初めての任務
「ここが優秀戦士棟だ。」
グリームが建物の前で言った。
「おおー、でかー!…と思ったら一部屋は思ったより小さそうだな…。まあ別にいいけど、こういう所も高待遇なモンだと思ってたわ。」
ロボットは若干落ち込んでいる。
「いや、ここは空間膨張装置が使われているから、見た目の4倍はあるぞ。」
「はえー、今はそんなんがあんのかー。オレは大体10グレード前からタマシイ星にいたから、その時で情報止まっててよ。」
1グレードでライト星での100年となる。
ちなみにライト星人の平均寿命は、約40グレードだ。
「それはフィスト様から事前に聞いてるから知ってる。さて、お前の部屋に案内するぞ。」
グリームは階段を登っていき、ロボットもそれに続く。
コツ、コツ、コツ
「ここがお前の部屋だ。」
ピッ、ウィーン…
グリームはカードキーでタッチし、934号室の部屋を開けた。
「おおー、ひっろ!」
ロボットは驚いている。
それもそのはず。
ロボットは今までそこそこ狭い部屋で過ごしてきたので、1人でこんなスペースを使うことなんて想像もできなかったのだ。
「はい、じゃ、説明していくぞー。」
「色々あるなー!」
グリームは一つ一つ部屋の機能を説明していった。
〜〜〜〜〜〜
「今日はありがとな!お前がここに来て初めてのダチで良かったぜ!」
ロボットのその言葉に、
(友達の基準低くないか…?)
とグリームは疑問を浮かべつつも、
「じゃあまたな。」
と返事をした。
「じゃあなー。」
ロボットはグリームが視界から消えるまで廊下で見送っていた。
〜〜〜〜〜〜
「うおー、ベッドモフモフだー!ウッヒョ〜
!まあモフモフでもカチカチでも関係なく寝れるけどなー!」
ロボットはベッドで寝転がって1人で話していた。テンション高めだ。
そして、ロボットは寝る。
〜〜〜〜〜〜
時間が経ち、朝になった。
「ん〜〜〜!」
ロボットは伸びをした。メカなのに?
ピーンポーン!
大きな音が部屋に響く。
「誰だ?」
ロボットはドアまで歩き、開いた。
「お前誰だ。こんな朝っぱらから。」
ロボットは目の前にいたヒート星人に言った。
「オレ様は“炎”の戦士フレイム。この棟に住む優秀戦士だ。突然だが、お前に模擬戦を申し込む!」
「何!?臨むところだ!」
ロボットは受けて立つ、という感じだ。
コイツら戦い好き過ぎだろ。
そして、2人は訓練場へと向かっていく。
〜〜〜〜〜〜
訓練場には大きな部屋が複数あり、2人はその中でも特に大きな部屋に入っていた。
「誘いを断る腰抜けもいるからよお、お前は違って安心したぜ。」
フレイムは木刀を持って言った。
「別に色んなヤツがいていいと思うけどな〜。」
ロボットはさりげなく反論した。
「…。まあいい。オレは優秀戦士棟に新しく人が入るたび、ソイツを模擬戦でぶちのめすことにしてる。お前で9人目だ!」
「ふんっ、やれるもんならやってみろ。」
「それぞれ足以外が地面についたら負けでいいな?」
「臨むところだ。」
戦闘開始!
両者がお互いのところに向かって走る!
「殺す気で来い!」
フレイムは木刀を高速で振った!
ロボットはパンチを繰り出す!
ドォン!
木と鋼がぶつかっただけとは思えぬ衝撃が部屋の中に響き渡った。
「やるな。」
「お前こそ。」
フレイムとロボットは膠着している。
「“ジェットキック”!」
ロボットがジェットで加速した足でフレイムに蹴りを入れた!
ブン!
しかし、フレイムはそれを避け、
「オラァ!」
ガン!
ロボットの背中に一撃を入れる!
「うおっ。」
ロボットはなんとか足で踏ん張って倒れず、
ダンッ!
そのままフレイムと距離を取った。
「ふっ、オレの力がこんなもんだと思うなよ!“形態変化”!」
ロボットがその場でジャンプすると、下降しながらロボットの体が飛行機に変形していく。
ガチャガチャガチャン!
ドン!
そしてジェットを噴射し、部屋の中を飛んだ!
「なるほど、そうくるか。オレ様を本気にさせたこと、後悔するんだな!修理場送りにしてやる!」
そうフレイムが力を入れると、木刀の温度が上がっていった。
「すごく言いにくいんだが…、さっき、変形する時に地面に機体が付いちゃったから、オレの負けだ。」
ロボットが空中で言う。
「な…。」
フレイムは呆然とした。そして、
「こんな勝利、オレ様は認めねえぞ!もう一回だ!」
と言った。その時だった。
ピロンッ
と、部屋の外から音がした。
「通知かよ、なんだ、こんな時に。」
フレイムはそう言って、出入り口まで行き、ドアを開ける。ロボットもそれに続いた。
「カードキーが光ってる。確か光ってる時は触ればいいんだよな。」
ロボットがそうカードキーを触る。すると、
パァーー
と、空中に文字が書かれた画面が現れた。
「ほー、なになに?」
"ヒート星にて任務
ヒート星の首都レッカがメカの軍団に襲撃された。
一度メカは追い払われたが、レッカはいまだ危険だ。
メカの到来に備え、準備ができ次第宇宙船に乗り、首都を警備せよ。"
そう、カードキーは連絡用ツールでもあったのだ。
ということで、これから、カードキーは連絡カードと言うことにする。
「ヒート星かー、行ったことないなー。」
ロボットがそう口にしたのに反応して、
「ヒート星?もしかして同じ任務か?お、同じ任務か。奇遇だな。」
フレイムがロボットの画面を見てそう言った。
「確か、宇宙連合で唯一の恒星なんだよな。実際はどんな感じなんだろうな。」
ロボットはワクワクしている。
「お前の戦いの腕は、この任務で見せてもらうぜ。」
フレイムも乗り気だ。
そして、2人は飛行場に向かっていく。
〜〜〜宇宙船が出発した後 宇宙船内〜〜〜
「てかさ、すごいよなー!光より遥かに速い速度で飛べるなんて!10グレード前は光の速度の一歩手前くらいが限界だったから、ライト星-ヒート星間だったら150日(ライト星換算)くらいかかってたのに、今ならたったの5日!」
ロボットが言った。なお、この宇宙船は自動運転のため、船内には2人しかいない。
「…まあ、移動技術の発展は凄まじいよな。」
フレイムとの温度差を感じるな。フレイムの方が全然熱いはずなのに。
「それでも暇だから、お前のことを教えてくれよ。」
ロボットがお願いした。
「オレ様のこと?」
「そうそう。」
「まあ、減るもんじゃねえから別にいいけどよ。」
フレイムは自分の過去を話し始める。
「オレ様は、旅をしてきた。強さを求めてな。マジック星、レッド星、プライド星。そして、今は宇宙超警察で強さを追求してるわけだ!」
「へー。じゃあ俺と一緒か。」
「お前も強さを求めてるってことか?」
フレイムが聞いた。
「いや、そうじゃねえけど、昔、仲間と色んな所を巡ったんだ。オレを作ってくれた仲間達と。」
「ほう。」
「まあ、今は誰も生きてないだろうけどな。ダーク星人の寿命は長くないから。せっかくタマシイ星から出られたんなら、もう一度会いたかったな。」
ロボットは仲間たちに想いを馳せる。
〜〜〜ヒート星〜〜〜
「よーし、着いた!早かったな〜!」
ロボットは宇宙船から出て言った。
「お前と話すの、中々楽しかったぜ。」
フレイムとロボットは5日間の間に、そこそこ仲良くなっていた。
「あ、あのバカデカい木が“神樹”か?」
ロボットがフレイムに聞く。ヒート星の生命はあの神樹から始まったのだ。
「そうだ。おっ。」
バサバサッ…
2人が話していると、鳥たちがフレイムの周りに群がってきた。
「お前ら、前会ったばっかだろ?」
フレイムは楽しそうに言った。
「好かれてんだな。」
「まあ、バーン達は人懐っこいからな。」
バーンというのはレッド星とヒート星に生息している炎を纏った鳥だ。なぜ、レッド星とヒート星に同じ種類の生き物がいるかって?それは、神樹とそこに住む生き物が大昔にレッド星からヒート星に持って来られたから、だそうだ。
「さて、早速パトロールを始めるか!」
フレイムが街へ歩いていく。
「おう!」
ロボットもそれに続いた。
「いやー、それにしても特殊な星だよな、浮島の上に人が住んでるなんて。」
ロボットがそう呟いた。
ヒート星は島が熱気によって浮いており、浮島が繋がって街を形成している。総面積はそれほど広くなく、ヒート星の人口は1万人程度である。
「言われてみればそうだな。」
2人はパトロールを続ける。
その後しばらくした時だった。
「うわぁー!」
という叫び声がそう遠くない場所から聞こえた。
「早速来やがったか!行くぞ!」
フレイムは走り出す。
「言われなくても!」
ロボットもほぼ同時に、声の聞こえた地点に向かっていく。
向かった先には、6体のメカと、その奥に1人のサタンエンジェル星人がいた。
「来ましたね宇宙超警察…!やりなさい!ステラ達!」
そのサタンエンジェル星人の声で、メカ達が2人の方に来る。
チュイン!
2体のメカがビームを手のひらが2人に向けて放つ。
「トロイぜ!一刀流、“灼熱斬”!」
フレイムは刀に熱を込め、ビームを撃ったメカを斬った。
「“ジェットブレード”!」
ロボットも右手から生えた剣でもう一体のビームを撃ったメカを斬る。
ヴォン!
今度はメカのドリルのような手がフレイムを襲った!しかし、
「臨むところだぜ!」
ザン!
フレイムは熱された刀でドリルを溶かしながら斬る!
「“ジェットキック”!」
ロボットは向かってきた別のメカを蹴り、島の柵を越えさせて、下のガスの海に落とした!
ドン!
負けじと、2体のメカが2人に対して同時にロケットパンチを放つ!
ザン! ガン!
フレイムはそれを真っ二つにし、ロボットはそれを叩き落とし、メカの方へ走った!
「行くぜ、!」
フレイムは刀を更に熱し、発火させる!
「一刀流奥義、“炎裂き”!」
「“ジェットパンチ”!」
2体のメカは後ろに倒れた。
他のメカも倒れ、動けなくなっている。
「残るはお前だけだ!」
ロボットが奥にいたサタンエンジェル星人に言った。
「まあ、最低限といったところですねぇ。」
そのサタンエンジェル星人はそう杖を構える。
「隙だらけだぜ!一刀流…」
「“形態変化”…」
フレイムは走り出し、ロボットは変型し始めた。
「“炎突き(ほむらづき)”!」
「“飛行形態”!」
フレイムは突きで、ロボットは突っ込んでそのサタンエンジェル星人に攻撃する!
ドン!
「何!?」
しかし、そのサタンエンジェル星人には当たらなかった。
「この程度ですか…。」
魔法で作ったバリアが2人の攻撃を完全に防いだのだ。そして、
「“闇渦”!」
作り出された闇が2人を吹き飛ばす!
「まだまだだ!」
ロボットがそう立ち上がった。フレイムもそうだった。しかし、
「十分にデータは取れました。では、さようなら。あ、ステラ達からは離れておいた方がいいですよ。」
そのサタンエンジェル星人がそう言うと、ワープゲートがその前に現れ、サタンエンジェル星人は中へ入っていく。
「待ちやがれ!」
ロボットとフレイムがサタンエンジェル星人の方に走った。が、
ドカン!
目の前のメカ達が爆発し、2人は行く手を阻まれる。
ワープゲートは閉じてしまった。
2人はその後数日首都を見張った後、帰ることとなった。
〜〜〜宇宙船内〜〜〜
「クソッ!まだまだ戦えたってのに!途中で逃げやがって!」
フレイムはまだ悔しがっている。
「そもそも、なんでアイツはワープが使えたんだ?すげー偉いヤツしか使えないんじゃなかったのか?」
ロボットがジュースを手に取りながら聞いた。
「オレが知るか!アイツは得体が知れねえが、オレの敵じゃねえ。次会った時は必ずとっ捕まえてやる!」
「オレはそれよりも、最近戦いが途中で終わってることが問題なんだ!消化不良だ消化不良!」
ロボットはジュースを飲みながらごねた。
〜〜〜ブラック星のどこか〜〜〜
「メカの性能はどうだ、ナイト。」
椅子に座ったダーク星人が尋ねる。
「問題ありません。あと何度か交戦させれば、十分な強さになるでしょう。」
先ほどヒート星に現れたサタンエンジェル星人がそう答えた。
「ふふ…決戦の時もそう遠くはないな…。」
そのダーク星人はほくそ笑む。
補足 ヒート星人は、自分の体の温度を上げることができます!




