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京、友達が出来る02

お越しいただきありがとうございます。


 突然の出来事で戸惑う少年達を他所にして京だけがあたふたしていた。

『どうしましょう、どうしましょう、どうしましょう、彼は絶対にシャーリィに報告するわ。まずいわ、まずいわ、まずいわ、まずいわ。絶対に怒られるーーー‼』

 狼狽する京をみかねてフーちゃんこと、不動明王が話しかけてきた。


『京そんなに心配しなくても大丈夫だよ』

「フーちゃん。そんなこと言うけどシャーリィに怒られるとき、いつも逃げてるでしょ」

『僕でもシャーリィには勝てないからね』

「フーちゃんの羂索(けんさく)でシャーリィを縛り上げて怒気を浄化してよ」

『むり言わないでよ、シャーリィを縛り上げる前に僕が浄化されちゃうよ。だけど京がどうしてもと言うなら他の方法もあるよ』

「ほんと。何があるのよ教えてよ」


 京がブッブッと独り言を言いながら、口元で両手のひらを合わせて軽く足踏みをしながら、その場をクルクル回る奇妙な動きが気になった黒田が、怪訝そうに京に話しかける。

「京。変な動きしながら独り言をつぶやいて、いきなりお祈りでも始めたのかな?、なんか………怖いけど………もしう〇こ我慢してるならトイレに行って来たら。俺たちは友達が学校でう〇こしても友達やめたりしないから安心していいよ」

 シャーリィから受ける仕置きの恐怖から我を忘れていた京は、黒田の呼びかけでハッと我に返り黒田の顔を見る。


 『………えっ。なに京そんなに変な動きしてたの………確かにフーちゃんが見えない人からしたら独り言になるし………えっ…ヤダ恥ずかしわ、京とても変な子に見えたわよね…だけど怖いなんて失礼じゃないかしら。それに‘‘う〇こ‘‘二回言うとか‘‘トイレに行け‘‘とか女子に言うかしら。フーちゃんはどう思う』

『確かに女子に対して‘‘う〇こ‘‘とか‘‘トイレに行け‘‘とは言わなけど、京は設定男子だよね。それなら問題ないんじゃないかな』

『そう言われてみたら、京は設定男子なのよね…なら問題ないわね。逆に怒る方が不自然だし許してあげましょうか』


 黒田は目の前にいる京に対して疑念を抱いていた。苗字を名乗らず‘‘京‘‘とだけ名乗った男子………いや男装したトリプルS級美少女かもしれない者がどう反応するか、黒田は自身の推測を確認するために、あえて‘‘う〇こ‘‘を二回も言ったのだ。

 黒田は京の反応を観察した。初めは顔が恥ずかしそうに頬を赤らめたと思ったら、いきなり頬を軽くふくらませ怒ったような表情を見せると、次は何かを吹っ切たような笑顔を向けてきた。コロコロと変わる京の表情を見て、自分が京に抱いていた疑念が馬鹿らしくなり黒田は思わず笑ってしまう。


「はっははははぁーー」

「京の顔を見て、いきなり笑い出すなんて失礼でしょう」

「ゴメン。ゴメン」と黒田は謝ってくるが、京は納得がいかない。

『せっかく許してあげようと思ったのに、もう許さなくてもいいわよね。て、え………なに?』

 突然左手首をつかまれ、驚いた京はその者の顔を見ると沖田が怒ったように黒田を見ているが、京に顔を向けると笑顔を見せて話しかけてきた。

「京ちゃん。俺もトイレに行きたかったんだ。一緒に行こう」

 沖田に引っ張られるように付いていく京に、フーちゃんこと不動明王が焦ったように話しかけてくる。

『京。だめだからね。男子トイレに入るのは』フーちゃんは真剣に焦っていた。京が男子と‘‘つれしょん‘‘などしたものなら、間違いなくシャーリィによりフーちゃんは存在そのものを消されてしまう。

 それ以前に、京が男子のウインナーを見たらどう様な行動をとるか想像すらできない、最悪の場合は宦官の世が訪れるかもしれない………幼少時のウインナー事件には続きがあった。


 晴信(信玄)がその後、何度か京と入浴しようとしたがその都度、京は病気を治すと騒ぎ晴信はあれ以降一度も京と入浴できずにいた。

 京を溺愛する晴信は京と入浴する為に、全ての者に内緒で宦官手術を受けようとしたが、アーヤによって寸前のところで阻止されたが、その場所は半径一キロが焦土化してしまい晴信は10日間、悔しさの余り引きこもり泣き続け、何とか諦める事が出来たと伝わっている。

