かぼちゃ畑のダンスホール
秘密の時計台を降りたプーがたどり着いたのは、森の一番大きなカボチャ畑でした。
そこは今夜のハロウィンパーティーの会場であり、たくさんのジャック・オー・ランタンが黄金色の光を放ちながら並ぶ、まるで広大なダンスホールでした。
畑の中央では、森の動物たちや仲間たちのオバケたちが楽しげに音楽に合わせて体を揺らしています。
「あ、プーだ!」
誰かがそう叫ぶと、みんなが一斉にこちらを振り返り、温かい歓声を上げながら手を振って迎え入れてくれました。
「プーが帰ってきたよ!」
「みんな! プーが帰ってきたよー!」
「おかえり、プー」
「プー、待ってたよ」
はぐれてしまったときはあんなに心細かったのに、こんなにもたくさんの仲間たちが笑顔で待っていてくれたのです。
プーは嬉しさのあまり、真っ白なシーツの裾をつまんで、小さくくるりと一回転してお辞儀をしました。
頭の上にちょこんと乗っているカボチャの精霊も、みんなに向かって愛嬌のある笑顔を浮かべ、ピョンピョンと跳ねるようにして挨拶を返します。
「その頭の上のぼうし、とっても素敵だね!」
「手作りのランタンも、すごく綺麗にあたたかく光ってるよ!」
仲間たちは口々にプーの姿を褒めてくれ、美味しいパンプキンスープや焼き菓子のたくさん詰まったお皿を差し出してくれました。
音楽がふたたび優しく流れると、カボチャ畑のダンスホールは一層賑やかな雰囲気に包まれました。
プーは手元のランタンを大切に脇に置き、頭の上のカボチャの精霊と一緒に、仲間たちの輪の中に入って楽しそうにステップを踏みました。
落ち葉の迷宮を抜け、星屑のオアシスで癒やされ、ガラスの森や秘密の工房、時計台を巡ってきたすべての思い出が、いま胸の中で温かい光となって弾けています。
ハロウィンの夜の真ん中で、プーの小さな心は最高の幸せと優しさでいっぱいに満たされていくのでした。




