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大力(嘘)で身を立てる  作者: ろん
第三部 貴族立身

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3伯爵家征討作戦① 呼び出し、当初計画の説明

「既にこの領都は国軍に包囲され、居城は陥落した!


これより、旧ゲイロード伯爵家領は、王家によって治められることになるだろう!」


王都の北東にあるゲイロード伯爵家は廃絶され、旧ゲイロード伯爵家領は王家直轄領となった。


これで、旧ローゼルスタッド侯爵家が属していた派閥の中の大貴族を『3つ』潰してその領地を王家直轄領にすることができた。




――――――――――――――――――――――――――――




南部辺境開拓村からサストガードの街に向かい、サストガードから王都に、正確には王都の傍の駐屯地に戻ってから3日後。


王家の使者が駐屯地にやってきて、「国王陛下からの諮問がある。共に来られたし」とそのまま俺は馬車に乗せられて王城へ向かった。



王城に到着して、馴染みの場所になってきた謁見の間ではなく、更に奥まったところの小さな部屋に案内された。


部屋に入ると、奥に国王がいて、国軍の将士らしき者たちが座っていた。


同じ戦場で戦う機会が多く、旧ローゼルスタッド侯爵家の当主だったヴァンサンを捕らえた時にもいたクレマン・ラングマンがいる。


旧ローゼルスタッド侯爵領を占領した時に真っ先に駆けつけてきたベルナール・ジェレミアスもいる。


王家として信頼できる将士が集まっていると考えてよさそうだ。



「バウエルン子爵、よく来てくれた。


早速だが、席について話に加わってほしい」


国王が俺に声をかけてきた。


こういった場を差配しそうな宰相や秘書のような者もいないな。


それだけ機密性が高いということか。



「此度の集まりの議題は、旧ローゼルスタッド侯爵家の派閥の後継争いをしているサンミッチェル伯爵家、モハンサン伯爵家、ゲイロード伯爵家の粛清についてだ。


バウエルン子爵に提出してもらった闇組織や盗賊の残した資料と、その後の調べによって、到底許容できぬ悪事を働いてきたことが判明しておる。


旧ローゼルスタッド侯爵家ほどではないが、それぞれ私兵やギフト保有者を抱えている油断ならぬ勢力でもある。


旧ローゼルスタッド侯爵家領、現在ではエストブルクと名付けた所領の経営が安定した今、これらの者を叩く機が満ちたと考えておる」


国王が俺をこの場に呼んだ理由を告げる。


既に内容を聞いていたのか、国軍の将士の表情に変化はない。



サンミッチェル伯爵家、モハンサン伯爵家、ゲイロード伯爵家。

この3伯爵家は旧ローゼルスタッド侯爵家領の北から北東にかけての隣り合った領地を有していたな。


俺はそれぞれの領都に隠れて侵入して偵察したことがある。

ローゼルスタッド侯爵家と繋がりが強く、俺と敵対する可能性があったからな。


3伯爵家の領地を合わせると旧ローゼルスタッド侯爵家領を上回る広さになる。


残しておけない貴族家という理由に嘘はないだろうが、王都に近い王家直轄領を拡大したいという意図もありそうだな。


俺ならそれらの領地を欲しがらずに、辺境の加増を報酬にすればいいから、国軍に併せての戦力として検討されたというところか。



「その3伯爵家を叩く際に、国軍にアルト隊を加勢させるということですね。


どのような計画となっているのか、お聞かせ願えますか?」


俺が国王に尋ねると、国王が頷いてクレマン・ラングマンに視線を送った。



クレマン・ラングマンが今検討されている計画について説明した。


まだ具体的な話はそれほど詰められておらず、旧ローゼルスタッド侯爵家領、今はエストブルクだったか、そのエストブルクに近いところから出撃できる戦力の総力をかけてサンミッチェル伯爵家領、モハンサン伯爵家領、ゲイロード伯爵家領の順に領都を落としていく計画が検討されているらしい。



俺は順次各個撃破は戦力面での不安はないが、次の2点の懸念があるのでは、と指摘した。


・最初のサンミッチェル伯爵家領を攻めた時点で他の2伯爵家に情報が伝わり、備えられるか逃亡されるリスクがあること


・旧ローゼルスタッド侯爵家領では占領後の統治に人手と時間を取られたが、同様にサンミッチェル伯爵家領で時間を取られ、次のモハンサン伯爵家領を攻めるまでに相当の期間を置く必要が出てくること



国軍の将士たちも概ね理解していたようだが、出撃できる戦力が限られていることから伯爵家領を1つずつ落とす以外に有効な作戦はないと考えているようだった。


そうだろうか?

国軍だけならそうだろうが、アルト隊が参戦するとなると話は変わってくる。


この作品を読んでいただきありがとうございます!


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