うのだが、仲間意識が高いドラゴンの長が務めているグループに倒したドラゴンが所属していたとしたら?

 何度も遭遇する理由が筋が通る。


(まあ、研究者でもない僕は付け焼き刃な知識しかないから根拠は薄いけどね〜)


「あと、50年前くらいかな。

ひたすら薬草集めをしていた冒険者がいたらしくてな、医療職ではないんだが、常日頃薬草の香りを纏って変わり者の人がいてな。

実力はまあまあある人なんだが、何故か薬草系のイベントしか受けなくてな、ある日が来るまで変わり者扱いをしていたらしい。

40年前、とある理由で地震が起きてな、怪我人が大量に出たんだ。その時、その冒険者が事前に知らせて怪我人は出たが、死亡者が少なかった。

しかも、自作した回復ポーションを無償で提供してくれたおかげですぐに復興作業始められたらしい。

何故、地震による災害が起きることを知っていたかと言うと、彼自身、地震で家族を失ってから災害の勉強をしていたんだと。だから、薬草系ばかりのクエストをこなし、いつか何かあった時のために冒険者になったと同時に回復ポーションを作り続けた。

彼が救った市民は少なく見積もって1000人、多く見積もって3000人だそうだ。

彼は実力もあるし、薬草系クエストばかり受けてB級まで登りつめた強者だ。本人は嫌がったらしいが、最終的にはギルドマスター権限でしぶしぶB級からS級まで登りつめた」


(人間は自分が苦しい時、憎しみを抱く人と自分と同じ経験をさせまいとする人に分かれる。彼が憎しみを周りにぶつけず、同じ経験をさせまいと行動してくれたおかげでたくさんの人が助けられた)


「有名な話はこれくらいだな。ギルドマスター権限でランクアップなんて滅多にあることはない。上げられるのだって、不特定多数の国民の救済をした人物が条件だからな。

まあ、一気にやらなくてもコツコツ地道に人助けをしていてランクアップした者もいるらしいしな。

その人は匿名希望で概要しか残さないことを条件にギルドマスター権限でランクアップすることを了承したらしいから、大体誰がそうするのか目処がついているが、ほぼギルド職員扱いを受けているから冒険ギルドに所属するメンバーのプライバシーを侵害する行為は出来ない。

つい最近のことらしいと言うことは聞いたがな」


(別に誰がギルドマスター権限でランクアップしたとかは別に興味はないんだ。ただ、どれだけのことをすればギルドマスターに規格外だと認められるのか知りたかっただけで)


「何となくボーダーはわかりましたので、それで十分です」


 とでも言っておこうか。とりあえず、叔父様にプライバシー漏洩をさせるつもりはないと伝われば良いのだから。


「では話を戻すが、残りはギルドの設備についてとここら辺の地理か。まずはギルド設備について話していくが、ギルドには俺のような冒険者の教師が教える修行場、生徒コースとベテラン冒険者からのモンスターデータから作られた実戦経験コース、ベテラン冒険者がさらに技を磨くための修行場である極めの部屋の3つの修行場がある。

また、本来なら生産ギルドに入るはずの生産者が同時に冒険者をやりたいと希望する者に、生産者ギルドではなく、冒険者ギルドに入ってもらうために作った生産所などの設備もある。

生産所には薬剤調合、裁縫、錬金、料理などの設備がギルドの建物一軒分の時に分野ごとに分かれていて、1階は受付、2階は錬金、3階は裁縫、4階は料理、5階は薬剤調合の生産所がある。

階数的には7階まであるんだが、まだ資料があまり集まってなくてな、予定では6階は金庫室、7階が生産に関する資料室になる予定だ」


 僕は気持ちが高ぶって、質問をするだけなのに思わず勢いよく手を挙げたことに叔父様は圧倒された後、どうぞと言ってくれた。


「あの! 冒険者中心で活動していても、生産者登録は出来ますか!」


 食い気味でそう聞けば、微笑ましそうにしながら、


「玲亜から聞いているよ、薬調合するのが一番好きなんだろう?

勿論、冒険者を中心で活動するつもりで登録していても、生産者登録を同時すれば生産者設備を利用することは可能だが、薬調合ための温室はお前のために家と同じ温室をこちらにも作ると玲亜が言っていたから生産者登録は必要ないんじゃないか?」


(そう言う問題じゃないんだって!)


「薬作りは好きですし、温室をお父様に用意して頂ければそちらを使います。

ですが、生産者登録は必要です。ギルドの生産者登録がどうかはわかりませんが、薬剤の販売の条件として生産者登録が必要なんですよね? 僕は薬剤の販売資格が欲しいのです!

