狂信信者は布教したい5
「少しの間待っててねフォルトゥナ」
フォルトゥナは悲しそうな顔をする。すっかり懐かれたみたいだ。もしテュポーンが動くならわたしが出ないとだめだ。なのでわたしはアジトに襲撃することとなった。しかしフォルトゥナが心配なのでわたしはフォルトゥナをアナシスに任せることにした。
「アナシス、フォルトゥナを頼むよ」
「わかりました」
そうしてわたしはドラゴンズチルドレンのアジトに討伐に向かった。
・・・
わたしと従者と王国の兵士はある建物のすぐ近くにいた。
「ここを抜けた先の建物がドラゴンズチルドレンのアジトらしい」
兵士は言う。
「もう周囲は包囲してある。あとは殲滅だけだ」
もう準備は終わったらしい。わたしたちは準備を開始する。
「作戦開始!」
兵士の合図でわたしたちはアジトに突入する。
「誰もいない?」
そこには誰もいないように思われた。しかし兵士の一人が何かを見つける。
「隊長!ここに地下室への がはっ」
地下室への入り口を見つけた兵士は槍で胴体を突き刺されていた。地下室からは茶色のローブをきた者がでてくる。ドラゴンズチルドレンだ。
「いたぞー。地下だ!敵は地下室にいるぞ!」
こうしてアジトの殲滅が開始した。
・・・
アジトを攻めてから一時間わたしたちは見事にアジト殲滅に成功した。しかし・・・
「テュポーンばどこだ!」
敵の幹部テュポーンが見当たらなかった。わたしたちは一部の捕縛した者を尋問する。
「テュポーンはどこにいる!」
「師匠は偉大なお方であらせられる。そう、今この瞬間にも師匠は一つ先を読んでいるのだ!はははははははははははははは」
だめだ。会話が通じない。
攻めあぐねていると兵士が報告してきた。
「報告します。ここら近辺に怪しい者は確認できませんでした」
兵士はそう言う。どうにも嫌な予感がする。わたしは探索を再開すると、また、兵士が来て報告してきた。
「報告します。ドラゴンズチルドレンが王城に攻め込みました」
・・・
わたしは知らせを聞いたあとすぐに王城に着いた。王城では剣がぶつかる音が響いている。
「がぁっ」
「おりゃっ!」
わたしはドラゴンズチルドレンの団員をいなし中に入っていく。
(フォルトゥナは無事かしら)
ドラゴンズチルドレンはあの子をなぜか狙っていた。急がないと。
わたしは全身全霊で王城に向かった。
・・・
「お姉ちゃん大丈夫かな?」
フォルトゥナはマルタを心配していた。
「大丈夫ですよ。マルタ様はああ見えても強いので」
アナシスはフォルトゥナを安心させるために言った。実際、アナシスはマルタの強さをよく知っていて信頼していた。
「マルタ様は竜を倒せるほどの実力をお持ちなのですから」
そんな話をしていると少し王宮が騒がしくなった。アナシスは何事かと勘繰る。そして血の匂いも漂ってきた。
(王城で何が!)
突然部屋の扉を兵士が開ける。
「ドラゴンズチルドレンが王城に攻めて・・・」
それ以降の言葉は発せられなかった。なぜならばその兵士の頭はもうなかったからだ。その背後からは茶色のローブをきた男が入ってきた。
「ドラゴンズチルドレン!」
「ああ、探しているものをやっと発見したよ」
ドラゴンズチルドレンの男は言葉を発する。その姿を見たフォルトゥナは震える。そして言葉を発する。
「テュポーン!」
「っ!まさかこいつが!」
その男はなんと、ドラゴンズチルドレン幹部風竜の使徒テュポーンであった。
「なぜ!確かにマルタ様がアジトに攻めたはず」
その言葉にテュポーンは血走った目をアナシスに向ける。
「あなたたちの戦略ごときがわたしを上回ると考えてる時点でおこがましい。風の噂はどこにでも蔓延っているのに。はああああああああああ」
そう言ってテュポーンは血走った目で目の前に倒れた兵士の残骸を蹴る。扉の前にはテュポーンがいる完全に袋小路だ。
「フォルトゥナ!わたしが風の魔法でクッションを作ります。窓から外に飛び降りてください!」
フォルトゥナは窓に向かう。
「わたしがいつ動いていいと言った?」
「っ!」
そう言うとフォルトゥナは倒れ伏せる。
(無詠唱!足止めか!何の魔法だ!?)
わたしはフォルトゥナの元へいく。しかし一瞬の隙に目の前にテュポーンが現れる。
「っ!」
アナシスの首に短剣が迫る。咄嗟にアナシスは障壁を発生させる。短剣は障壁に弾かれ、アナシスは自分の剣を振るうがテュポーンはもう間合いを離れていた。
「なかなかのようだな。わたしの攻撃を防ぐとは」
アナシスは構え直してから考える。
(あのスピード、尋常ではない。わたしが反応するのが限界だった。このまま攻められたら・・・)
負ける。アナシスはマルタが来るまでの時間稼ぎを考えた。
「その速さ何かからくりでもあるんですか?」
アナシスはテュポーンに話しかける。
「わたしはドラゴンズチルドレン風の使徒テュポーン。わたしには風が常に味方につくのです。わたしには常に追い風が吹き、わたし以外には向かい風に吹く。わたしはさらに速くなり、周りはさらに遅くなる。そのはずなんだけどな〜。わたしの攻撃を防ぐだなんて・・・わたしの計画にないな〜。くそっ、くそっ、計画がズレてるじゃかいか〜。あああああああああああ」
テュポーンは急に動き出した。
「障壁っ!間に合わない」
テュポーンはアナシスの腹を殴る。アナシスは壁にぶつかる。そして床に転がった。
テュポーンはアナシスに近づいて、何発も蹴りを入れる。
「この!くそ!」
アナシスはテュポーンの蹴りを何発もくらう。
「この!っしね!」
「ぐっ!」
アナシスは限界まで耐えるが止まない蹴りにとうとう限界が訪れ気を失う。テュポーンは気を失ってもアナシスを蹴った。
「くそっ!お前が計画を狂わせた!お前ないなければぁぁぁぁぁあ」
その光景を見たフォルトゥナは動けない身体をかろうじて動かし、アナシスを庇うように叫んだ。
「やめて!」
テュポーンは首を回して頭だけを回し、アナシスを蹴った箇所を脚で執拗になじり言った。
「今、なんて? わたしは被験者にそのようにしろとは教えていないが。ああ、計画にない!ああああああああ。なんて最悪なんだ!どうやらわたしは躾を間違えてしまったようだなぁぁぁあ」
テュポーンはフォルトゥナに移動し、フォルトゥナに一発蹴りを入れる。
「ぶっ!」
フォルトゥナは大きく宙を舞ったあと地面に転がった。しかし、テュポーンはこれ以上追撃はしなかった。
「今回はこれくらいにしておきましょう。今回の計画には001が必要であるからな。さてここに器具は用意してある。これを001につければもう計画は完了だ」
テュポーンはフォルトゥナの首を掴み手をフォルトゥナの足の届かない位置まであげる。そのとき、一つの声が届く。
「フォルトゥナ!」
マルタが現場に到着した。




