エピローグ(新魔王国)
クレオが新魔王に就任して、まず初めに取り組んだのが全奴隷の解放と階級制度の廃止。そして、魔王城の再建である。上級魔族の反発があったがそれも速やかに制圧した。奴隷の解放に応じない商人に対しては、クレオが全額支払うことで補填した。だが、そんな商人は味を占めて、また奴隷を囲おうと考えるので、アランたちに探らせて、同じことをした商人は捕らえて、断罪に処した。これ以降、商人が奴隷を扱うことは無くなった。表向きには。裏では、やりとりをしているところがあった。ブラックマーケットというやつだ。それの鎮圧を任されたのが、アラン率いるコボルト族たちであった。嗅覚の鋭い彼らによって、見つけて、制圧する。だがそういった闇商人には、用心棒が多数雇われていた。その多くが階級制度の廃止に納得ができない上級魔族共であった。だが、戦闘においては、下級魔族を盾にすることでしか生きていくことができなかった無能どもである。こうして闇マーケットも片っ端から潰して回った。こうしたクレオの統治は、民たちに支持され、兵士になりたいと魔王城にやってくる子供達まで居た。魔王城の再建には時間を要し、10年の月日をかけてようやく完成した。その間クレオはどうしていたかって?勿論、魔頂村の執務室を代わりに使っていた。陳情に訪れるものが多く。それらに真摯に向き合うクレオの姿は、多くのものが尊敬することとなる。こうして魔王国は先先代魔王デモンズの目指した。多種族と共存する国となった。そして、ここに父であるレオンダイトが吸血鬼領の魔王国への復帰を宣言した。これにより、吸血鬼領が独自に同盟を結んでいたエルフェアリーナ王国との同盟は魔王国へと引き継がれ、大国同士の対等な同盟となる。これに続くようにスモール集落を州として吸収したクラフト共和国、聖龍の谷を治めることになったドラグーン飛空挺団、枝垂桜海洋国家、サウザンド王国を含む小国を取りまとめるランスホース帝国、ビースト連合改めウルフエンを王とした獣人王国、リグレスト正教国家。8カ国平和同盟が結ばれた。この同盟は、長きに渡り続くこととなり、平和で最も安定した世界となる。クレオは完成した魔王城に入り、妻たちや子供に久々の家族サービスをしていた。枝垂桜海洋国家の織田武の息子に嫁いだクラリーサ。ランスホース帝国のアーサーの娘と結婚し婿入りしたハオ。エルフェアリーナ王国のエイミー女王陛下の孫に嫁いだクリコ。クラフト共和国のガンテツの娘に婿入りしたリンクル。ドラグーン飛空挺団のデュラハムの息子に嫁いだレナ。獣人王国のウルフエンに嫁いだクレイン。リグレスト正教国家のザイールの娘に婿入りしたメレク。そして、クレオの後継者となったカレオ。そう、クレオは自分の後継者には吸血鬼の正当な血筋で選んだ。訳でもなければ、ザイールの娘がメレクを気に入り、カレオが残ったからでもない。能力がずば抜けて高かったのだ。それらが久々に魔王城に集まったのだ。結婚して25年も経つと皆様付けなんてしないようになった。
「クレオ、吸血鬼ってほんと妊娠しづらいのね。クラリーサ以降妊娠しないし」
「アリッサ、それをいうなら私もクレイン以降妊娠していない」
「せっかく、歳も取らない、永遠の若さなのにもったいないわよね」
「エキナらしい考えだよな。アタシはクレオがこうやって家族サービスしてくれて、愛してくれてるだけでいいと思うんだけど」
「リコルは枯れちゃったのね」
「枯れてねぇわ」
「オッス。でもみんなであつまんのも久々だな。アタイらも役職に就いちゃったし、クレオと会うのも1週間に一回程度になっちまったし」
「クレハ、仕方ないわよ。アンドレが死に混乱した魔王国を立て直すために尽力せざる終えなかったんだから」
「リンダ、元気にしてたか」
「えぇ」
「疲れただ。魔王国の妊娠出産率の高さ。ハンパないだ」
「お疲れ、ユタ」
「もっと労ってくれてもいいだよ」
「ユタ様、そんなに動き回るとお腹の子に」
「大丈夫だよカーミラ。あんがとな」
「カーミラ、お前の息子が次期党首なのに、いつまでも様付けなんだな。まじやばみ」
「メル様もお変わりなく安心しました。今は貴族の管理をしてるのですよね?」
「あぁ、貴族出身だから任されたんだけどやれカレオ様にあわせてくれだの擦り寄る奴らを弾くので忙しいったらありゃしなーい。マジハンパない」
「あのメル様がきちんと仕事しているのですね」
クレオがやってくる。
「やぁみんな、よく集まってくれたね。みんなに1週間のお休みをあげる。さて、クラリーサたちは孫の顔を見せに来てくれてありがとう」
「父上、壮健そうで何よりです。して、いつ枝垂桜海洋国家を取り込むのです」
「いや、そんなことしないからね」
「えぇーーー。ダーリンと毎日、国を父上に任せて、毎日イチャイチャしたいって言ってるのにもう」
「ラブラブそうで良かったよ」
「じゃあ、ここからは妻たちとだからね」
「はい。私もダーリンの元に戻ります」
この日から1週間、クレオは妻たちに子供をせがまれて吸い尽くされるのは、いうまでもない。そんな大変な1週間を終え、魔王城の完成を祝う式典で、クレオは次期魔王カレオの御披露目と功労者たちを役職に付ける。これ以降長きに渡り、強国でありながら他国に一切侵攻せず協調を大事にした魔王としてクレオの名は刻まれることとなった。
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