だから、どうしても僕には生産登録をする必要があるんです!」


 別に前世のものを作って、この世界を発展させようとは考えていない。ただ、薬を調合してしまえばある程度手持ちがあれば、後は宝の持ち腐れになってしまう。

 ハッサクが作った石鹸だって、レベル上げのために大量生産させたら在庫がたくさん出来てしまった。使用人にも頼んで消費しているのだが、それでは消費出来ないくらいの量が残っている。

 残してダメにするくらいなら、生産者登録をして売ろうと考えていたのに。


「俺もな、冒険者登録でサブやメインで生産者登録をすれば利用できるって言ったんだけどな。

玲亜はお前は4歳ってだけで絡まれるし、それに薬調合のやり方が個性的だから温室や森以外では、信頼出来る人以外の人前では特にやらせないでくれと言われている。

だから、親である玲亜を優先した意見を言ったが、俺としてはギルドの方の生産者登録をした方が良いとは思う。

お前が言った通り、生産者登録をすれば生産した物を販売することが出来る。冒険者ギルドの生産者登録もしかり、登録すれば生産した物を販売することは可能だ。しかし、条件があってな、生産者ギルドに勤める人間の講義を1ヶ月受けることが条件だ。

お前が望むなら、俺は応援する」


 そう言った後、なぜか嬉しそうにしながら頭を撫でてきた。なぜ、嬉しそうにしているかはわからないが、応援してもらえるなら、まあいっかと思うことにした。

 それからすぐに嬉しそうな表情から一変、苦虫を噛み潰したような顔をして、


「冒険者はガラが悪いやつばかりではないが、傭兵ギルドを除く中ではダントツにガラが悪い奴らが少なくない。玲亜も実戦を学ぶために一時期冒険者をしていたことがあってな、中性的な顔をしてて細身だからか絡まれたりした苦い思い出があるんだ。

だから、お前には同じような経験をさせたくないからそうしているのだけは理解してくれ。実際、本人が生産者登録をギルドでするって意思があれば玲亜の意見関係なしにお前の方を優先してくれと言われているから、親心だと思ってやって」


(別に理由を聞けば責めるようなことは言わないし、お父様が理由もなしに僕にあれをするなと言わないって信じているから)


 そう考えた後、叔父様を心配させないようコクンと力強く頷く。すると彼は微笑みながら、まるで鳥の巣のような髪型になるまで撫で、そしてこう言った。


「お前がそう言うタイプだとは思っていないが、一応言っておく。無理して良い子で居続けるとしんどくなることもある、たまにはわがままを言ってもバチは当たらないからな?

……話は戻るが、ガラの悪い冒険者は一部だけなんだがな、何せここから何人ものS級冒険者が排出されているんだ、実力者も集まってくるだろう? ここに来る冒険者は指導されたい新人と、S級になりたい手練れのどっちかだ。

そんな奴らに目をつけられたら良くて大怪我、最悪取り返しのつかない事態になるかもしれんな。

それを玲亜は恐れているんだ。だから規格外、最強と言われるくらいにはならなくて良い、強い者に出会った時、逃げられるくらいの知恵を、力を身につけてほしい」


(……叔父様は本当に教師向きの人だね。気遣いが出来て、説明がわかりやすくて、優しくて同時に厳しい人。そんな人から知恵を、力をつけてほしいと望まれたら自分の身を守れるくらいは強くならないといけないな)


「ご気遣いありがとうございます。

 別に良い子でいるつもりはありませんし、無理もしてませんから安心してください。

我儘については、ここに温室が建つ時点で我儘は叶えてもらっています。まあ、今言える我儘としては冒険者ギルドの生産者登録をしたいって言うことと、僕がこの街を去るまでに温室の管理をしてもらう子を教育し、雇ってもらいたいくらいでしょうか。

自分の立場が貴族である以上、自分の身や平和、スライム達を守るためには身を守る術を手に入れなければならないことは理解しています。

しかし、僕には攻撃スキルがありません。それは僕には攻撃スキルは向かないってことでしょうし、後天性スキルで攻撃面を鍛え上げたとしても、自分と同じかそれ以上に鍛えた先天性スキル、血縁スキルの保持者には勝てる気がしません。

それに同じ後天性スキルで攻撃スキルを磨き上げ、実戦経験が豊富となれば、僕には勝ち目はないと思います。僕は僕にできることをしていきたいと思います、絡まれないためにどうするかを考えながら」


 僕はチートになることは望んでないし、強くなりたいという願望を持ち合わせていない。

 だけど、貴族と言う立場が僕を強くさせようとする要因になっているのもまた事実だが、家族を切り捨ててまでスローライフを手に入れようとも思っていない。

 それに、もし貴族と言う立場を切り捨てたとして、1人で生きていくにはまた強さが必要になってくる。


 この世界で生き抜いていくためには、程よく強くなる必要があるのなら、僕は生きるために必要な強さを考えていかなければならない。










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