02
お越しいただきありがとうございます。今回は性描写がやや多くありますので、気分が悪くなられる方は。その部分は飛ばして下さい。
一人になった神集の間は薄暗く、少し肌寒く感じた。
アイラとの会話を再考していたアーヤだが、エスティアの居室に向かう為に玉座に座ったまま移動する。
アーヤの玉座は、長さ2,8m、幅1,6m、厚さ0,75mの三角錐の台座に設置された、移動式玉座になっている。
皇城は底径約1km、比高200mの円錐台の丘に沿わして建てられた、長さ3kmになる円筒形の長城だ。移動時間がかかる為にアーヤが眷属に造らせた移動式玉座は、何者も妨たげる事は出来ない。
壁ですら、すり抜けることが出来るのだから妨げるだけ無駄になる。
娘のエスティアとは毎日会う様にしているが、時間を取ってゆっくり話をするのは何時ぶりか、そう考えている間に気持ちも前向きになり始めたアーヤは、エスティアの居室の扉を開ける事なくすり抜けた。
アーヤがもう少し周りに目を配ることをしていれば、気が付いたかも知れない。居室の前に立つ近衛が激しく動揺していた事に。
長きに亘り万物の頂点に君臨してきたアーヤにとって、周りが合わすのが当然であり。アーヤが合わすのは自然の摂理に反するとさえ、考えていたかも知れない。起きるべきして起きた災いだった。
エスティアの居室に入った瞬間、アーヤの眼前で行われいた行為に驚愕し時間が止まった。比喩ではなく本当にアーヤの力で時を止めたのだ。
そこには今夜アーヤと共に過ごす筈の男が、全裸で左足を長椅子に掛けて立ち。前にはエスティアの侍女が全裸で両膝を着き、嗚咽をはきながらも男根を根元まで咥えている。
男は侍女の髪を掴み欲望のまま動かし、侍女は涙目になりながらも右手は自身の形の良い乳房を揉み、左手は陰部を弄っている事からも、喜んでいるのが分かった。
ここまでならアーヤも驚き怒ることはしても、時を止める事はしなかった。人の数だけ性癖はある。他の人なら理解は出来ずとも許容はできたのだが、神皇の子であるエスティアが、皇女であるエスティアが、実の娘の性癖が男の『〇○ル舐め』だったのだ。
アーヤには許容できなかった。娘が恍惚として男のア○○を舐める姿は見たくは無かった。知りたく無かった。激しい目眩と吐き気に襲われた。アーヤがその場で崩れ落ちると同時に時間が動き出し、移動式玉座から警報が鳴り響いた。
「「神皇の心拍異常を確認。緊急事態と判断し、安全地帯への転移を開始します」」
移動式玉座からアナウンスが発せられると、突然の出来事に驚いた全裸の三人を残し、アーヤはその場から姿を消した。
転移先は上空1000mにあるアーヤの御所。ここは皇女や宰相ですら立ち入りを許可されない、アーヤが創り出した眷属と専属の侍女のみが立ち入ることが許された、アーヤにとっての聖域である。
御所内の居室は広く500平米ほどあり。神皇の居室らしく、意匠には金銀や宝石がふんだんに使われている。
玉座に座り直したアーヤは高い天井をただ眺めていた。暫くの間そのまま呆ていたアーヤは立ち上がり、休む為に寝所へ歩き出す。やはり動揺していたのだろう。普段なら気がつく違和感にすら気にせず、寝所の扉を開けるとアーヤは叫んだ。
「「「お前らもかぁぁーーーーーーーーー」」」
大人が5人以上が寝れるほどの大きな寝台で、性交していた8人の美女達の中でも随一の美貌の持ち主。水色の髪の妖艶な女が、アーヤを誘うよに豊満な体を隠す事もせず、股をを開き右手で陰部を開き見せながらアーヤを誘う。
「アーヤもおいで、一緒に楽しもうよ」
