裏切
短くて申し訳ありません。来年もよろしくお願い申し上げます。
翌日、ミルズがリストアップした使用人の中には、ジェイドの乳兄弟や確かに最近になって退職した使用人がおり、その数人が、他の貴族に雇用されているのが判明した。特に、重要と思われたのが、ジェイドの乳兄弟に当たるジェフリーである。ジェフリーは本館ではなく、公爵の父母が住んでいた別邸の管理を任された執事である。彼が騎士団でドルミカの手先ではないかと考えている商会と手紙のやり取りをしていたことが判明したのだ。
「ジェフリーだと?そんな。確かにあいつはジェイドとは乳兄弟だが、私のことを兄のように慕ってくれていたんだぞ。」
ミルズも、
「本当でございますか?彼がそのようなことをするとはとても思えないのです」と否定的だ。
二人はショックを隠せない。アスコットが説明する。
「残念ながら事実です。正直なところ、もし公爵家でお嬢様がシャーロット嬢を招けば人手が足りないなどの理由で彼にも手伝わせたのではないでしょうか?それを狙っていたのではないかとも思いますし、公爵家の情報を流していた可能性もあります。」
すぐにジェフリーが別邸から呼ばれる。
ジェフリーが客間に向かうとそこには公爵や騎士団の面々が揃っていた。
「ジェフリー、騎士団が調べてくれた。お前はジェイドと連絡を取り合っていたのか?シャーロット嬢の誘拐に関与していたのか?」
「旦那様、なんのことでしょう?私には全く・・」
「しらを切るのはやめなさい。すでに調べはついている。ジェイドに何を頼まれた。お前がジェイドのことを可愛がっていたのは知っている。だからと言って国を裏切るようなことをして良いと思ったのか?」
公爵が一喝する。驚いたジェフリーが顔をこわばらせる。騎士団も数人おり、ミルズも立っている。
「ジェイド様と私が連絡を取ったことはおっしゃる通りです。私はずっとジェイド様がどうされているのか気になっておりました。少し前にジェイド様から手紙をもらったのです。長い間国を出てしまっているが私のことを忘れたことはないと。また自分に仕えてほしいと。そしてまた最近連絡が来ました。
アデリーナ様の娘のシャーロットと会いたい。会って話をしたいだけなんだと。そうすれば、私も過去のこととは決別できると思うのだと。」
「愚かなことを。侯爵令嬢に会いたいからと言って誘拐の片棒を担ぐとは。」
「誘拐ではありません。シャーロット様にお願いして会っていただけるように人を一人屋敷の中に入れてほしいと頼まれただけです。その男が日程を調整するからと。」
呆れた。そう言われて屋敷の中に人を入れて実際には誘拐をしてその片棒を担がせたのか。
「お前と同じことを頼まれたパティはシャーロット嬢を誘拐する片棒をかつがされた挙句、殺されたぞ」
「え?パティが?あのパティですか?まさか、そんなわけありません。パティはジェイド様に長く仕えていたメイドです。ジェイド様がそんなことをするわけがない」
「事実だ。お前達は、ジェイドに騙されそして口封じに殺される予定だったのだ。もうジェイドは昔のお前達の知っているジェイドではない、明らかな国への裏切り者だ。知っていることを全て騎士団に話せ。それがパティに対する弔いになるはずだ」
公爵が諭す。
「そんな、そんな、ジェイド様が・・」
どさっと崩れ落ちるように床に座り込み、顔を伏せたジェフリーの頬を涙が伝う。
「うぅぅっ」彼の慟哭を聞きつつ、公爵が騎士団に目配せしてその場を去る。
そうして、ジェフリーは騎士団に連れていかれたのだった。
その後ジェフリーの取り調べが行われ、連絡ルートがはっきりして来た。
「団長、ここまでわかって来たのです!一網打尽にいたしましょう」
第4騎士団は息巻いている。
「落ち着け。これだけだとまた蜥蜴の尻尾切りになる。 総団長から作戦を提案されている」
アスコットがニヤリと笑ったのだった。
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