表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/41

第23部 女傭兵奇談前日話

 突然、王女の部屋が明るくなった。

 王女が蝋燭立ての蝋燭に灯りを燈したようだ。

「お待ちしていましたわ。うふふ」と王女の楽し気なはしゃいだ声


「うふふ、ほんとうにあなたは女の様に美しい方ね……」王女の笑い声が聞こえる。


「王女の部屋に誰かいる」とクリスタル。


「そうだね」とステラもうなずく


 ハミルは慣れない寝ずの番で昼間あれほど寝たのに、ぼーっとしている。


 リユが、「あたしが様子を見てこようか?」


 クリスタル「たのむ。幽霊だったら俺たちを呼べ」


 リユ「OK。 まかせなさーいっ」

 リユは愛らしいパピヨンゴブリンの姿に戻ると、小さな翼をパタパタさせて、するりと格子戸の隙間から器用に王女の部屋に出て行った。


 王女の部屋に美しい女がいて、王女と口づけをかわしている。

 そしてそのまま、抱き合っている。


「確かにお化けがいるわよー」とリユがパピヨンゴブリンの姿から人間になって叫んだ。


 クリスタルたちがドタドタドタと、幽霊退治にレネット王女の寝室に駆け付けた。

 そこにはレネット王女と絶世の美女がいて、二人は口づけして抱き合っていた。


「無粋な人たちね。どういうつもりなのよ! 私が愛する人と、大事な時間を過ごしてる時に、他人の寝室に乱入するなんて信じられないっ!」とレネット王女が金切り声で叫んだ。


「その女の幽霊を俺たちは退治に来たんだ! あんたを守るために!」とハミル・ガウが叫んだ。


「俺を退治するって?」とクリスタルたちを無視して王女と抱き合っていた絶世の美女が男の声で愉快そうに言った。

「あれえ。この綺麗な女の人、胸がまっ平だわっ!」とリユが素っ頓狂な声を上げた。


 絶世の美女は髪を束ねてかんざしにしていた百合の花を抜くと、右手に持った。

 輝くように美しい銀色の髪がサラリとほどけて床に流れる。この女の身長よりも長い髪だった。


「ふふふふ。俺は愛する女と閨房の睦言をしにきたのに……」男の声だった


「ねえ、あなた、こんな奴ら、コテンパンにやっちゃって」と王女が美女に言った。


「ほお、呪いの妖剣 戦慄ダイモスを持ってる剣士とは……」


 クリスタルはダイモスを構えながら、美女に聞いた。

「おまえはレネット王女をどうするつもりなんだ?」


「ふふふ、殺して食うつもりさ」と女がいたずらっぽく笑った。


「なんだって?」


 美女は百合の花を右手に持つと、男の声で「表に出な。一戦、おまえと戦いたくなった。そうとも、俺はこのレネット王女を殺して食う気なんだよ」といたずらっぽく笑う。


 美女はそのまま、壁をすっと通り抜けて、城の三階の王女のベランダから外にでると、はるか空中に浮かんだ。


「さあ、俺を倒せるか?」


 クリスタルは妖剣ダイモスを構えて、ベランダに飛び出した。


 これから、謎の美女と、クリスタルの戦いが始まる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