タイタニック
「見えたぞ!あれが軍事船ゴールデンクラブ号だ!」
とっつぁんの声により、乗組員全員が戦闘態勢に入る。
「潜水艦を突っ込ませるぞ!奴らを葬ってやるんだ!」
「ジェット全開!進め、とにかく船に突っ込め!」
皆元気だなー。
「おいレール、お前も用意をしろ!」
「もうしてる。ほれ、このコンバットナイフが目に入らない?」
「…………潜水艦が特攻することになった。潜水艦が自爆したら、それを着てれば海に入っても死なない。それ着て軍事船に乗り込むぞ。」
乗組員が渡したのは、高性能なウェットスーツだった。
「気が利くねー、機動警察は用意が良くて。」
「ちなみにもう3秒くらいで突っ込む。」
それを早く言わんかい!
船に突っ込み、大穴を空けた潜水艦は、その場で大爆発を起こした。
俺は幸い人生最速の早着替えが何とか間に合い、船に乗り込む事に成功した。
辺りで交戦する音が聞こえる。もう結構接敵が多い。
多分この中で一番戦闘力のある俺が大ボスを殺る。そうすれば後は楽だ。
じゃあ甲板を目指そう。多分そこにいるでしょ。
レールが甲板に着くと、そこには多くの機動警察の死体があった。
「全員もれなく撲殺か……酷いな……。おいそこのマッチョ!殺ったのお前か!?」
甲板には、3メートルはあろうかと言う大柄な男がいた、青い髪の筋肉質なマッチョ。両腕には肩までつながる巨大な機械がついている。
「お前…組織に喧嘩売ったとか言うレールか?」
「そうだ。お前は何だ?フラ○キーみたいな見た目しやがって。」
「俺の名前はダブルパンツァー。お前が抜けてからというもの、傭兵能力者の失敗が多くなってるんだ。噂では誰かに邪魔されたらしいが、一体誰にやられたんだろうなぁ?」
分かってるくせに。こっち見るな、こっちを。
「潰したのは俺だよ。お前も今から仲間に入れてやるからな。」
「クラブに入る気はないぞ!」
ダブルパンツァーの右腕のメタルグローブが伸び、俺に向かって飛んできた。
「殺す気がてめぇ!」
次に来たのはジェット噴射による勢いをつけたバンチ。
「やべぇ!マジ○ガーか何か?」
「煩い、戦闘中に話すのは嫌いだ。」
てか強い。コイツアホみたいに強い。
レールがナイフを投げ、ダブルパンツァーの機械を狙うが、全くもって壊れる様子がない。
「いい加減消えろ!」
ダブルパンツァーがレールに飛びかかり、レールをぐちゃぐちゃに潰した。
「えーと………何か前が見えないんだけど?俺の目玉知らない?」
「言われた通りの気持ち悪い能力だ。厄介だな。」
あっという間にぐちゃぐちゃになった肉片が集合し、次から次へとくっついて再生が完了する。
「ハ○クに殴られるのってこんな気持ちか………敵に同情するな……てか何処だここ。」
さっきののパンチで甲板が破壊され、下の階に降りてきた様だ。
「これ、帰りはどうするの?どっちの船も滅茶苦茶になっちゃったけど!?」
突然瓦礫の中からダブルパンツァーが飛びかかってきた。迷わず防御に入ったが、少し遅く。
二体は海に投げ出された。
「ちょッ!?邪魔だって!」
すぐにポケットからウェットスーツを取り出そうとするが、下半身を踏みつけられてポケットが何処か分からない。
「これが欲しかったのか?」
「そうそう、その青い服ーーーーーーッ!?」
求めていたウェットスーツは理不尽な腕力で破られ、壊された残骸は呆気なく捨てられた。
ダブルパンツァーがレールの頭を掴み、氷塊に叩きつける。
「寒い所に入ったな!窒息ならお前は死ぬか!?」
「何回かなったことはあるけど、窒息くらいなら別に何とも。」
「どうなってるんだよお前の体は!」
「知らないよそっちの組織に言え!」
ダブルパンツァーは、レールが叩きつけられている氷塊を殴り飛ばす。
今のでコンバットナイフがどっかに行った。
ダブルパンツァーが何かの準備をする。
そしてレールに問いかけた。
「あそこに大陸が見えるだろ?お前はもう二度と行かないけどな。」
「どうしてだ?」
「タイタニック号は、氷山にぶつかって海の藻屑となったらしいな。」
ダブルパンツァーがレールの頭を掴み、氷山に向かって泳ぎ始めた。
「正気かテメェ!?」
「煩い、俺は機嫌が悪いんだ。」
ああ、トレイ、永倉のとっつぁん、これで戻れたら滅茶苦茶に褒めてくれ。
せめて気絶だけでもさせようと伸ばしたダブルパンツァーの腕の機械に自分の腕を絡ませ、そのまま海の中へ向かった。海へと潜っていくレール。ダブルパンツァーをこのまま窒息死させる気だ。
「@;'!?ならこれだけでも!」
ダブルパンツァーの左腕が飛び、すぐそこまで来ていた氷山に直撃する。
「コイツ、自分を犠牲に!」
氷山が倒れ、ダブルパンツァーとレールが海に沈んでいく。窒息死したダブルパンツァーを横目に、落ちてくる氷塊が、疲労したレールに容赦なく襲いかかる。
氷塊に潰され、海中に消えていくレールは、その最中、海の上に機械的な光を見た。
ウエポンコード、シーズン1。
次回あとがきとなります。海へと沈むレールは果たして帰れるのでしょうか?そして光の正体は?
次回をお楽しみに。




