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遥かなる彼方からの贈り物  作者: 名も無き人
第2章 デジャの物語
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(4) デジャの歴史

しかし、遅れてやってきた1個が落ちてきた。


巨大隕石である。


たちまち地表の海水は全て蒸発し、地表は全て焼け野原になった。


地表の温度は数千度に達し

海中にいた生物は全て死滅した。


しかしそれでも、デジャの生物は滅亡しなかった。

一部が地中奥深くの割れ目の水の中で生き残ったのである。

これも地球の歴史とそっくりだった。


やがて地表が冷え

大気中の水分が水に還り再び海を形成すると

また生物の進化が始まった。


それからもあらゆる紆余曲折が待っていた。

しかし進化は継続し

やがて知能を持つ生物が現れる事になった。


そして結果的に地球人と似た生物が

道具や言語を獲得して最終的に覇権を握り

文明を起こし科学技術を進歩させたのだった。


デジャ星での科学技術の進歩のスピードは

地球以上であった。


その理由を地球と比較する事は簡単ではない。

地球に比較して気候条件が優れていた為か

或いは人口規模が大きかった為か

或いはデジャ人自体が優れていたのか。


ただし地球と同様にデジャにおいても

文明が発生した後も

通信や交通手段が進歩するまでに時間がかかった為に

地域が分割された状態で

多くの国家や帝国が分立して繁栄する事となった。


地球で言う人種や民族の分化も著しかった。


しかも地球の数倍の居住に適した土地があった為

その数や多様性は地球よりも遥かに規模の大きなものだった。


地球における宗教と同じ様に

無数の宗教が文明の発生に伴って生まれ

栄枯盛衰を繰り返しながら

幾つかの宗教がデジャ人の社会に根付いた。


そしてデジャの社会に根付いた幾つかの宗教は

デジャ人の心の支えとなる一方で

より繁栄した宗教となる道を選び


結果として

哲学としていかに完成されているかよりも

むしろ社会に対し「より大きな影響力」

を持つ宗教である事が

宗教勢力そのものの究極の価値観となっていった。

もちろんこれも地球に酷似した現象だった。


デジャ人の国家の多くは

地球における資本主義経済的な考え方を早くから取り入れ

産業技術の進歩を加速させた。


そして多くの国家間の戦争を経験する度に

更にその進歩は加速した。


もちろん戦争を回避し平和を築く努力も行われた。

そして核兵器が開発されるに至って

その努力には更に熱意がこもる様になった。


ちなみにデジャでもやはり核兵器が使用された。


不幸な事に最初に核兵器を開発した国家は

民族浄化的な宗教思想を背景として核兵器を使い続けた。


結果的に一方的な敗戦国となった国家はほぼ全滅する事となった。


この悲惨な経験があった為、これ以降に核兵器は使用されなかったが

開発は別で、間もなく多くの国家で核兵器の開発が成功し

核による軍拡競争が激化し

その危険性の認識と同時に平和への運動も強まり

全世界的な連合を作ったり

条約と言う約束事が繰り返し交わされる事となった。


ここも地球と同じである。


また資本主義的な考え方は当然大きな貧富の差を生み


デジャ星の総人口の30%以上のデジャ人は貧困で


時には飢えの危険さえ感じる生活を強いられる状態にあった事も

地球と酷似していた。

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