最終話『このパラレルワールドは女神を試そうとしている』
パラレルワールドの話の最終話です。
私は重い身体を何とか動かそうとする。が、痛みが余りにも強くて言うことを聞いてくれない。じゃあまたパラレルワールドへ逃げるのか? でもそれもアリだ。私が行けるパラレルワールドはこの世界と平行している別の世界の時間が少し戻った世界だ。でもさっき徹くんは悪魔を倒したお陰でこの世には悪魔は存在しない。だとしたら、今望んでいるは何だ?
そう、自分が生きていて、なおかつ徹くんも平和な日常を過ごす。つまりパラレルワールドへ逃げれば後は徹くんは普通の状態だし私も役目を終えたから良いのだ。何を当たり前のことを考えていたのだろうか。
「――今度こそ本当のお別れだね。徹くんっ、私……本当は貴方の事が好きでした。もし暴走していなかったら、告白したかったんだけどっ……ワガママだよね?」
徹くんの顔が一瞬元に戻る。だが、すぐに殺人鬼のような顔に戻ってしまう。もう手遅れなのかも知れない。
私はゆっくりと徹くんに近づいた。徹くんは警戒している様子だったが一切手を出してこない。私は徹くんと顔と顔がくっつくぐらいの距離まで近づいて――口にキスをした。
「――ッ!?」
「色々迷惑掛けてごめんね。また逢えたら――今度は普通に逢いたいねっ。じゃあ――」
私はキスを辞め、徹くんの目をしっかりと見つめてこう言った。
「――さようなら。大好き」
何故だろう、視界が滲んでちゃんと見えない。女神なのに――かっこ悪いな。
私は一人苦笑すると、静かにこう唱えた。
「【リセット――】」
その時だ。目の前の徹くんが私に呼びかけた。そう、いつもの目で。
「――ありがとう、思い出したよ。女神、俺こそお前にいつも迷惑掛けているだろ」
「――えっ?」
徹くんは一度深呼吸をして、私にこう告げた。真剣な徹くんの眼差しが変に私を緊張させた。
「俺はお前が――」
その言葉に、私は涙をボロボロと流してしまった。もしかしたら、私はこの世界の中で一番幸せなのかも知れない。今、この場所で二つの笑顔の花が咲いた。そしてその花は永遠に枯れることは無いだろう。
これにて一旦区切らせて頂きます。こんなへっぽこ小説を読んで頂き本当にありがとうございます!!
またお会いしましょう!!




