知り合った姫
私がヴィザイン殿下にお手紙を送ってから一ヶ月が経ちました
ん? 時間が早すぎるって? 仕方ないでしょう、この一ヶ月彼と会うこともなく、離宮特有の陰湿な虐めなんてものもなかったんだから
私としては、虐めがあるかもって構えていたんだけれど・・・・
よく考えたら今の私の顔って地味なのよね、どうやら皆私のことなんか眼中にないみたいなのよ
主人公がそれでいいのか? ・・・・・・いいよねなんて感じでのんびりと離宮の一角で過ごしておりました
それは突然の事だった、この言葉を使うということは何か起こると言うことなんだけどあえて言おう
一ヶ月も立つと私も離宮の私生活は決まって、朝起きてお風呂に入りさっぱりとしたところで朝食を食べて、何か行事がない限りは部屋から出ることはなかったから本を呼んだり寝たり絵を書いたりしている生活
・・・・そうだ!! いい忘れていたわ
この王妃決めって期限とかないのよ、皇子がご自分で決められたらそこで離宮は解散となるの、でも確か二年離宮にいたら自分で候補破棄が出きるみたいなの。ほら、結婚が遅れたら困るし? ってやつ
ましてや集まったのは他国のお姫様、この世界の常識では21歳ほどが結婚していないとおかしい!! って感じだからね、せめて19くらいで平均的に結婚してるのよ
確か今の離宮で一番年が上なのが、カーナ=ブリフォール姫だと思う
分かるとは思うけど、王族の名前の下にはその国の名前なの
私はリーナ=カサリアで、国名はカサリアでカーナ=ブリフォール姫はブリフォール公国
そして、ヴェザイン=アデイル皇子はアデイル帝国だ
そんないらない情報はいいんだけれど、私がこれから起こることはその最年長のカーナ=ブリフォール姫(20歳)が、関係してくる話
その日は少し変わったことをしようかと、今思えばバカなことをと思える行動をしていたと思う、簡単に言うと外に出て中庭で昆虫観察・・・・。
私バカだねぇ? でもね、しかたがないのよ。だって何もないことに退屈になってきたんだからさ
カサリアにいたときには、王宮が私の家だったからそれなりに毎日何かをすることができた、しかしここは他国でしかも離宮
下手なことをすることができなかった、いやだからすこしストレスが溜まっていたんだろう。とにかく外に出る口実が欲しかったのだ
既に王妃候補の姫たちすべてがヴェー様とのお茶会を終えられたために、いつ来ようが誰も人はいない
そう思って中庭へと足を踏み入れたのは、私の中でもベストな場所だと思ったからだったのだけれどさ
「聞いておりますの? としまの姫様」
「私たちがせっかく嫁ぎ送れた方だと気を使っていると言うのに、だんまりとはないんじゃありません事?」
「そうそう」
と、誰かを三人で囲っているどこからか、いつの時代のいじめっ子!? と聞こえてきそうなベタぁな展開になっている場面に遭遇してしまったのだ
私は彼女たちに見られないよう壁の影に隠れて様子を伺うことにした、私の見るか限りいじめられている姫は、それを囲っている姫より顔一個分ほど小さい、見るからロリ体系だったりした。言い直そう、巨乳のロリ体系だったりしただ。遠目からでも二つの物体が強調されているのがわかる、実に悔しい
彼女は、私が見たときからうつむいて何かを堪えているように見える
「それにしてもなんですの? その重たそうな胸につけている物は?」
「あれじゃない? 脂肪、そこだけ太っていらっしゃるとか?」
「そうそう」
どうやら彼女らもなにか嫉妬しているらしい、見た感じいじめている姫たちは皆膨らみが悲しいくらいないのが分かった。いじめられている、確かカーナ姫の胸を見てしまうと貧乳と呼ばれる女性側としてはムカつくのだろうな
彼女たちの起こる理由はカーナ姫からすれば意味の分からない難癖? 何だろう
・・・・やっぱり止めるべきだよねぇ、そう頭の中で結論を出した時でした
「な、なんですかぁ。 突然難癖ぇなんかつけてきてぇ!!」
・・・・なに? あの言葉づかいは? なんで語尾に伸ばす言葉を入れるの? なんかぶりっ子の言葉遣い何ですけど
さすがに今の言葉遣いで、さらにいじめている姫たちの反感を買ってしまったようだ
「なんですの、そのムカつくしゃべり方は!!」
「喧嘩売ってるんではありませんの?」
「そうそう」
なかなかの反応だが、先ほどから一番最後の姫がそうそうしか言っていない。もっと何か他の言葉を言えないのか?
