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8 、HYDRA CHRYSALIS ―REBIRTH― 「終焉の先で、世界は再び生まれ変わる」  作者: Nao9999


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第1話 蒼海都市

世界は救われた。


誰もがそう思っていた。


だが。


“海”だけは、

まだ終わっていなかった。

HYDRA CHRYSALIS


REBIRTH


第1話 蒼海都市


海面が青く光っていた。


夜の港湾都市。


静かな波。


だが。


その色は異常だった。


深海色。


まるで、

海の底そのものが発光しているような蒼。


「……またか」


少年が呟く。


名は、

神崎玲司。


十七歳。


灰色のパーカーを羽織り、

港の防波堤へ座っている。


その瞳は、

どこか冷めていた。


「最近増えたよなぁ」


隣の男が煙草を咥える。


港湾警備隊の中年。


「深海化現象」


玲司は黙ったまま海を見る。


三年前。


終焉戦争。


世界を救った“蒼き翼”。


その日から、

海は変わった。


魚が巨大化した。


海底地形が変化した。


時々、

海の中から“何か”が現れる。


政府はそれを、

深海変異体と呼んでいた。


「……帰るぞ」


警備隊の男が立ち上がる。


その時だった。


海面が揺れる。


ぽよん。


小さな水球。


玲司の足元へ転がる。


「……っ」


玲司が目を見開く。


水球。


蒼い。


記録映像で見たことがある。


終焉戦争の英雄。


榊悠真が使っていた力。


「おい……」


警備隊の男も気づく。


水球が増える。


ぽよん。


ぽよん。


ぽよん。


防波堤一面へ。


「警報鳴らせ!!」


男が叫ぶ。


だが。


遅い。


海が割れる。


轟音。


巨大な“何か”が浮上する。


黒い外殻。


深海色の発光。


複数の赤い眼。


「……なんだよ、あれ」


玲司が後退する。


怪物。


いや。


兵器。


全長二十メートル以上。


甲殻類のような脚が、

防波堤を砕きながら這い上がる。


「――深海変異体確認!」


警報が鳴る。


都市全体へ。


避難サイレン。


「クソッ!」


警備隊が銃を抜く。


発砲。


だが。


効かない。


弾丸が外殻へ弾かれる。


怪物が口を開く。


内部。


深海色の光。


「伏せろ!!」


次の瞬間。


超圧水流。


防波堤が消し飛ぶ。


爆発。


玲司の身体が吹き飛ぶ。


海へ落下。


「がっ……!」


冷たい。


暗い。


海中。


玲司が沈んでいく。


意識が薄れる。


その時。


深海の奥で、

“何か”が光った。


蒼い。


優しい光。


声が聞こえる。


頭の中へ。


「――見つけた」


玲司の目が開く。


海中なのに。


呼吸が出来る。


「……え」


胸が熱い。


心臓の奥。


何かが脈動する。


深海色の粒子が、

玲司の周囲へ浮かび始める。


「――適合開始」


声。


女の声。


静かで。


どこか懐かしい。


その瞬間。


玲司の瞳が、

一瞬だけ深海色へ染まった。


海の底で。


新しい物語が、

静かに始まる。


―――続く

新章、

HYDRA CHRYSALIS ―REBIRTH―

開幕です。


終焉戦争から数年後。


世界は救われましたが、

海にはまだ多くの謎が残されていました。


そして新たな主人公、

神崎玲司。


彼がこれから、

どんな運命へ巻き込まれていくのか。


新たな深海世界を、

ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです。

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