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俺がビキニアーマーでどうすんだ!?  作者: ダラリノコトダマ
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第一章 第12話 初めて魔法を使ってみた結果・・・ その1

◆ ◇ ◆ 


 部屋に戻った。


 黒鎧の騎士『松田さんタン』にディスられたベンチコートを脱ぎ捨てた。

 あちこち破れていると思ったが、傷ひとつ、僅かの汚れもなかった。


 あの空間から出た時に向こうで壊れたりしたものは元に戻るのだろうか。俺の体についた擦り傷や汚れも、腰の痛みも無い。


 死なない限りはダメージはリセットされると思っていいのかもしれない。

 そこだけはゲームっぽいな。



「ふぅぅぅ・・・」

 息をつく。


 さっき屋上からかなみの家のバルコニーは飛ばして一気に自宅のバルコニーまで跳んでみたら、まぁ、できた。

 でも、着地は結構ヒザにキたね。


 ジャンプ力、かなりあると思うよ?

 オリンピック出たら金メダル取れるくらい。

 普通の人間3mとか跳べないと思うし。


 反射神経とか、筋力とかも・・・。

 壁にヒビ入れるパンチ力とかあの豪速球を鑑みるに、それぞれ金メダル級を超えているように思う。

 きっと足の速さもボルトを超えてるだろう。

 もしかしたら、すべての競技で世界記録を塗り替えられるのかもしれない。



 人 類 最 強 ・ ・ ・ 。



 きっとその通りだ。

 ポヨンは嘘をつかない。


 ただ問題なのは・・・。


 敵が人類よりはるかに強くて!

 他のシュバリエもそれよりはるかに強い!

 ってトコなんだよ!


 つまり俺全然強くないんだよ!

 相対的に!

 相対性理論的弱者ですよ!


 俺ツエーの夢、早くも破れる!



 ベッドの前に膝を屈し、床に立膝のまま上半身をバフッと布団に委ねる。

 もうね。完全に、ぐったりですよ。

 思い返してみる。


 あの黒い鎧・・・。

 黒鎧の騎士・・・なんつったっけ?

 漆黒のなんとか、黒鉄の・・・なんとかマツダシャンタンとかだっけ?

 もう黒騎士でいいか。



 カッコ良かったなぁ・・・黒騎士。


 ぶっちゃけ、ベルセ◯クみたいで!

 モ◯ハンみたいで!

 ダーク◯ウルみたいで!


 アレが良かった!


 あんなのが良かった!


 いや、最初に、自分の思う感じにアレンジ効くって言うから、あんなのになろうと思ってイメージしはじめたんだよ?


 でもコマンド受付時間が異様に短かったんだよ!


 先行入力しとかないと無理だったんだよぉ!


 あと馬とか!

 神話上の八脚馬とか!



 羨 ま し い よ ぉ お お お !



 なんだよあのカッコイイの!


 いいよ! 呼べよ! 中二病再発って!

 高二なのに中二病って呼べばいいさ!


 こっちが恥ずかしいコスプレを隠すために、春も終わりだというのに長ったらしいコート着込んで!

 マスクして剣道の面まで着けて!


「パンチ食らったら死んじゃうよぉ、フヒーフヒー」って言いながら!


 逃げ逃げ逃げつつ、ひたすら石投げてるっていうのに!


 アイツはでかい盾はあるわ、ダメージ食らっても平気そうな鎧だわ、武器は強ぇわ!


 そのくせ全体魔法は使うわ、馬は飛べるわ、姿は消えるわ!


 オマケにパートナーがツンデレクールっぽいしゃべる猫ちゃんだわ・・・。



 しかもそれが女の子で黒ラインのしまパンだわ・・・。



 な ん な ん だ よ ぉ ぉ ぉ お っ!



 ひどい!

 ひどすぎる!

 この格差!

 格差社会に物申す!

 人は平等であるべきだ!


 いや違う! 俺の方が恵まれるべきだ!


 だって女の子じゃん!

 逆でいいじゃん!


 あの子がやりなよ、黒しまパンツでキューティールナー!


 バグってるよ!

 破綻してるよ!

 最初から思ってたけどさぁ!

 なおのこと確信したよ!


 くそ!

 クソポヨンめ!


 あ、ポヨンどうした?


 中で気絶したままか?



◆ ◇ ◆ 


 俺は鼻を摘んでおそるおそるポーチのフタを開けた。


 黄色いモヤが見える気がしたがそれは気のせいだと思う。


 中を覗く。

 ポヨンはやはりまだ気絶している。


 とりあえず、あのウ◯コを収納している引き出しを閉めなきゃだな。



 俺は手を突っ込む。

 キュルンと中に吸い込まれる。


 流石に慣れたので今回は上手いこと着地・・・と同時に、トイレという名の引き出しを低空飛行ドロップキックで蹴りこむ。


 くっせえんだよ! クソが!(クソです)



 ガンと閉まるかと思ったけど、さすがは魔法のアイテムっぽいチェスト。

 ゆっくり閉まった。

 そして完全に空気まで遮断されているのか、閉まった後は臭いは全くなかった。



 俺は転がっているポヨンのシッポををつまみ上げ、


「 起 き ん か ―――――― っ ! 」


 人類最強投球で床に叩きつける。


「 ミ ギ ャ ン ッ ! 」


 ピザのように床に張り付くポヨン。一発で目を覚ましたようだ。



 だ が 踏 む !


 

 ガツンと!



「イギャッ!」

 しかもハイヒールのほうでな!


「起きろと言っているっ! クソポヨン!」

 ガンガン!と踏む!


「起きてる! 起きてるポヨッ! 痛っ! 痛っ!」


「起きるんだぁあああ!」ガンガンガン!


「イギャ! イギャ! もう、絶対踏みたいだけポヨォォォっ!」



「 正 解 ! 」


 最後に一回、ガンと踏んだ。



 ちなみに先ほど犬猫好きをアピールしといてなんだが、俺の中ではコイツは可愛い動物にカテゴライズされていない。


 なぜなら、モフモフ感が無いからね!


 モフモフしてたら、俺だってモフモフ対応がモフモフ変わっていたモフよ?




 その2につづくモフよ?

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