アーヤは怒りで震える体を抑えることもせず、適度な所に置かれていた黄金の置物を右手で掴むと、怒りに任せ妖艶の美女に投げつけた。
「もぉーー嫌。どいつもこいつも時間があればやる事は性交だけ。ここから出ていく。其方ら我に付き従うなら速やかに準備を整えよ、我は彩凰を呼ぶ」
踵を返して寝所を出るアーヤの側に、橙色の髪の美少女がきた事で歩みを止める。
「ねー。アーヤ何処に行くの」
「アーの導きのままだ。先程は希望者のみと言ったが、其方エーブィとシャーリィは絶対だ」
「エーリィはどうするの」
アーヤは振り返り寝台を見ると、そこには黄金の置物が顔面に直撃して、顔が陥没した水色の髪の妖艶の美女エーリィが口から泡を吹きながら大の字で倒れていた。
「エーリィはアイラの眷属だ、彼女の意思を尊重する。出立つまでには起き上がるだろう」
気配すら感じさせずに、いつの間にか側に来ていた緑色の髪の冷たい印象を持つ美女シャーリィに驚くが。珍しく口元が緩んでいることにアーヤ不自然に感じ尋ねる。
「どうした。なぜ笑っている」
「酷い顔をしていたアーヤが、今はいつも通りだからですよ」
「ほんと今にも死にそうな顔をしてた。何があった」
エーブィが聞いてくるが、アーヤの顔が曇るを見ると、何かを察したのかエーブィの口元から笑みが消えた。
「言いにくいなら聞かない」
シャーリィもエーブィ同様に察して口を開く。
「そうですね、今よりは楽しめそうですから問題ありませんよ」
2人の気遣いにアーヤの口元が緩むが、全裸で立つ2人に気付き言い捨てる。
「貴様らは裸族か。早く服を着ろ」
エーブィとシャーリィが気まずそうに寝所に戻るとアーヤは短息を吐く。
豪華な意匠の長椅子まで歩き腰を下ろすと、侍女がお茶と菓子を用意し控えていた。
「私達も出立の準備を致します」そう言って、奥に姿を消した全裸の侍女を見送りながら再度短息を吐き。こめかみに指を添えお茶を飲む。思念を送るときのアーヤの癖だが、別の意味も含まれているのだろう。
『彩凰。我が前に現れよ』
アーヤの目の前に、40センチほどの七色に輝く白銀の丸々としたモフモフが現れた。眠そうな大きな目に、小さなクチバシと小さな手足。背中の小さな羽をパタパタと忙しく動かしている姿は愛らしく、まさしく動くぬいぐるみだ。
アーヤは彩凰を抱きしめモフモフを堪能する。
「あ~~ぁ可愛い。癒される」
「アーヤ様なにがあったの」
彩凰に対して神皇でいる必要のないアーヤは、つい本音が出てしまう。
「うぅ〜ん………家臣が裏切ったかな」
事実エスティアの単独でアーヤに子種を提供する者を寝取る事は出来ない。最低でも四星紋クラス、それも複数での裏切りだ。
「なら滅ぼしてくるね」
飛び立とうとする彩凰を止めるように、抱いていた腕に力を入れる。
「破滅なら何時でも出来るから今は時間をあげようか。せっかく創った世界だからね。なるべく有効に活用しないと」
「アーヤ様が良いならサイは問題ないよ、アーヤ様の意思に従うだけだから」
「ありがとう彩凰」
嬉しそうに彩凰を抱きしめ体を左右に振っていると、抱いていたはずの彩凰が腕の中から消えていた。
「彩凰久しぶり〜〜」
声の方へ顔を向けるとシャーリィが嬉しそうにモフモフを堪能している。アーヤが文句を言う前にシャーリィが話し出した。この切り替えの早さ、流石シャーリィだと言える。
「アーヤ様準備が整いました」
予想よりも異常に早く準備が終わったことに驚くが、アーヤに様を付けた事で公的な場に切り替えたと理解する。
「早すぎではないか、仕事が出来るレベルではないだろう。まるで先に準備を……」
話し終える前にシャーリィの横に立つエーリィに目が止まる。
「神皇アーヤ。私もお供いたしますわ」
わざとらしくエーリィは優雅に臣下の礼を見せると、彩凰を抱いたままシャーリィもエーリィにならい臣下の礼をする。
「皆、準備を終えて庭園で控えていますので、お声がけお願い致します」
2人を従え庭園に出ると、エーブィを筆頭に800人の侍女達が首部を下げ、膝をつき控えていた。そこには他用でここには居ないはずの顔も見えた。アーヤの後ろに立っていたシャーリィとエーリィもエーブィの左右につき、膝をつき頭を下げる。
全員を一瞥し短息を吐くと独り言ちる。
「アイラ踊らされたか………違うな。背中を押してくれたのか」
それを見たエーブィが笑顔で頭を上げる。
「驚いたでしょ」
アーヤは笑った、声をあげて笑った。
「あははははぁーーーーー」
体をよじり、目に涙がたまる程に笑ったのは何時ぶりか。何十年、何百年ぶりだったかもしれない。
「本当に驚いた。皆ありがとう。アイラには見えていたのだろう感謝しないとな」
アーヤの笑いが治ると、次列にひかえた侍女頭ヤーヤが頭を上げた。
「私を含め300名はこちらに残るべきだと考えます」
「それは困る。其方は我と共に居てもらわなければアーの意思に反する事になる。それに誰が皆を纏めるのだ」
「アー様の意思は十二分に理解していますが、アーヤ様がこの世界から離れるなら、尚のこと私は残るべきかと考えます。四鬼のうち三鬼が共にある以上、何の心配もありません」
その三鬼が問題だとアーヤは思うだが…。
四鬼とはアーヤが創り出した眷属
土の橙鬼エーブィ。風の緑鬼シャーリィ。水の青鬼エーリィ。火の赤鬼ラーリィ。四鬼のうち二鬼をエーリィとラーリィの主従関係をアイラに譲渡している。アーヤとアイラの眷属ではあるが、それぞれの国を持ち国家元首でもある。
三鬼が問題児だと口が裂けても言えないアーヤは、口惜しいが侍女頭の意見をのむ以外の選択肢は無かった。
「………分かった。其方らが残るのを許す」
「ありがたき幸せ。アーヤ様がアーの神子をお連れして、お戻りになるのを心からお待ちしております」
照れ笑うアーヤだが、何かを思い出したようにエーブィを見る。
「エーブィ。以前にジジ国に転移門を設置させたのは、こうなる事を聴いていたからか」
ひと月ほど前に急にエーブィから転移門を依頼され設置したのを思い出した。その時はアーヤの許可が無ければ作動しないので深く考えず設置したのだが、それほど前からアイラから三鬼や侍女達が話を聞いていたならば、1人だけ聞かされていなかったアーヤは疎外されていたと寂しさも感じた。
「たまたまだよ。大物を搬入するのが面倒くさくなったから」
事実、他国からの大型帆船の受注が増えているのは知っており、これ以上の詮索は意味ない事と考え直し、全員の顔を見直す。
「皆よく聞け。我らはこれより異世界へ旅立つ。待ち受けるのは希望か大難かは分からぬが、今よりは満ちた時が過ごせるのは保証しよう」一度言葉を区切り全員の顔を再度見直すと、不安な顔をした者は1人もいない事に安堵したアーヤは力強く言葉を発した。
「「出立つする」」
最後まで読んで頂きありがとうございます。
作品内でマー粒子が出てきますが、マー粒子は宇宙の最高三神の一神、昊天元神マーャが宇宙の中心にある最高神界の外にも、物質と生命を産み出す為にマーャ神は己の身体を素粒子まで細分化して宇宙をマー粒子で満たした………設定です。※仏教での大日如来的な感じです。
物質、植物、生物内に含まれる粒子をマー。空間に浮遊する粒子をマー粒子として分けています。
アーヤと四鬼や侍女達に角が無いじゃん………………理由は話が進めば理解頂けるかと思います。




