表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/23

エピローグ

「魔王様!魔王様!!」


魔王城に声がこだまする。


「なんだ、騒がしい。」


王室の玉座に深く腰掛ける魔王は厳かにそう言った。


「勇者は四天王が退けたのであろう。」


魔王が訊ねると、報告に来た側近の老人は「は!」と答えたあとに、恐れ多くも「しかし……」と続けた。


「四天王ひとり目の男が――。」


側近のその言葉を聞いて魔王はおもむろに立ち上がった。


側近に案内されて、魔王は四天王ひとり目の――最弱の男のもとにたどり着いた。


「勇者は確かに四天王が退けました。しかし彼は惜しくも敗れ、命を落としてしまいました。」


側近の老人は四天王最弱の男の亡骸を見下ろしながら、そう言った。そこには焦りや驚きの感情は感じ取られたが、悲しみには染まっている様子はなかった。


四天王最弱の男は、胸から大量の血を流して倒れていた。


魔王はその亡骸を見て、静かに言った。


「そなたはよくぞこの大役を務めあげてくれた。四天王がひとり目とは、真に弱き者に任せられるものではなかった。」


魔王のその言葉には一切の世辞などはなく、心から彼を讃えてのものであった。


ここで側近の老人はある疑問を口にした。


「しかし、なぜこやつはこれほどの傷を負いながら、このような顔をしているのでしょうか。」


性に合わないことを考えるものだと思いながらも、魔王は思ったことをそのまま口に出した。


「……きっと、今際の際に良い夢でも見たのであろう。」


四天王最弱の男は、静かに笑っているように見えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 結局、 すべては夢なのかそれとも本当に転生していたのか…… まぁ、この物語にとってはそこまで重要なごとではありませんが…… [一言] 予想以上の深い物語でした、 本当の強さとはなんなの…
[良い点] たこやきが食べたくなりました。 魔王様はちゃんと主人公を評価してくれていたのですね
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