戦う2人と戦う人達
洞窟の中。広さ不明。明かり無し。中央に上位個体。右奥に倒れている人影。安否不明。
周囲を観察。天井まで約5m。床から岩柱。天井は比較的平坦。
下位個体は点在。総数不明。
「エイコム。」
「はい。」
「合図で中央のやつを叩く。部屋は少しずつ明るくする。」
「了解。」
味方の確認。全員後方に待機。方針の伝達、完了。
装備の確認。鎧、鈍化の恐れ、却下。風を纏う、採用。崩落の恐れ有り、攻撃は雷に限定。
「いいか?」
全員の同意、確認。
「いくぞ。」
中央突破。先陣。
天井へ光源、配置。
下位個体3体、接近。速度維持、接触まで雷の準備、完了。
1体目接触。顔面を掴む、通電、討伐。
2体目接近。1体目を投げつけ、命中。
3体目接近。エイコムの斬撃、両翼の切断。
続けて5体、接近。
1体目接触。腕を掴む、通電、鈍化。エイコムの短剣が喉を抉る。
2,3体目接触。雷の出力上昇、小規模落雷、討伐。
4,5体目接近。エイコムの斬撃、両方の片翼の切断。追撃、雷球、討伐。
続けて複数、接近、総数不明。
「エイコム。」
非移動式雷柱、複数設置。
「投げ込むぞ。」
足を掴む、投げ込む。首を押さえて、押し込む。攻撃を避けて、蹴り込む。
エイコムの斬撃、翼が切れる、腕が切れる、腱が切れる。
効率上昇、投げ込み量増加。
「キリがないですよ。」
「跳ぶぞ。」
風の踏み台、2個設置。踏み込み、上位個体まで跳躍。
連続で前宙、そして着地。
連続で前宙、そして着地。
跳躍、共に成功。
「俺が正面だ。」
「了解。」
拳に雷を。
上位個体へ前進、踏み込み、殴打。羽による防御、後ろに飛ばされる。
バク転、着地。足に雷を。
再度前進、雷球で牽制、目の前で一呼吸、上段回し蹴り。両腕による防御、後ろへ飛ばす。
エイコムの追撃。背後から首筋を狙う。羽を広げられ、失敗。
懐へ。両肩を掴み通電、さらに腹部へ膝蹴り。
逆に肩を掴まれ、地面に叩きつけられる。
エイコムの斬撃。片翼の切断、苦悶の声。
敵の両腕を掴み、右足で胸部へ蹴りつけ通電、敵はよろめきながら後退。
下位個体、接近確認。
「急ぐぞ。」
雷の出力上昇、小規模落雷、命中、動きを止める。
エイコムのとどめ。2本の短剣で断頭。
「やったか。」
「はい。」
マコト達は、ちょっと苦戦していたみたいだな。ガーゴイルの数が多すぎる。
「助けにいこう。」
「はい。」
と言っても、上位個体がいなくなって統率がとれなくなっているから、もう手助けは要らないかもしれないけどね。最初の光源もだいぶ明るくなっているから、適当に殴るだけでなんとかなりそうだし。
「トキヒサ。せっかくだ、ガーゴイルは一掃するぞ。」
なんかテルぺリオンが物騒なことを言い出してきたな。いいけどさ、別に。っとマコトのやつ後ろのガーゴイルに気づいていないな。蹴り飛ばしてやるか。
「九十九か、助かった。」
「いいって、それよりこれで全員?」
「そうだ。まぁ、その、遺体もあるから運ぶのに手間取っている。」
遺体か。魔源樹になっていないってことはドワーフのだろうな。
「わかった。早く運んであげよう。そのあとガーゴイルは一掃する。」
「ちょっとトキヒサ?それってどういう意味よ。」
「言葉通りの意味だけど?テルぺリオンもヤル気満々だし、反対するやつなんていないだろ?さっ、早く行こう。」
統率のとれていないガーゴイルなんて俺とエイコムだけでどうとでもできるからな。進行方向のガーゴイルはマコトが蹴散らしてくれるから、すごく楽だしな。
「よし、これで全員出られたな。エイコム、俺は後始末してくるから後は任せる。」
「かしこまりました。」
よーし。問題はどうやって一掃するかだな。そうだなぁ、せっかくだしあの光源をそのまま使うか。『洞窟を灼き尽くす光源』、点火。よし、これでコンガリだな。炭鉱まで戻ろう。
「おう、九十九。戻ったか、どうだった。」
「コンガリだ。」
「あなた達ねぇ。」
ルーサの言いたいことはなんとなくわかっちゃうんだけど、気にしないでおこう。
「それより、みんなは大丈夫なの?」
「トキヒサ様。ドワーフに犠牲者が複数おります。他は軽傷を負っていますが、特に問題ないです。転移者については4人全員無事ですが、消耗が激しいようです。」
うーん。炭鉱の中にガーゴイルはほとんどいないだろうし、4人くらいならマコト達に任せても大丈夫かな。それより遺体を運ばなきゃいけないドワーフを手伝った方が良さそうだ。
「そうだなぁ、ルーサ。4人のことを頼んだ。俺とエイコムはドワーフを手伝いながら街に戻るから。」
「わかったわ、まかせて。」
「九十九、また後でな。」
4人とも無事で、とりあえず良かったな。問題はこれからなんだけど。
「エイコム。助かった。」
「いえ。お役に立てたようで幸いです。」
「それでさ、4人にはどれくらいゆっくりしてもらおうか?」
「そうですね。みなさん疲労が貯まっているようですので、1週間でどうでしょう。」
「1週間か、まぁ妥当だな。その間にこれからどうするか考えないとな。」
それに、あいつらにとって酷な話をするわけだから、落ち着いてから話した方がいいだろうしな。




