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夢を語る桃源郷  作者: 四太郎
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約束

いよいよラスト2話です。

ほっとするような淋しい様な複雑な気持ちです。

 狼亭の食堂が終わり、夜の店番のためバル爺が宿屋のカウンターにやって来た。


「何? この号外の詳しいことが知りたい。 勝負も決したことじゃ、もうお前さんたちに話しても良いじゃろう」

 ギュッタとヨナタンは、バル爺の解説に聞き入った。


 バル爺の話

「西の国から潜入した特殊部隊こそ、ウルヴァン、ファイア、マスターたちじゃ。恐らく夜襲を仕掛けたのじゃろう」


 夜襲の可能性大:理由

 ・3人とも夜目が効く。

 ・地獄の火炎砲はドワーフ・ガスを膨張させ噴射し、着火する、気温が低いとガスが膨張せず、本来の力が発揮できない。少しでも気温の低い夜間を狙う方が安全である。

「ザンジバル中将は、奴らが動き出す真夏になる前に、先手を打ったのじゃ。フロリバンダ侵攻は秋であったから、あの被害でも思ったより成果が出なんだようじゃ」


 役割

 ファイア:リーダー、抜群の頭脳と決断力。魔導、物理とも攻撃力が高い。特技『紅蓮の華』は神業級。

 ※紅蓮の華とは、龍神の力が乗り移ることで、放つ強力な火炎。気温や属性に左右されない。

「龍神の血を引くファイアはこの特性が災いし、人生を台無しにした。可哀想じゃ、使わずに済んだことを祈るばかりじゃの」


 ウルヴァン:圧倒的破壊力と俊敏さで物理攻撃を担当、以外と強い魔力で救助隊も担当。狼ジャンプ、チャクラで遠距離攻撃も可能。

「奴の奥の手は、遠吠えじゃ。ワサワサとイヌ科の魔獣が助太刀に来るわい。お犬よしで、いつも誰かの面倒を見ておるお陰じゃ、フォッフォッフォッ」


 マスター:攻撃、防御、救助全ての魔導が最上級。無類の防御力を誇るが、素早さは低い。

「マスターに冷気の魔導を使わせれば、メディコリス大陸一番じゃよ」


 作戦

 見張りはファイアが引きつけ、ウルヴァンがマスターを護衛し、砲台に接近。

 最小限の被害で砲台を、破壊できるのはマスターの魔導『絶対零度』だけだ。

 気化・膨張したドワーフ・ガスに少しでも熱や圧力、わずかな摩擦でも与えてれば、大爆発を起こす。

 マスターの闇魔導『絶対零度』 は水と風の元素で起こす強烈寒波で、一瞬にして完全凍結させれば燃料は爆発しない。

 最後はファイアが龍神の特技、熱を帯びずに強力な波動を起こす『衝撃波』 で凍結した砲台を、燃料諸とも木端微塵にする。

「恐らく、こんなもんじゃろう、あとは本人達が帰還してから聞け」


「そう…ですね。必ず帰ってきますもの!」と、

 ギュッタは、自分にも言い聞かせた。


 恐らくバル爺はファイア達の作戦会議に参加していたのだろう。


挿絵(By みてみん)


 数日が過ぎ、ギュッタは皆の安否を気遣いながら、ステファノ商会の事務所で忙しく働いていた。


「ギュッタ、ご苦労。武器・防具班の営業と共に、君が編集した鉄鉱石の資料を持ち、午後からクラノス軍の駐屯所に行ってもらおう。軍の調達担当者と折衝を行う、情報面で営業のサポートを頼む」


「はい! マギ主任」


 ギュッタは昼過ぎ、クラノス軍の駐屯基地内に着いた。

 武器・防具担当者各1名ずつと、何故かヨナタンとシズクが帯同している。

 理由は、鋼鉄製の重いサンプルが結構あり、これを運び装備できる体力のある人馬のモデルが必要とのことであった。


 ステファノ商会一行の前を、今回の戦闘で戦死した兵士たちの遺品を乗せた馬車が通り過ぎていく。

 プリエトの街で見たことのある紋章や、屋号のついた防具や旗が積まれている。

 物言わぬ帰還者たちにギュッタたちは黙祷または、敬礼をした。


「悲しいぜ~」


 その声に驚き振り向いたギュッタは、声が出なかった。

 人の姿をしたファイア、ウルヴァン、マスターが、軍服姿で立っていた。


「旦那方!! よくぞご無事で!!」


 ヨナタンの呼びかけに、ウルヴァンは雄叫びをあげ

「ウォーー!! 当たり前だぜ!! また美味い飯食わせてやるぞ!!」


「ヨナタンありがとう! 嗚呼マリアに会いたい!」


 ギュッタは、飛びついて来たファイアを思い切り抱きしめていた。

「ギュッタ、また大きくなったな。幾つになった?」


「14歳、あと1年で一緒に堂々とお酒が飲めるね!」


「おい、ギュッタ。声までおっさんだぜ〜! ちょいと寂しいけど、これで俺は約束守ったぜ〜、お前はヴォレイオス山で魔導の修行に行けるんだぜ~」


「約束ならまだあるよ、ファイアさん」


「約束?」


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