表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界キャンプ ~チートはなくても美味しいものがあれば充分です~  作者: 綾川 鈴鹿
《カプト地方、砂漠編》二章、カルラ・オアシス
45/115

8話、クエスト受注(1)

前回までのあらすじ!


「地球から転移したわたし[リリ]と砂漠で腹ペコな鬼族の少女[ラーナ]」

「今回、捕まえたのはジャイアントスコーピオン!!」

「おっきなサソリは本当に怖かったけど」

「食べてみると、意外とおいしいーーーー!」

「いろんな料理に、甘味もゲット!」

「次の話は『クエスト受注、その1』ラーナはただの戦闘狂じゃなかったのね」


「さぁ本編が始まるわ! 『異世界キャンプ』楽しんでみてください」


 ドラーテム王国の南西部。

 サエウム荒原に亜人にも優しい街がある。


【カルラ・オアシス】

 カプト地方の西部、サエウム荒原の中央に位置するオアシスに、作られた街。

 ドラーテム国王シゲイルより、鬼族を除いた亜人の移民、永住が自由に認められた都市である。

[爬虫類族・レプティロイド]を中心に、ケンタウロスや[犬人族・ルプソイド][猫人族・フェレソイド]など多くの種族がいる。

 亜人はドラコニス大陸では忌み嫌われやすいが、多くはこの街を目指すと言われている。



「やっと着いたー、歩き疲れたわー」


(まっ、わたしはラーナの肩に乗っているか、飛んでいるかだから、歩いていないけどねー)


 遠目に見える大きな門、入国の為に並ぶ馬車の数からしても砂漠の中にあるとは思えない、相当な人口がいるのだろう。


「どんな街かなぁ? どんな人がいるのかなぁ? 初めての街、ワクワクしてきたー」


 異世界初の街に、テンションが爆上がりしたリリ。

 対して身体のみになったジャイアントスコーピオンを引きずるラーナは、まくし立てるように話しだした。


「ここは大きなオアシスがあってね、その周りにお店が並んでるんだー」

「へぇー」

「人族以外の亜人にも優しいらしくてね、だからこそ、いろいろな種族がいるらしいんだよ?」

「なるほどねぇ」

「きっとリリみたいなピクシーもいるだろうし、猫人族とか、珍しい種族なら蟲人族とか、魚人族とかもいるよー」

「蟲人族に魚人族って? 想像できないわね」


 想像以上に多様な人種にリリはビックリしつつも、期待に胸を膨らませる。


「ボクが見たことあるのは魚人族のー……サメ種! サメ種を見たことあるよ! オアシスならいるかなぁ?」

「へぇ~、サメねぇ」


(魚人にも複数の種類がいるのね、それならヒラメかカレイを見てみたいわー)


 想像をすると、少し笑えてきたリリはクスクスとラーナの肩で笑う。

 ラーナは、明るく空を見上げてリリに言う。


「とにかく、街についたら、急いで買い物しないとねぇ」

「そうね、ピクシーにも着られる服も売っていれば良いんだけど?」

「大きな街だし、売ってると思うよ!」

「じゃあさ、お揃いの服を買わない?」

「お揃い!?」


 ラーナは驚き、リリの方に顔を向けた。


「ラーナと同じ服をわたし着てみたいわ、一緒にオシャレしましょっ!」

「うーん、提案は嬉しいし着てみたいけど、今のボクはこの服でいい……」

「そう? 楽しそうなのにー」

「実はこの服と腰布はアラクネの糸で出来てるんだ」

「アラクネの糸! なんか強そう!」

「まぁね、凄い丈夫だよ! ママのお下がりだから、ちょっとぶかぶかなんだけどねー」


 なおもまくし立てるようにずっと話すラーナ。


(食べること、闘うこと以外でこんなに喋るラーナは珍しいわね、ラーナは言葉数は少ない子だし)


 街に近づく程に口数の増えるラーナ。

 ラーナの緊張や不安をなんとなくだが感じ取ったリリは、えっへんと胸を張り、少しだけ茶化した感じで言ってみることにした。


「ラーナ、大丈夫? もしかして、らしくもない緊張をしているの? わたしがいるんだし、大船に乗ったつもりでいなさいよー」

「……うん、大丈夫……大丈夫だよ、リリ、ありがとう」


 リリの言葉になにかを決意したかのか、ラーナは少しだけ落ち着きを取り戻す。


(無理をしてなければいいんだけど……)


 強がってはいるが、怖がっている訳ではなさそうだ。

 おそらくこれなら大丈夫だろう、とリリは当たりをつけて話しを続けた。


「わかった、なら一緒に行きましょ! ジャイアントスコーピオンはどっかに隠しておいてね!」

「えー!」

「えーじゃない、こんなの持っていったら大事になる!」

「腐っちゃうよー」

「そこは一瓶で我慢して!」

「はーい」


 ラーナは土瓶にジャイアントスコーピオンの体液を詰める、そして二人はしっかりとした足並みで、遠目に見える街へと歩みを進めた。



* * *



 街の前、二人は門の前の小さな行列に並んでいた。


「ここは随分とにぎやかな街ね?」

「そう? ボクは他の街をよく知らないから分かんないけど、鬼族の集落も人が多い所はこんな感じだよ?」

「なんというか、みんな声が大きいわ」

「確かに言われてみればそうかも、リリもそうだけど、ピクシーは五月蠅いだけで豪快じゃないもんね」

「五月蠅いはよけいよ!」

「エルフも静かな人が多いみたいだしね、っあ!」

「ん? どうしたの?」


 ラーナは会話を途中で止め、深くかぶったフードを更に目深に被り直す。


(あぁなるほど検問ね。もうすぐ門の入り口だもんね)



「ヤッホー、ラーナだよー!」

「ヤッホー、リリよ!」


「リリ、ボクが強いってわかった?」

「なんとなくね、戦いは分かんないわ! わたし魔導士だし!!」

「ダメージの与えられない魔導士だけどねっ」

「そのうちどうにかなるわよっ、ピクシーなんだし!」

「そうなるといいねーー」


(全く期待してないわね……)



「「次回『クエスト受注』その2」」



「異世界って理不尽だわー」



現在は、1日1話投稿です!

13:30、もしくは21:30にアップする予定ですが

前後する可能性があるのでご了承ください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