表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界キャンプ ~チートはなくても美味しいものがあれば充分です~  作者: 綾川 鈴鹿
《カプト地方、砂漠編》二章、カルラ・オアシス
47/115

8話、クエスト受注(3)

「ヤッホー、リリよ! 今回の一口メモ!」


「今回の名言はアメリカのレストラン経営者、ガイ・フィエリ」



”おそらく、食べ物は皆を1つにまとめる力を持っている唯一の普遍的なものだ。

どんな文化でも、世界中のあらゆるところで、人々は集まって食事をする”



「ご飯の力は偉大ね!」

「一人で食べるより、みんなで食べたいものねー」

「まぁ実際、狩りをするにも、農耕するにも人手がいるしね」

「料理は世界を救う!」



「ここから本編でーす!」

『ワイワイガヤガヤ、ワイワイガヤガヤ』


 門をくぐった二人は音のより大きな方へと向かう。

 大きな城壁が作り出す影で薄暗さに目が慣れていたリリは、お日様の光を浴びると、少しだけ顔をしかめた、そして改めて周りを見渡す。


「うわぁ~お、露店がいっぱーい!!」


 趣きは日本で言う所のアメヤ横丁、海外的に言えば、バンコクの露店街や、ラオスのナイトマーケットのような感じだった。

 煩雑に並ぶ露店、行き交う人々の物凄い活気、更に頭上には左右に並ぶ建物を紐で結び、売り物なのか、洗濯物なのか、よくわからない衣類がぶら下がっている。

 店頭に立っている売り子は、様々な動物の姿をした亜人達ばかりだ。


「人族のが少ないわよっ、ほらっあそこ……」

「リリ、はしゃぎすぎ、目立つよ」


 見るからにファンタジー世界!

 圧倒的な異世界感に、リリのテンションは天井知らずに上がる。

 さっきまでの冷静さはどこに行ったのか、というほど興奮している。

 今までで一番と言ってもいいほどに、リリの羽根はパタパタと動いている。


(これってなんていうんだっけ? テント? 違う、えーっと、っあ! そうバラック!)


 バラックとは、ありあわせの材料で作った簡易屋台(小屋)のようなものだ。

 それが通路の両側、場所によっては二列、多い所は三列にもなって不規則に並んでいる。

 食材に装飾品、良く分からない魔道具まで、様々なものが飾ってある。


「すごい数! っあ、串焼き! なんの串焼きなんだろ? すっごくいい匂いねラーナ」


(ジャイアントスコーピオンを食べていなかったら、飛びついちゃいそうなほどいー匂いー)


「ビッグボアだよ、森で取れるらしい」


 ラーナは小さな声で答える。


「へぇ~、ビッグボアってでっかい猪よね? 今度、食べてみたーい」


 キョロキョロと身体ごと左右に振り、辺りを見回すリリは物珍しさに色々なものに興味を示す。


「っあ! あれは織物よね? 不思議な形の服がいっぱい並んでるー、しかもカメさんが売っているわよ! 甲羅を背負ったカメさんが服を売っているって……なんか可笑しいわね、フフッ」

「リリ、静かに……」


 注意をしたラーナだったが、直ぐに諦めて顔が見えないようにフードを深く被り直す。


「あそこに座っているトカゲさん、宝石を売っていますよー?」


 リリはラーナの注意など耳に届いていないようだ、吸い寄せられるように露店へと向かう。


「これ見てラーナ、これはなんの宝石かな? 見たことないし、魔法石とか? キレイー」


 目の前の宝石を眺めキャッキャッとはしゃぐリリに露天商のリザードマンが明るく声をかける。


「っお、ピクシーのお嬢さんお目が高い、お嬢さんが言った通り、魔法石なのさ、ここに四色あるだろう? それぞれの属性に……」


 割り込むようにラーナがリザードマンに話しかけた。


「待った!」

「なんだい? お連れのお嬢さん?」

「これ魔力なんて感じないけど、本当に魔法石?」


 ラーナは目深に被っていたフードを少しだけ上げて、リザードマンをギロリと睨んだ。


「っひ! っ鬼……っか。帰んな! あんたらに売るもんはここには無い、さっさと行っちまえ……くそっ!」

「リリ、行くよ!」

「っえ? っあ、はい」


 ラーナはリリに手を出し、リリが乗ったのを確認する。

 そしてフードを目深に被り直すと歩きだす、そのまま手を顔の前に持ってくると、リリへコソコソと喋りだした。


「リリ! あんな偽物に引っかかってバカなの!?」

「えぇ!? 偽物だったの?」

「あんな露店で、魔法石なんて珍しいものを、売ってるわけがないじゃん! ただの色のついた石だよ、宝石ですらない!」

「ごめんごめん、ついついテンションが上がっちゃって」

「まぁ気持ちはわかる、ボクも初めて大陸の街に入った時は引っかかったからね、ボクの時は御神木のアクセサリーだった」


 ラーナはリリにだけ見えるようにニコッと笑いかけた、リリも「お互い様ね」と言い、ニッコリ笑った。


「じゃあ、急いで冒険者ギルドに行こうか!」

「そうね、ここにいたらまた騙されちゃうわ」


 二人は小声でクスクスと笑いながら、煩雑に並ぶ露店をすり抜け衛兵に言われた道を進む、進めば進むほどに人と露店の数が減っていく。


「ヤッホー、ラーナだよー!」

「ヤッホー、リリよ!」


「だーまーさーれーたー!!」

「フフッリリは、はしゃぎ過ぎなんだよ」

「だってぇ、お祭りみたいで興奮するじゃない」

「もう少し落ち着こうよ、大人でしょ?」

「大人とか子供とか関係ないじゃん」

「はいはい」

「ムキーーー!!」



「次回『クエスト受注』その4」



「ボクは理不尽なんかに負けない!」



現在は、1日1話投稿です!

13:30、もしくは21:30にアップする予定ですが

前後する可能性があるのでご了承ください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