↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
遥かなる彼方からの贈り物  作者: 名も無き人
第8章 隕鉄落下
PR
89/91

(6) 親子の絆

衝突の時、大樹は母の頼江と一緒にいた。


衝突の時には、全世界で

非常に多くの被害が発生する筈であった。


その結果、多くの人命が絶たれる事になる事は

ほぼ間違い無かった。


もちろん大樹もそれは知っていた。

一人でも多くの人を助ける努力をすべきとも考えた。


しかし、結局大樹は母と一緒に居る事にしたのだった。


どんな事があっても

たとえ大樹自身の命に代えても

母の頼江だけは

絶対に助けたいと考えた事が主な理由であった。


その他に特に理由はなかったが

強いて言えば


本当の地獄は

衝突による直接の災害とは

別にある事を知っていたからでもある。


確かに衝突と

それに伴う地震や津波の被害は

大きいかも知れない。


しかし、本当の地獄が来るのは

むしろその直接の災害が終わってからだからだった。


直接の被害で簡単に命を落とした方が

幸せかも知れないのである。


一方で大樹の母の頼江の方も

大樹を何としても守るつもりだった。


たった一人の血縁者である大樹の祖母が

避難した連絡を確かめた後

大樹の手を引いて

身の周りのものを詰めたリュックを背負って

群馬県の山中に設けられたキャンプに逃げてきた。


母子家庭の二人は弱い存在だった。


車もない。


だから大部分の家財は捨てるしかなかった。

預金通帳や夫の思い出の写真だけが貴重品だった。


高さ50メートルを超える巨大な津波が来ると言う。


東京は間違いなく全滅する筈だった。


だから山に逃げなければならない。


200メートル以上の標高が安全だとされていた。


だったら群馬の山なら大丈夫だと思った。


案の定非常に多くの人々がここに逃げてきていた。


狭い場所に

数百万人の人々がひしめき合っていたのである。


辺りには急ごしらえのキャンプ場が造られていた。


山を削り、平地にしただけのキャンプ場である。


そこに大量のキャンプが設営されていた。


見渡す限り、大型テントが続いていた。


頼江と大樹はその一つに知らない人々と一緒に入っていた。


秋の気配が濃い山の空気は冷たかった。


頼江と大樹は、毛布を被ってじっと待っていた。

時々、母が子供に声をかけた。


日本国首相の相本一郎は

実に献身的に努力したが

やれた事は精精このキャンプの設営程度だった。


しかし、雨露が凌げるだけ良い。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。