表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
精霊ピエロと迷宮な日々  作者: なお☆プリン
カウントアップ:1
9/117

裏門の逃亡者(進)

これはこれは驚いた。校長サマだ。


「おとなしーく、校長室にいればよかったのに。」

「ふん。誰かと思えば、精霊の裏切り者じゃないか。」


その呼ばれかたは不本意だが、こいつにはそんなの通じない。


「なぜ、こんなことをした?おとなしくしてれば殺さないという話だったろうに。」


私が気になったことだ。


「所詮あんなもの口約束。信じる方がバカだ。そうだな……お前もバカだな。私の能力知らない訳じゃないよなぁ?」

「当たり前だ。」


知らないわけがない。


「お前のせいで多くの仲間が死んだ。精霊界でも本来なら処刑されてるぞ。」

「だから、処刑しなかったのがバカなんだよ。今や私は人間界はおろか精霊界すらも脅かす存在だと分からないのか?」

「知ってるさ……。」

「ならなぜ、今さら関わる?もはやお前じゃ勝てんぞ。この私に。」


……ちっ、腹の立つやつ。


「ふん。でも校長(・・)さんはウチの部活の生徒に手を出した。それは部長として許せないんだよねぇ。」

「なにが部活だ。群れることでしか身を守れない奴の考えることは分からんな。グループとか、派閥とか、そんなもの裏切られたら終わりだ。仲間もそうだ。だから私は裏切られる前に、殺した。でも、能力は残る。これじゃ人間にしかメリットがないなぁ!」


校長は笑って続ける。


「デメリットがないのに殺さない手はない。殺してつぎの契約を結び、また殺す。これで、能力を無限入手できるんだ。精霊界が人間界に干渉しようとした結果生じたバグだよなぁ?現実じゃあパッチはない。報告がなければ気づかないガバガバな世の中なんだよ、現実世界なんてな。」


本当にクズだ。だが、精霊界から許可が出ていない以上、私はこいつを殺せない。あくまで私は。


「じゃあな、裏切り精霊。」


校長は去る。私は追いかけることができなかった。

私のチカラではどうしようもなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