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精霊ピエロと迷宮な日々  作者: なお☆プリン
カウントアップ:2
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七不思議巡りー校長室(進)

中はいかにもな感じで、旗やらトロフィーやらが飾ってある棚があった。

立派な机も置いてあるし、ここは校長室で間違いないだろう。


「よし、じゃあ栞と露季は見張りでもしておいて。」


という玉の指示を受けてか、壁の向こうからは


「分かりました。」

「オッケー!まかしといて!」


と聞こえてきた。

玉はその答えを聞いて満足そうな顔をしたあと、私の方を向いて


「こっちは戦いを……と言いたいとこだけど、闇らしきものは見当たらないし、この部屋、ファイルとかいっぱい置いてあるから有力な情報がないか少し探してみようか。」

「分かった。」


玉の提案を呑んで、私も目についたファイルを手に取り、中をパラパラとめくっていく。

……へぇ、ここにもかなりの量のデータが綺麗にまとめてあるんだ……。

私は少しだけ感心していた。



「ねえ、これなんだろ?」


玉が突然、ゴムバンドで止められた、真っ黒な表紙の本をこちらに見せながら言った。


「手帳じゃないの?ゲームとかで見たことある感じだし……」

「あ、手帳か。……じゃあ見るのマズイかな……」


私の答えを聞いて、見るのを少しの間ためらった玉だったのだけれど、


「ま、でも今は何かの手がかりになるかもしれないし。」


と独り言のように呟きながら、ゴムバンドを外した。

……手がかりになるかもしれないとはいえ、見るのは少し気が引ける。


玉が机の上に手帳を広げたので、私もそれを覗き込む形になった。

中身は日記っぽかったり、いわゆるポエムのようなものだったり、色々書かれていた。

玉はどんどんページをめくっていったが、あるところで手を止めた。




――――――――


・須崎さんは能力を複数所持している

・私の知る限りでは少なくとも「火」「水」「電気」の能力は持っている模様

・この3つの能力は四大精霊の能力の中に全て入っている

・契約は精霊が死なないと切れない

・契約が切れると新たに契約を結べる

・人が死ぬと精霊も消滅する模様

・新たに契約を結ぶと既存の能力は消えず、新たに追加されていく

・精霊が死んでも契約者は死なない

これらのことから、須崎さんは四大精霊の内、3体を殺している?


――――――――


「これは……?」


玉が首をかしげる。


「誰かが調べたことをメモしたみたいだね。」


まあ、ほとんど私の知ってることっぽいけど、ということは口には出さないでおいた。

そんな事知るわけもない玉は、言葉を止めず


「……これさ、持ち帰ってもいいかな?」


と訊いてきた。

私はあたりの棚を見渡す。どの棚も手前の部分にはホコリが積もっていた。


「大丈夫じゃない?長い間誰も入ってなかったみたいだし。」


私がそう答えたのを受けて決心がついたのか、玉はその手帳を見ながら端末を操作し出した。

そして、少しするとその手帳をポケットにしまった。

私もいくつかファイルを持ち出そうと棚の前を右往左往。

どのファイルにしようかな……





「おやぁ?ンフっ、お2人はここで何をしているのかな?」


突然背後から聞こえた声に反応して振り向くと、教頭――鬼見が校長室入り口付近に立っていた。


何かしら言い訳を……そんなものが考えつく前に、体を支えていたものがなくなったように感じた。

実際はそういうわけではなく――床に大きな穴が開いたような。

そして体が下に落ちていくのを感じた。

なにか掴まなきゃ――なにもなかった。


そして私は保健室のベッドの上に落ちた。


「った……」

「う……。あれ?栞と露季ちゃん?」


その玉の声を聞いて、ぐるっと部屋の中を見回すと確かに2人の姿もあった。


「すいません……職員室の外にいたら突然落とされて。」

「もう、驚いたよ!気づいたらここだったんだよ!」


そんな2人の様子を見た後、私の方を向いた。

私が首をかしげると、玉は私の周りを指差した。

その指が示す先を見ると、先ほど棚から取り出していたファイルが散乱していた。


「あー……、拾わなきゃ。」


そう言って私はファイルを拾い上げて、自分のバックに入れていく。

最後のファイルをいれ終えようとしていたところで部屋の真ん中に紙が落ちてきた。



――――――


音楽室はもう大丈夫


屋上に行くなら気をつけなさい


――――――



栞が真っ先にその紙を拾い上げ、読み上げた。


「屋上……そこに黒幕がいるんでしょうか。」

「さぁ?行ってみないと分かんない。」


玉がそう返すと、返事をしたのは


「行きたいです。一緒に来てくれませんか?」


露季だった。

その言葉を最後まで聞いた上で、私達3人は


「「「当たり前でしょ!」」」


と、口を揃えた。


露季は笑顔を見せ、少しの間、顔に手を当てた。

やがて、顔を上げると、


「行きましょう。」


と言って保健室を出た。

私達もそれに続いて保健室を出る。


自然と階段はかけ上がっていたし、廊下も走ってしまっていた。

でも、そんなことは気にしていなかった。


「この扉が、屋上に繋がって……」


露季が言い終わる前に、


「あー、もう!開けるよ!」


という栞の声で、玉と栞が扉を開けた。

外は暗く、光が射し込んできたりはしなかったけれども。


でも、月明かりに照らされている人影がはっきりと、3人分(・・・)見えた。

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