第一章 第9話 美少女たちがキャッキャウフフな結果・・・ その4
◇ ◆ ◇
俺は、ポヨンルームの床に土下座のような格好で、打ちひしがれた。
脳内レスラーもみんなダウン状態だ。
カウントをとるレフィリーも。
ううううう。
ひでぇ。
俺の攻略ルートが・・・。
「や。あ・・・。
ま、でも・・・シ、シンは、そんなに言うほど、ダ、ダメじゃないとおもう・・・けどね?
や、その、下着見せるとかは全然、抜きにしてね?」
おおおおおおおお? なになに?
泣き崩れ状態から立ち上がる俺。
ほら!
いいじゃないの?
いけてんじゃん、俺!
いつの間にか、かなみルート攻略出来てんじゃん!
なんでか知らんけど!
「えーっ! ウッソ! 本気ですかっ!?」
「かなみさん・・・本当にやめたほうがいいですよ? 本当に・・・」
ハイテンションとローテンションの両面から否定すんな!
特に瑠璃のは、かなみへの憐憫と俺への侮蔑が感じられる。
「や、別にさー、幼なじみだから付き合うとかそういうのじゃなくて・・・。
ほら、シン、言葉少なくて・・・うるさくないじゃない?
私、うるさくてチャライの苦手だし・・・」
クール&ぶっきらぼうキャラ、イケてたよ――――――――――っ!
パラメータ上がってたよ――――――――っ!
「あ、それ演技ですよ?」
ば ら す な ――――― っ !
ナ ギ ち ゃ ――――― ん !
だいたい女子と話すときは緊張してあんまうまく喋れないからあながち演技でもないわ!
「にぃに、引くほどつまらないボケいいますよ?
星座訊いたら、ペガサス座とか言うんですよ?
突っ込まないで無視したら、捨てられた犬みたいな哀しい瞳しますよ?
めんどくさいですよ?」
ば ら す な ――――― っ !
瑠 璃 ――――― っ !
それに、たまにはちょっとウケるのもあるわ! ・・・たぶん。
あと、俺、そんな哀しい瞳してる?
「や、でも、顔も、・・・イケメンとかではないかもけど、ちょっとサムライっぽいっていうか・・・。 けっこう精悍な感じじゃない?
好みによるとは思うけど、オラオラ系やかわいい系男子とかホストみたいなのよりは、いいって思う人も・・・いると思うけど?」
オ ッ シ ャ ――――――――― ッ !
顔も好みとか、もう、バッチリじゃないですかっ!
見た目のハードルをクリアできたのはデカイヨーっ!
「サムライっていうか・・・黒目小さくて、釣り目だから、なんなら人相悪いですよ?
ニーニくん、小学の時、赤Tシャツ着て素振り用の竹刀持って登下校してたから、学童の下級生から、赤鬼って呼ばれてたんですよ?」
ナギちゃんが俺も知らない俺の情報を流す。
地味にショック。
下級生には優しかったつもりだったのに。
泣くよ? 泣いた赤鬼だよ?
あと、そのシャツたぶんレンジャーズかレッドソックスかカープかイーグルスのユニTシャツだわ。
俺の中で赤いユニサイコー!って時期だった。
「あと、かなみ先輩は影で天使って呼ばれてました」
な ん で だ よ !?
竹刀持って帰ってたのかなみも一緒じゃん!
そして瑠璃が、あぁそういえば・・・とつぶやき、その後を続ける。
「にぃに、三白眼気味だから、中学では・・・。
キツネとか、殺し屋とか、前科者って言われてました」
罪 な き 俺 が !?
俺、学童地域清掃のリーダーだぜ?
超善人だよ?
ひどい!
「『キツネ目の男』って呼んでる奴も居ました」
それグリコ森永事件の犯人じゃん!
なんで今時のガキが知ってんだよ!
事件系ニュースまとめサイト見過ぎじゃね?
「あと、かなみさんたちが中三の時、バイクで乱入してきたアホな卒業生を、にぃにがプールのデッキブラシで撃退した事件あったじゃないですか?」
「あー、あったねー、アレすごかったよねー」
ふふふ!
