プロローグ
第二章が開始。
―――女神と少年が送る異次元ラブコメがスタート!!
あのパラレルワールドの悪魔が消滅し、北岡徹の記憶を取り戻してから数ヶ月が経ったある日。任務を達成した神秘の女神(自画自賛)こと私、リオンは徹くんと買い物に出かけていた。
安いし近いし美味しい食材が沢山売ってあるスーパーだ。徹くんはよくここで買い物を済ましているらしい。
「お菓子が全品60円……このスーパー経営が回るのかなぁ……」
私は大きな荷台に鏤められている、及び『全品60円!!』の張り紙を見てボソリと呟いた。
「気にしたら負けだ。女神よ――安いお菓子が沢山買えるこの現実に感謝しようではないか。ありがとうございます!! アーメン……」
「徹くんはいつからキリスト教徒になったの?」
すると、隣にいた徹くんは爽やかな笑みを浮かべてこう言った。フツメンでも爽やかに笑うと多少はイケメンになるらしい。新発見!!
「いやいや、何事にも感謝することが大切だよ。もちろん君と出会えたこともねっ」
ドヤ顔で言い放つ徹くんに若干引きながらも、私はその素直な感謝の気持ちに応えることにした。
「ありがとっ。私も徹きゅ……いや何でも無い!!」
素直に気持ちを伝えるということは意外にも恥ずかしいモノなんだなと、この時初めて認識したのだった。ちなみに徹くんはニヤニヤしながらこちらを見ている。
この笑顔はキモいぞ、徹くん。
私は心中で徹くんを小馬鹿にしつつも、本当は徹くんの事が好きだ。
――あの時に言ってくれた言葉を、私は永遠に忘れることは無いだろう。こんなにも嬉しいストレートな告白は今までにあっただろうか。
『俺はお前の事が好きだ。女神――これからもずっと側にいてくれ』
あんなにも、素直で大胆な告白をされたらこっちだってその気になってしまう。
だが、あの男――北岡徹は浮気しそうな顔なので完全に信用していない。
そういう意味でも、お互いが完璧に信頼できる形になってから付き合うことになっているのだ。
なので、今は付き合うことは出来ないけれどずっと側に居ていくれという言葉にちなんで、『居候』という形でお世話になっている。悪気はあるが、何れ無くなるだろう()
「お、これ好きなんだよな」
徹くんはまるで宝物を見つけたようなキラキラした目であるモノを手に掴む。
実際に見ても見慣れないモノであり、星形の印が付いた紙のようなモノは一体何だったのかよく分からなかった。
こんなに嬉しそうに……なんだろう?
まさかエッチい道具……!? 確かに実物なんて見たことないしあり得る話かもしれない。
そもそも私がいる前でこんなに堂々と……! いや何でスーパーにあるんだよ。
しかも紙っぽかったぞ。痛いよ、絶対痛いよ。
私は脳裏に勝手に思い描いた妄想劇を繰り広げていると、徹くんは何事も無かったかのようにあるモノを商品棚に戻した。
スタスタと歩いている徹くんを呼び止めて、さっきのモノは何なのか尋ねることにした。
「さっきのモノって何? この世界で有名なの?」
女神という立場でいるものの、人並みには一般常識を知っているハズの私だ。
お久しぶりです。遂にこの“時”がやってきました……




