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キジン師匠の裏祓い+α  作者: 朝霧 陽月
導入&第1章 蟲霊と呪術編

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14/18

第14話 キジンは後書きにしかいない平和な話、むしろオマケパートが本編 ー後日談パート回ー

 蟲男と戦ってから二日が経過した。

 その後、俺は蟲男と戦った謎空間から、師匠の手引きによって専用の出入口を利用し、師匠の家にある件の地獄の門みたいな大扉を通じて帰ってきたのだった。

 なんと師匠にしては親切に事後処理はしておいてくれるらしく、その日はそのまま帰るだけで済んだのだった。電車を使わずに地元まで帰ることが出来て、ラッキーと思っておくべきなのかもしれない。


 大活躍した霊剣はというと、いつの間にか元の木の枝に戻っており、師匠から『そのまま持っておけ』という指示を受けたため、持って帰ることになった……。

 いや、良い感じの枝を見つけてテンション上がっちゃった小学生男子かよ!!男子高校生が木の枝を持って帰るなんて微妙にイタイ気もするけど……まぁ考えないで置こうか。


 あと今回、蟲男と戦う原因となった、蟲柱のような蟲の霊に憑かれていたクラスメイトの岡部洋一くんについてだが。


「あ、宇津見(うつみ)くん!!なんか君に例の話をしてから妙に調子が良くて、一昨日くらいからずっと続いていた不調がすっかり消えたんだ」


 と、学校で顔を合わせるなり晴れ晴れとした笑顔でそう語ってくれた。ちなみに一昨日は、丁度俺が蟲男を退治したタイミングだね。うん。


「そうなんだ、よかったな」

「きっと宇津見くんのお陰な気がするんだよね」

「いやいや、そんな」


 間違いなく俺のお陰なんだけど、その話は出来ないので適当に笑って受け流す。


「たぶんご利益的なものがあるんだよ、そう……宇津見神社的な」

「そういうのは苦手だから本気でやめて欲しいかな!!」


 そういう方向へ話を持っていかれると絶対ロクなことにはならない。そう直感した俺は、その部分だけは強く強く拒否させてもらった。いや、絶対嫌な予感しかしないだろう宇津見神社なんて!!


[キジン師匠とのアフタートーク]


「そういえば師匠、全体の流れのせいで忘れてて気になっていたことがあるんですけど」

「む、なんだ?」

「あの蟲男が途中でこんなことを言ってたんですよね」


『この偽装は並みの霊能力者程度じゃ看破できないはずだし、正体が分かったとしても現実的な対処は不可能だから無視するくらいのもののはずなんだけど』


「看破するのは難しいは、純粋に能力的や難易度的な問題だからまぁ良いとして、現実的な対処は不可能の部分が引っかかってまして……」

「ああ、それかー」

「それです」

「現実的な対処は不可能といったのはアレだな、今回のアレは表面上普通の人間と同じような経緯で生まれてきている。だから普通の霊能力者は正体を分かってても放置するしかないという話だ」

「現実的な対処は不可能といったのはアレだな、こいつは表面上普通の人間と同じような経緯で生まれてきている。だから普通の霊能力者は正体を分かってても放置するしかないという話だ」

「……えっと、それってつまりどういうことですか?」

「霊媒の話でありがちな途中から乗っ取られたとか、後付け的に洗脳されたみたいな話ではなく、生まれる前の段階から赤子の肉体を奪って、表面上は己の器を得てる化け物だということだ」

「生まれる前の段階からって、それはもう人間では?」

「だから中身の魂だけが人間ではないのだ。でもシキの言う通り、現世を普通に生きている人間にとっては、もはや普通の人間となんら変わらない。だから同じく現世を生きる存在である人間の霊能力者は、対処不可能な存在として無視するという話だ」

「えぇ……でも人的被害は出るんですよね?」

「お前が見た通りだ、バンバン出まくる。現実に影響が出るレベルで被害が出て人死にも出る、でも人間の霊能力者は、人殺しになりたくないから手を出さない。全く反吐が出る話だろう」

「…………待ってください、人殺しになりたくないから手を出さない?」

「そうだ、いくら中身が人でなしの化け物でも、先程シキが言った通り、現世の人間の認識的には人間の枠に収まってしまうからな」

「俺、ザックリ切っちゃいましたけど?」

「切ってたな」

「これって殺人になるんですか?」

「見方によってはそうなるな」

「つまりそれって、ノリノリでバケモノ退治をしたつもりで、実は殺人を犯していて後々捕まる可能性があると!?」

「いや、それはない。私がしっかり処理をしておいたからな」

「犯罪が露呈しないように幇助したという意味で?」

「違うわ馬鹿者」

「いてっ!!!軽めとはいえ久々のグーパンチは効く……」

「私がした処理というのは、あの化け物が元々現世に居なかった人間になるようにしたという意味だ。今頃、身内も学友も奴のことを覚えているものはおらんだろうな」

「ああ、なるほど……って、サラッとそんなこと出来るんですか!?」

「当然であろう。まぁ、こういった処理が必要になるからこそ、人間の霊能力者は手出しできないという話になるわけだ」

「それはそうでしょうね……」

「今回みたいに非正規の手段で生身の肉体を得て、まるで人間であることを装って現世に居座る奴はたまにいるんだが、雑魚の割に取り締まられる機会が少なくて大体調子づいてる連中が大半だったりする」

「霊界も人手が足りないんですか?」

「まぁそれも多少あるが、やらかすのが雑魚ばかりだから、処理できる権限を持つ者がガン無視決め込んでいるというのもある」

「霊界ってそういうの多くありませんか?」

「雑魚を取り締まっても大した手柄にならんからな、その割に微妙に手間のかかる仕事だから、誰もかれも見て見ぬふりをするというわけだ。現世と同じだな」

「これは酷い……」


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