「意味分かりませぇんよぉ」
カーナ姫、なんだか泣きそうだな。 助けたほうがいいかな?
今ソフィアは、部屋の掃除をしているからフォローしてくれる人はいない、けれどやるしかないか。緊張しながらぎゃあぎゃあと騒いでいる集団がいる中庭へと足を踏み入れた。
「ちょっとよろしいかしら?」
何時もの私ならあまり出ない上から目線な声で、その集団に声をかける。声の調子が悪いな
そんな私の声を聞いて一瞬肩を震わせた姫たち、どうやら向こうもあまりこういうことには馴れていないご様子。 まるで悪戯がバレた時の子供のような反応を見せる
「な、なんですのあなた!?」
「い、いきなり入ってこないでよ!!」
「そ、そうそう」
この三人、意外と面白いかも。 最後の子は結局そうそうとしか言わないし、私が介入した事でカーナ姫もきょとんとしてます。 近くで見ると顔も童顔でした。
さて、どうやって彼女達をまきましょうか?
「あなた達、このような幼稚な行為をして楽しいのですの?」
上から目線で、言葉を続ける。 こう言うときは上から言った方が相手を怯ませるには最適だったりするのだ
「幼稚とはなんです!! 私達はヴェザイン殿下に相応しくないこの姫を追い出そうとしてるのです」
「だいたい、何故20もいった者がお若いヴェザイン殿下の王妃候補の一人なのか納得がいかないんですもの」
「そうそう!!」
彼女たちの言い分を簡単に言うと、殿下と三つも年が離れている上にチビで巨乳な方が同じ王妃なのか、納得がいかないって所かな? ふむ・・・・・
「しかし、そのように大人数でひとりの女性を囲むのはどうかと思いますけど? ましてや彼女もまたどこかの国の姫なのですから」
「そ、それは・・・・」
「ここは離宮であり女たちが戦う場所でもありますが、言い返せばここも政治的な場所でもありそれぞれ国の代表なのですよ」
「あぅ・・・」
「それが理解できたのなら今すぐ部屋にお戻りなさい」
ちょっと説明が足りなかったかもしれないが、私が言いたいことを分かってくれたみたいでちょっと青ざめた顔をしながら三人は部屋へと戻っていった。 ちょっと脅しすぎたかな? 急ぎ足で廊下を歩く彼女達を見て苦笑した
そんな中、彼女が私を見ているのに気がついた
「大丈夫でしたか?」
「はぃ、ありがとうございましたぁ」
「あまり彼女たちを攻めないでやってくださいね、多分ストレスが溜まっていて今のような行動をとってしまったのかもしれないので」
彼女からすれば今の発言はあまりよい発言ではないだろう、なにせ理不尽としかいいようがない理由で難癖をつけられていたのだ。 しかし、私としてはここはこらえてほしい所だ、騒ぎになっても疲れるからさ
「気にしてないですぅよぉ、でもたすかりましたぁ。 ありがとうですぅ」
「とんでもないですよ、ただたまたま偶然居合わせただけでしたから」
さて、人もいることだし部屋に戻ろうかな。 今日の予定はソフィアと部屋の掃除で決まりね
「カーナ姫、私はこれで失礼しますね?」
「はい、ありがとぉございましたぁ」
きっちりと頭を下げてお礼を言う彼女の姿は洗礼さてれいて美しかった
「お名前はなんて言うのかしら?」
「リーナ=カサリアです、いごよろしくお願いしますね」
「はぃ、こちらこそぉ。 リーナさん」
そして、彼女の口調が少し変わったことに私は気付くことが出来なかったのだ