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戦いの準備と戦い方の確認

 「おはよう、エイコム。」

 「おはようございます。では参りましょうか。」

 エイコムいわく、女子2人はまだ寝てるというか風邪気味というか、ゆっくり休ませた方が良いらしい。きっと体力が落ちていたところで安心して気が緩んだからだろうけど、そう考えると蓮実誠、いやマコトでいいか、の体力はすごいんだな。連れ去られた奴らは大丈夫だろうか。それで4人で炭鉱に向かうんだが、エイコムは軽装備に短剣を2本腰に差していて、マコトは作業着か。一緒に行くのはいいんだが、問題はその後だよな。

 「なぁ、エイコム。」

 「はい。何でしょう。」

 「どうやって戦おうか。」

 「各々で戦えばよろしいかと。」

 「みんな自分勝手に動くってこと?」

 「私達にマコト様はついてこられないと思われるので、最初から独立していた方がやりやすいかと。」

 「うーん、まぁそうか。ガーゴイル程度なら問題ないってことだよな。」

 「はい。昨日確認済みです。」

 「ということだけど、2人は大丈夫?あと、道案内もお願いしたいんだけど。」

 「お、おう。」

 「いいわよ。任せてちょうだい。」

 「よし。じゃぁテルペリオンも挨拶しようか。」

 「私か?よろしく。」

 「え、えーっと。」

 「ちょっとトキヒサ。いきなりそんなことしないでちょうだい。びっくりするでしょ。」

 「ああ、つい。」

 ブレスレット越しにテルペリオンに挨拶させたんだけど、そういえば初めての人は驚いちゃうんだったな。まぁ2人とテルペリオンには適当に挨拶してもらいながら、とっとと炭鉱に行こうかな。


挿絵(By みてみん)


 「結構多いな。」

 「はい。戦えるものは全員集まっているようです。ドワーフは規律を重んじますので。」

 「石頭ともいう。」

 「ちょっとマコト、聞かれたらどうするの?」

 「だってよ。」

 まぁ気持ちはわかるけどな。ドワーフって融通が利かないところがあるから。こういう時は団結力があって頼りになるんだけど。

 「そう言えば、炭鉱の奥ってどうなっているんだ?」

 「端的に言えばガーゴイルの巣だったそうです。今まで気付かなかっただけで、炭鉱を広げたところでつながってしまったようです。」

 「ということは、巣の中の様子はわからないのか。」

 「そうですね。炭鉱までは明るいですし、道もわかっているので、それほど苦労しないと思います。巣の中にはドワーフの戦士が先行するそうです。」

 「じゃぁ巣の中でどうするかは、ある程度話しておいた方が良いな。」

 そんなに細かく調整することはなさそうだけどな。と思いながら戦士長と話したんだけど、やはり好きに動いて良いとかいう感じだった。すでに先行しているドワーフがたくさんいるみたいで、何かあったら教えてくれるらしいけど。

 「なぁ九十九、扱いが雑じゃないか?」

 「いつもこんな感じだし、大丈夫じゃない?」

 「はぁ。」

 そんなに心配しなくても大丈夫だって。ルーサはなんで頭を抱えているんだ?

 「あなたたち、やりすぎなのよ。みんな扱いに困っていたじゃない。」

 「え?どういうこと?」

 「もういいわ。早く助けに行きましょ。」

 「まぁ、いいけど。それで、炭鉱の入口ってあそこか?」

 「そうだ。炭鉱の中は任せてくれ、いつも入っているから。こっちだ。」

 マコトに連れられて、炭鉱に入って、中でも道案内してもらって、ここまでは予定通りだな。それにしても大きい炭鉱だな。巣の入口までまだまだあるらしい。

 「炭鉱の中は、思った以上に静かだな。」

 日光に弱いガーゴイルが炭鉱内に少なくなっているのはわかっていたけど、残っていたのも先行したドワーフ達がほとんど倒してくれているらしい。

 「はい。予定より早く巣の中に侵入出来ているようです。」

 「そこから一定間隔を保って巣の奥に進むんだよな。それで何かあったら、入口まで連絡すると。」

 「その通りです。」

 ある程度ルートが絞れたら、どれかを選んで突入しようと思っていたんだが。この様子なら連れ去られた人達が見つかるまで待ってもいいのか?

 「九十九。あれが入口だ。」

 「あれか。ちょっと待っててくれ。」

 それで入口のドワーフに話を聞いてみたんだが、どうも様子が変だな。ガーゴイル自体が見当たらないらしい。

 「どう思う?テルペリオン。」

 「上位個体がいるだろうな。」

 「やっぱり。」

 「私たちだけで殲滅することは可能だがその場合、誰も助からんな。」

 「そこは助けてもらうしかないでしょ。」

 助けるのは任せるしかないし、どうするか決めておいた方が良さそうだな。戻って説明してと、みんな状況は理解できたみたいだな。

 「つまり、上位個体がガーゴイルを統率していて、どこかに集合しているからこんなに順調だったってわけね。」

 「まとめるとそうなるね。ガーゴイルは俺たちが叩くから、その間にみんなを助けて欲しい。」

 「わかったわ。任せてちょうだい。」

 「俺も問題ない。」

 「トキヒサ様。進言があります。」

 「どうした?」

 「大規模な魔法は使えませんので、トキヒサ様だけで上位個体を抑えるのは難しいかと。私もお供させてください。」

 「ああ、それもそうだな。じゃぁ頼む。」

 「ありがとうございます。」

 それじゃドワーフ達にも話して、マコトと同じことを頼もうかな。上位個体の巣窟が見つかったら、俺とエイコムで突撃して、マコトとドワーフ達に助けに行ってもらう。うん、シンプルでいいんじゃないかな。


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