なんでそんな秘密主義なの?
前期副生徒会長の椛恋さんが行方不明になってから約1週間。彼女の名前を聞く度に空気が重くなるが、
今は文化祭前日ということもあり、口にすることは減っていった。
"料理班"
「いいか紡。絶対に俺の言うこと聞くんだぞ」
「うぃっす……」
「よし。じゃあ早速そこのボウルに卵を割れ。」
「はいっ!」
コンコンッ
(よし……、卵の割り方は流石に知ってるみたいだな……)
ギュッ
「…紡。卵のやり方知ってるか。」
「え?こう、コンコンッって、ヒビ入れて、パカって。」
「そうだな。お前が今やったのはパカっじゃなくてギュッ、な。卵は握り潰すものじゃないだ。」
「仕方ない……俺がやるか。」
コンコンッ。パカッ
「お〜っ!すげぇ!美羽!片手でパカって!!」
「じゃあ、牛乳入れて。」
「はいっ!!」
ドバドバドバ……
「入れすぎ入れすぎ!!限度って言うものわかる!?まあ、いいや。次これ」
30分後。
「……もう一緒紡と料理したくない」
「えっ、酷。なんてことを……ッ、」
「卵の割り方知らないわ、牛乳入れすぎるわ。粉こぼすわ。挙句の果てにはパンケーキ爆発させるわ。」
「…………ナンノコトカナ」
「今の現状見たらわかるだろうが!?」
「美羽って、僕に対して当たり強くな〜い?澄人にはそうでもないのに!」
「……ナンデダロー」
「まあいいや。掃除しよ!」
「そういえばさ〜、先生たちの下の名前ってなんだろ〜?」
「ん〜、この前松永先生に聞いたんだけど、秘密だって〜」
「松永先生でもダメなの!?」
「でも、一番気になるのはさ、あれ、あの……なんだっけ。謎の先生。」
「あ〜、あの理科の先生?」
「そ。あの人なんか不気味なんだよな〜。」
「え〜っ、僕って不気味なの〜?」
「そうでしょ。だって……うわッッ!!?」
「えへへ。びっくりした?」
河埜先生。
長い前髪により、両目が見えず、口元と鼻筋しか見えない。理科教師。
「この学校で河埜先生よりも不気味な人いないですからね?」
「え〜、酷いな森河くん。それで何。この悲惨な光景は。」
「あ〜、実は紡が料理を……」
「あ、なるほどね☆」
「一瞬で納得しないでよ先生!?」
「蒼輝くん家庭科ボロボロだからさ〜。」
「先生も掃除手伝ってくださいよ」
「仕方ないな〜。」
「河埜先生。下の名前は?」
「秘密♡」
「先生。年齢は?」
「永遠の18☆」
「河埜先生。身長は?」
「188☆」
「河埜先生。素顔は?」
「見せない☆」
「先生。先生ってなんでそんな秘密主義なの?」
「先生には先生の過去がありましてですね〜。」
「……」
(怪しい……)
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