※日本本土及び日本連邦内の地殻変動による地震、自然災害はアーヤによって制御されており、約500年は大きな自然災害はないが、三鬼やアーヤによっての災害は稀に発生していた。その都度アーヤがまるで不〇家の〇コちゃんのような顔をしながら再生しているのだが………国民からしたらいい迷惑かもしれない。


 京が男子と‘‘つれしょん‘‘した事が晴信の耳に入ったら間違いなく、関係者の血縁は全て淘汰される、それには当然護衛も入る。京の護衛は武田家臣内でも名誉であり、晴信とアーヤの信任の厚い雑賀(さいが)孫一、下間頼錬(しもつまらいれん)に任されているが、下間頼錬は既にシャーリィに報告へ行ってこの場にいない。

 残された雑賀孫一は晴信によって排除されアーヤにより淘汰される、フーちゃんこと不動明王はシャーリィにより消滅される。利害が一致した二人は、生死をかけた行動を起こす。いま世界全ての男性の平穏は二人の肩にかかっていた。


『フーちゃんはダメだと言うけど京は設定男子なのだから、男子トイレに入っても問題ないでしょ。と言うか逆に女子トイレに入る方が問題なんじゃないかしら』

『その問題を起こさない為に麟鳳学園には京専用トイレが多く設営され警備兵までおかれているんだよね。京はただ単純な興味で男子トイレを見たいだけでしょ』

『そんなことないよ。お友達同士が一緒にお手洗いに行って、教室に戻って来たとき皆楽しそうなんだよ。みんなズルいよ、京だってそんな風に友達と過ごしたいよ』

『………そうだよね。京のことをずっと見てきた僕が……一番京を理解していると思っていた僕が傲慢だったよ………分かったよ、少し待っていて今から僕たち明王が英国を消滅させて来るから、30分も掛からないからね安心して待っていてね、行ってくるよ』


 京とフーちゃんこと不動明王の二人の念話を聞いていた雑賀は第四次世界大戦になる可能性を、晴信の12男になる七代目現将軍信仁に連絡をしようとした時、京がフーちゃんを止める内容の念話が聞こえた。


『フーちゃん待って。行かないで。ゴメンね困らせて、分かっているのよワガママを言っていることぐらい、京のワガママで七千万人ちかくの人が犠牲になるのは嫌なの。だからお願い。行かないで』

『………京がそこまで言うなら行かないけど、どうするの御手洗いは行くのかな』

『御手洗いぐらいは行きたいな』

『よくわかったよ。京が理解してないことが、とっても良くわかったよ』

『なにそれ酷い、京がバカな子みたいじゃない』

『………』

『なにか言ってよ。京泣いちゃうよ』

『………』

『…やだ………ほんとに涙がでてきた』

『………京がとても大切な事を忘れてるようだけど、下間頼錬はそろそろ吉祥(きちじょう)城に着くころじゃないかな』

『だから?』

『………』

『無言はやめてよ。意地悪しないでよ。だから何なのよ』

『ごめんね。意地悪ではないんだ………ただ京に驚いただけよ。どうすの転校の嘘がそろそろシャーリィの耳に入るころだよね』


「「「「ぎゃーーーーーーぁ」」」」

 奇声をあげ、京は公園に設置されたトイレの数歩まえで足を止めた。京の手首を捕まえたまま此処まで歩いて来た沖田は、少し緊張していたのか京を見ることなく引っ張てきたのだが、京の奇声に驚き足を止める。

『俺がもう少し早く歩いていたら、間に合っていたのに』と激しく勘違いした沖田は申し訳なさそうに京に話しかけた。

「京ちゃんごめんね。俺がゆっくり歩いたせいで、間に合わなかったんだよね。俺はどうやって責任を取ればいいんだろうか」

 黒田以上に失礼な事を言う沖田だが、シャーリィの恐怖で頭が一杯になった京には、幸いな事に耳に入ることはなかった。


 京の奇声を聞いた西郷、黒田、斎藤が心配して京のもとに駆け付けて西郷がからかうように口を開く。

「京どうした。うんこ漏らしたのか」黒田がそれを(たし)める。

「西郷。お前言い過ぎだぞ。もう少し気を遣え」それに合わせる様に斎藤が口を開く。

「西郷。そんなんだから女子に嫌われるんだよ。京ちゃん俺たちはそんなこと気にしないかね、心配しなくていいよ」

 知り合ったばかりの京を心配してくれる心優し少年達だが、京の周りに集まったことで少年達は自身の命が危険さらされている事になったなど、知る由もなかった。






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