ようやくポジティブな俺情報来た!
輝かしい武勇伝だぜ!
ま、いろいろたまたまなんだけどな。
かなみのハートに俺のブレイブは届いてたようだな!
パラメータ激上がり?
グッジョブだぜ、たまたまカブレラのスイング真似してデッキブラシ振り回してたら、たまたまスッポ抜けて、たまたま狼藉を働いてたDQNにクリティカルしただけの当時の俺!
「あれで、にぃには死神とか槍投げとか狩人とか。
・・・あげくモンハンって呼ばれるようになってました」
もうちょっと・・・思いやり持っていいと思いますよ?
最後のなんて・・・なんか漠然としてるし。
「私のことを『死神の妹』って言った奴もいて、正直、早く卒業して欲しかったです」
え、それは、ゴメン・・・。
いや、俺、ちっとも悪く無いと思うけどゴメン。
「言った奴、潰しましたけど」
潰 し た ん だ ・・・。
え?どうやって?
眼力で?
おまえが死神じゃん!
「ね、ね、私中学別だから知らないんだけど。
かなみ先輩は?なんて呼ばれてた? 影で!」
なんで影の方のあだ名を訊くのか、ナギちゃんは。
「え? あ。それは・・・うん、まぁ、別に・・・特には」
言いよどむ瑠璃。
俺の時は何の躊躇もなかったくせに。
「え? そんな言い方されると気になるんだけど」とかなみ。
そうだ、言ってやれ。俺も気になるから!
「えーと・・・ま、一部の・・・いや、結構な男子に・・・」
「男子に?」
「エ、エロ女神って・・・呼ばれてました。 ・・・影で」
「・・・へ、へぇ」
引いているのか、凹んでいるのか。
第二次成長期を迎え、小学時代の「天使」より邪念の入った方向にクラスアップしたあだ名に、かなみの何とも言えない「へぇ」がでた。
ちなみに、うちらの同学年男子でのお前の裏のあだ名は、「グラビア」だったぜ?
アクセントは「ラ」な。ブラビアみたいな感じ。
「最後に・・・にぃに・・・これは、ほんとに一部の女子からですけど・・・」
これまでの流れからして、後輩女子からのあだ名なんて、もう、まったく期待できないわ。
対精神ショックフィールド展開っ!
バッチコイ!
「にぃに、そのやっつけた卒業生の不良の人と・・・
B L 的 な カ ッ プ リ ン グ
されてました・・・」
よ 、 予 想 以 上 に 死 に た い !
「挿絵付きでSS書かれて、ちょっと・・・出回ってました」
友達選べよ、瑠璃ぃっ!
最悪だよそいつら!
腐ってるじゃねぇか!
腐ったミカンだ!
対精神ショックフィールドあっさり突き破りやがって。
「ほほう・・・出来は?」
そこ気にするか!ナギちゃん!
「文章が微妙。
挿絵の人は上手かったけど」
良し悪し判断してんじゃないっ!
貴様さてはBL好きかっ!
そんなクールなナリで!
ナギちゃんの「見せてよ」というという問いに「私はもってない」と答える瑠璃。
ホントに無くて良かった。
ナギちゃんはともかく、かなみには見せられん。
俺のヒロインに腐り属性つけないでくれ。
「学校の裏掲示板にもアップされてて・・・過疎ってたし、もしかしたらまだログが残ってるかも」
ギャアアアアアアアア!
学校の裏サイト、キタァアアアアア!
まだあるんだぁ-----っ!
「・・・ど、どこ?」とおずおず尋ねるかなみに「後でメールで送りますよ」と瑠璃。
ヤメロォオオオ。
かなみぃぃぃいいい!
やめてくれぇええええええっ!
腐らないでぇえええええ!
閉鎖!
閉鎖しろ!
いじめの温床、学校の裏サイト!
助 け て 文 部 科 学 大 臣 !
だ れ か 知 ら ん け ど っ !
その5につづくけどっ!




