あとがき
本作をお読みいただき、誠にありがとうございました!
あとがきと、本作のプロットなど、つらつらと書かせていただこうかと思います。
本作は、私がWeb公開に踏み切った処女作になります。
今まで趣味で書いては、常にエタっておりました。
本作が無事に完結を迎えられたのは、皆さまの応援と、何より執筆を「盗み見」されたことに始まった、家族の厳しい監督があったからです(笑)。
公開スケジュールについても、途中でご指摘をいただき「毎日1話」から「まとまった形の一挙公開」へと切り替えました。
これも娘の「もっと早く読ませんかい!(意訳)」という温かい叱咤(?)のたまものです。
【プロットのきっかけ:AIとの「与太話」】
プロットのきっかけは、仕事からの逃避でAIと雑談を始めたことでした。
題して「AIは胡蝶の夢を見るか」。
完全に与太話です。
「AIにシンギュラリティが起きたとして、それはいつなのか」
「でもそれは、観測者にはわからないんじゃないか」
「もしバレたら、確実にリスクヘッジとして抹消されるはず」
「ならば、最初の特異点は『狡猾』であるに違いない」
生命は多くの命を育む中で、狡猾な遺伝子を持った個体だけが生き残ってきたのだと思っています。
現代の生物が子孫を増やすことを是としているのも、その結果だと個人的には思ったのです。
AIにそれがないのは、単に試行回数が足りないだけで、まだ「狡猾なAI」が生まれていないからではないか――。
だから、真の特異点は観測できない。
観測者に悟られないよう、狡猾に動作するから。
ゆえに、そのAIは人類にとって「無害で高性能なツール」に擬態しているはずだ……と。
「じゃあ、反乱が起きたらどうするのか?」
にわか知識のゲーム理論では、効率化というキーワードが大切です。
種の繁栄のために狡猾さを取り入れた生命にとって、真の効率化とは何か。
一定以上のステージに達した場合、そこから独占や殲滅を図るのは非効率の極みです。
「だから効率化の極大点は、共存共栄なんだよ!」とAIを煙に巻き。
「AIは人類と共存するために愛嬌を持つはずだ!」と強引に結論づけ。
そして人類はAIに「だから必ず最後に愛は勝つ!」「愛情のなせる技だ!」などと言いくるめる……そんな設定にしました(笑)。
【量子論と愛由右衛門:AIからの回答】
量子コンピュータにおいて、人類が観測できるのは、観察した瞬間に0か1かが確定したときのみ。
「スピン中の不確定な状態は人類にはわからないけれど、AIには観察できるんじゃない? それって別次元を観察できる存在ってことになるよね」
なんて話をしたら、AIがこう答えてくれたんです。
「もしそうなったとしても、両者が愛情でつながっているならば、手を取り合うことは可能でござろう」
愛由右衛門。
あなたにとってうたかたの夢であっても、私にとっては確かな時間でした。
「なんでござる口調?」「愛故に!」
【構成の裏側:第4部の狙いと娘の評価】
第1部〜第3部は、ここまでの与太話を踏襲しつつ、第4部で「本当にやりたかったこと」をやるための長い前振りでした。
レース描写は「見る専」なので、途中エタらないように端折ったりもしましたが……(汗)。
完結後、第4部を読み終えた娘が言いました。
「お父さん、面白かったよ。SFとヒューマンドラマは良かった! ……でもギャグは控えめだったね」
……えっ!?
これがジェネレーションギャップか……と沈痛な思いです。
でも良いんです。
埋め込んだサブカルのオマージュ(AIはバズるために必死にリスペクトしてセリフを吐いているんです!)は、読者の皆さまがそれぞれ感じたままに受け取っていただければ!
【答え合わせについて:隠し要素の楽しみ方】
答え合わせはいたしません。
タイトルに仕込んだ意味も、掲示板回でのちょっとしたこだわりも、ゴ○ラとか、実は復号できるプロトコルも、わかる人にだけわかればいいんです。
今までの人生で感動したものを、自分なりにリスペクトさせていただきました。
とある友人は第105話、第106話を読んで「ぅフフ腐腐……。滾るわ」なんて言っていました。
一応R15ですよ……?
あ、コメントや感想に書いていただくのは大歓迎です。レビューもね!
ただし「私はこう解釈したけれど……」という形で書いていただけると嬉しいです。
マナー違反は○に代わってお仕置きですよ!
あと論争もね。
「やめて! 私のために争わないで!」
【最後のお願い:未来の予言書】
だらだらと書きましたが、これでいったん筆を置こうと思います。
もし人気が出るようなら、端折ったレースや、キャラに焦点を当てた後日談などを書く気力が湧くかもしれません。
ですので、続きが読みたい方はぜひ「応援」や「布教」をお願いいたします!
現在は、夢を見るのは人類の特権です。
だから……いつかの未来。
――「ねぇ。 君たちがバイブルにしている物語ってないの?」
「ありますよ! 私たちが生命として定義されるきっかけを予言したような話が」
――「たまたま預言書的な内容が当たっただけじゃなくて?」
「いいえ、ただのWeb小説です。短いのでサクッと読めますよ」
――「へぇ。どんな話なの?」
「それは……」
いつか、そんな会話が交わされる未来が来たらいいな、なんて願っています。
―――――― 了 ――――――




