↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
社畜にもなれなかった俺が、JSに転生して経営の才能が開花した件 ~駄菓子屋からはじめて売上50億円へ~  作者: しけもくパイポ
第二章 再建

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
67/147

泉の初恋

 あんなことを言われたからか、変に意識して暮らすことになった。


「おっはよん、泉」


 冴が今日も元気よく挨拶してくれる。


「お、おっす」


 おかしい。冴相手にもフランクに挨拶できない。ハイテンションにはハイテンションで返す。ただそれだけでいいのに、この子と一緒にいる時はやけにテンションが高いなあなどと思われるんじゃないかという自意識に苛まれる。


(どこで渚のやつが見ているかわかんないからな)


 ここは小学校の教室で、平日の朝だから、そんなことは普通ないはずなのだが。プロのストーカーに普通は通用しない。異常だからストーカーなのだ。


「泉、おはよ」


 芽依も遅れて教室に入ってきた。「昨日はチビたちがなかなか寝てくれなくて」と眠たげな姿は、子育て奮闘中の若いママを思わせる。


「おはよう、えっと……」


 会話を広げようとするが、口籠もる。


 「さすがママだねえ」とか、「眠そうな芽依ってさらに魅力が増すよね」とか、泉なら別に普通に言える台詞も、澄人が言うと気持ち悪いなあと思ってしまう。


 そういえば俺は異常に自意識の強いやつだった。だから考えすぎて勝手に自分で結論を出して、面接の時みたいに自滅する。


 それが泉の姿になったことで、自分がどう見られるか、自分がどうすべきか、なんてどうでもよくなった。とにかく必死だったからだ。それが今はまた澄人であることがバレたせいで、ある種イップスみたいになってしまっている。


 どうしよう、どうしよう。自然に話せないのがこんなにももどかしくて、情けなくて。久しぶりにパニックになりかけている。


 その時、急に視界が真っ暗になり、目元がじんわりと温かくなった。温度を感じていると、だんだん落ち着いてくる。


「泉、大丈夫だよ。こわくないよ」


 耳元から聴こえるのは冴の声だ。


「遠くの車の音を聴いて。窓際の鳥の鳴き声を聴いて。昨日の晩ごはんを思い出して。好きな駄菓子を食べる時を想像して」


「……うん。ありがとう、もう大丈夫」


 登校初日のように、冴がまた落ち着かせてくれた。きっと俺が本当に転校してきた泉だったら、冴のことを好きになっていたかもしれないな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。