401話 これが真実
「驚かせてしまったね。でも、これが真実だ。真実というのは小説よりも奇なり…と言いたいが、あの兄には心底絶望していた。人を見下してばっかりの、あんな彼氏の何が良かったんだろう。でも、私から乗り換えたあの子はもっと可哀想だった。あの彼女は…あなたの彼女だったから。」
高校時代、彼女ができた。罰ゲームの告白ではなく、ちゃんとした交際だった。でも、4回目のデートの前に彼女が手をつないでホテルに行ったのを見た。もう何回話せばいいのだろう。その相手が兄だったことも、そのあとに自慢されたことも覚えている。
「真礼、もういいだろ。飛翔を傷つけても意味がない。」
「飛翔は…お兄さんの事を恨んでいるんです。殺すぐらいに。」
「…そうだったんだ…初音さん、私たちはもう一度一つになれるでしょうか。」
「みどりも前に言ってたな。でも…一人静を見つけるまでは無理だろう。」
「それに、あなたも副会長ならわかるでしょう。」
「…そうだね。申し訳ないわ。」
「ごめんなさい。フロント業務が終わったので来ました!それと…」
「こんにちは。第2支部会長の竹花夢月です…まぁ、初音がいるということは…そういうことですか。」
「あぁ、魔王が長光大学に爆撃を行っているんだ。」
「…そう。ところで、私たちは一つになるべきでしょうか。」
「夢月なら答えはわかってるんじゃないか?」
「初音さん!」
「あぁ…もちろん私は反対。反対だよ…初音がまた泣いて…泣いて…悲しい顔を見たくないから。」
「…素人質問で恐縮ですが…天使会に何があったのでしょうか?」
「君は飛翔ですよね。ずっと会いたかった。本当は私の所に呼びたかったんだ…まぁいい。彼女にとってはトラウマだろうしきっと魅華子も話したくないから…みどり、飛翔の部屋まで案内して。」
飛翔と夢月は11号室まで案内され、部屋に入り椅子に腰を掛けた後、夢月はゆっくり話を始めた。
「彼女ね。仲間が目の前で殺された。あれは…先代の天使長が殺された数か月後だったかな…目の前でゆっくり殺された…まるで拷問のように…私たちはそのあと責められた…」
「えぇ…」
「今でもあの泣き顔を思い出すと…罪悪感に襲われちゃうんだ…だから私は一つになって欲しくない。もし、初音が許してくれるのなら…私はなんだってする!」
「…もしこれが初音さんに聞かれていたらどうする?」
「もしそうなら…」
「夢月の気持ちはわかったよ。」
「初音…あの時はごめん。」
「…もう過ぎちゃったことは仕方ないんだ。私はもう気にしてない。」
「…ありがとう。そして…ごめんなさい。」
「もう。泣かないで。」
「はい…」
「そうだな。この件が落ち着いたら今度はみんなの広場に来て。」
「神楽阪の民泊ですね!わかりました!」
「みどりもそこに…ってあれ?他の仲間たちは…?」
「それが…」




