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社畜にもなれなかった俺が、JSに転生して経営の才能が開花した件 ~駄菓子屋からはじめて売上50億円へ~  作者: しけもくパイポ
第二章 再建

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疑いの目

【第一幕:仲間集め】


 『駄菓子フェス』は大盛況のうちに終わった。身入りとしても、入場料、金券売上、協賛費用、助成金を合わせると、協力費などを諸々さっ引いても1000万は残りそうな計算だ。


 スプーンは楓の頑張りでさらに売上を伸ばしている。入場受付でショップカードを置いたりした効果もあったようだ。お酒みたいなジュースもレギュラー商品として仕入れており、「最近、親子で“晩酌”するんです」という声も聞く。


 来海は「今回は貸しですからね」と言いつつ、フェスの裏側を撮影した動画が好調に回っているようで何より。「先輩にも今度一肌脱いでもらうんだから」と気になる一言を残していたのは気になるが。


 冴は「駄菓子の可能性を感じた一日だった」と総括。芽依は、あの日から弟妹が毎日「駄菓子屋さんごっこ」をしようとせがんでくるらしい。みんなに喜んでもらえてよかった。


 だが、重大な問題が一つ。


 叶が俺の正体に気づき始めているみたいなのだ。

 これは由々しき事態である。


 確かにこのプロジェクトを推進する中で、チャッピーや楓を盾にはしていたものの、泉の姿でもかなり主体的に動き回った。資金調達から企画、運営に至るまで。子どもなのに。


 叶は、プロジェクト中も度々判断のタイミングには「泉はどう思う?」と振ってきた。プロモーション映像への出演も「泉は私の浴衣姿見たいの?」と訊ねてきて「見たい」と言うと、すぐに先方へ回答した。


 最近ではフェスが終わってからも、ことあるごとに用事をつけて寮までやってきては、こっそり俺の動きを覗いているらしい(チャッピーから聞いた)。もはや確信に近いムーブである。


 バレているのであれば、このまま正体を明かすというのも一つの手ではある。が、あの日のこと、これまでのこと、一体どう説明できよう。きっとお互いのためにも、まだまだ誤魔化していた方がいいように思う。


「泉、いる?」


 部屋のドアがノックされた。叶が来たようである。平日にやってくるのは珍しい。


「はーい」


 返事すると、部屋に入ってきた。今日は黒いワンピースではなく、学校帰りのセーラー服である。濃紺の生地に深い緑のスカーフが映える。膝より長いスカート丈も叶に合っていて、全体的に凛として見える。


「ちょっとこれから付き合って欲しいんだけど」


 なんの呼び出しだろうか。いよいよ問い詰められる日が来たのか。背を向けて先を行く叶の後を追って、寮の階段を降りていった。


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