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大力(嘘)で身を立てる  作者: ろん
第三部 貴族立身

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たった1人のアルト隊② 開戦前

今回の戦争も第13大隊が出ていたので、一時期所属していた第5中隊に顔見せに行く。



俺が貴族になったことで、大隊の幹部連中は俺に何も言ってこないようだ。


第5中隊の中隊長とその周りはスルーして、小隊長や一般隊士の方へ向かった。


小隊長たちは俺が貴族になったことで畏まった態度を取ろうとしてきたが、今まで通りで頼むと言うとすぐに戻った。


一般隊士の連中は今まで通りと変わらない。


第13大隊は鼠色の制服だが、俺は深黄緑の制服で目立っている。


ごく一時期しか俺は鼠色の制服を着ていなかったが、見た目で別の部隊になったことがはっきりと分かって、少し寂しそうにしていたな。


俺が独立遊軍になった時は、「俺たちの行軍中の飯はどうするんだ!」とか文句を言ってきたくらいだったが。


俺の作った飯が食えなくて寂しそうにしていた可能性もあるか。



混成部隊の方にも顔を出しに行く。


戦争ごとに集められるので毎回人数が違うようだが、今回は多めに集められているらしい。


前回は200人くらいだったが、今回は300人を超えているようだ。


傭兵で参加している常連を俺が結構引き抜いたせいで、熟練者の割合は減ってそうだな。


顔見知りの者からは文句を言われた。



リーダー格だったマクシ・ケニー・リビオの3人はアルト隊に入隊したし、マクシが率いていた傭兵団は国内物流の方が安全で儲かるということで、混成部隊にはあまり参加しないようになった。


行軍中の食事の作り方を覚えた傭兵3人組もアルト隊にスカウトしてしまったし、不便しているそうだ。


申し訳なくはあるが、必要なスキルなら他の者も覚えておけよ、と言い返しておいた。



混成部隊を担当する士官の態度がかなりマシになったようで、その面ではやりやすくなっているらしい。


哨戒任務で打ち解けた3人の士官以外も、前の戦争でも活躍した混成部隊の扱いに気をつけるようになったらしい。


人数が増えているのはそういった要因もあるのかもな。



前回の戦争では混成部隊を率いて3つの戦場を亘ってそれぞれで戦果を挙げた。


その前の戦争でも俺が突っ込んだ後に誘導して混成部隊にも戦果を挙げさせた。


その時にも参加していた者が今回も結構いるな。


マクシ・ケニー・リビオほどじゃないが、混成部隊のリーダー格として周りをまとめている何人かに声をかけ、今回は俺が突っ込んでも最初はついてこないように言い含めた。


序盤はしっかり陣を固めて崩されないことを意識すること、敵軍が崩れた時のみ突っ込んでいいこと、そのことは特に念押しした。


前の成功体験に引きずられてまた俺に最初からついてくると、今回は全滅に近い被害が出るかもしれないからな。



俺の言うことをそれなりに信用してくれるなら、今回もそれほど大きな被害は出さなくて済むだろう。


混成部隊を担当する士官が前回や前々回のような戦果を狙って逸っても、抑える方向で動いてもらいたいところだな。




アクチュア王国軍が拠点のある丘の麓に陣を敷いて固めているところに、北の方から敵影が見えた。


トロイト王国軍は相変わらず整然とした軍列を保ちながら動いてくるな。


今回はアクチュア王国軍1万2千人とトロイト王国軍1万4千人の戦いといったところか。



アクチュア王国軍は12大隊が6大隊ずつ前後に並べられている。


各大隊は相変わらずわちゃわちゃしているというか、まとまりがないが、まだマシな方だろう。



第13大隊は前列の左から2番目の位置に置かれ、混成部隊もそこに配置されている。


1番統制が取れていないと評判の第13大隊に、更に統制が取れていない混成部隊がまとめられた形かな。


この作品を読んでいただきありがとうございます!


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