33話
此処までお読み頂きますありがとうございます。
大雨で大変な方もいると思いますが、読んで気晴らしになれば幸いです。
ではお楽しみ下さい。(◡ω◡)
屋敷に入ったと思ったら座敷に上がっており、2人の姿が見える。
「初めまして戸渡清仁と申します。幸一郎様、雪子様、色々と便宜を図ってもらったようでありがとうございました。」
深々と頭下げてニッコリ笑顔で挨拶する。
「はは!おめぇ面白いな。
さっきまでのやりとりを無かったかのように挨拶しやがった。
俺だから良かったが他ではやるなよ。
殺されるぞ。」
「いえいえ、幸一郎様ほどではありませんよ。」
「「ハハハハ!!」」
幸一郎様と一緒に笑ってると雪子様は苦笑していた。
「幸一郎の遊びに合わせてくる方は久しぶり見ましたね。
幸一郎もう良いでしょそろそろ本題に入りなさい。」
「分かってるさ、母上。緊張は解けたか?清仁君。」
「えぇ、緊張とけましたよ……でも心臓に悪い冗談止めて下さいね?」
一瞬思考が真っ白になったよ。
「清仁君には礼儀作法を教える必要がありそうね…。」
凛音さんは不機嫌そうに言うすみません不作法者で。
「凛音、軽く教える程度で大丈夫ですよ。彼は場の雰囲気を察してお巫山戯してるみたいですからね。」
「雪子様がそうおっしゃるなら…程々にしておきます。」
雪子様ありがとうございます!
「さて察してるとは思うが清仁君の今後についてだ。他所から見た清仁君の評価は高性能な器ただしパンドラの箱でもあるってな。」
「器?ですか……あぁ〜キョウオウか。パンドラの箱ってのは良く分からないですけどね。」
“天狐の幼体“とか言われてたから納得もする。
けどパンドラの箱って開けたら閉じ込めていた世界中の不幸が溢れ出す奴だろ?例え話でも酷くないか?
まぁ最近不幸な気もしないでもないけどさぁ。
「そうだ、何故そう言う評価に成ったか経緯を話すから聞いてくれや。
毎年恒例になったマジコミ開催時に特定場所に覚醒者が転移して来るのを値踏みに表と裏の各組織の諜報活動する奴等がいる、手を出さず観察程度なら黙認されてるがな。
清仁君が魔導具に護衛として宿っている筈の精霊獣を身体に宿し更にごく僅かとはいえ天狐の神気を漏らし体調を崩さず歩く様は直ぐに組織の上まで伝わった。””今すぐ欲しい人材だ“と大人気になった訳だ。」
うわぁ~嫌な人気だな。
「狐坂家に保護された時点で、まともな家や組織は獲得を諦めてました。ですが一部の躾がなってない者達が清仁君の実家を調べて近付きましたが……。」
雪子様が何か言いづらそうだ。
あっ何となく解った。
「姉さんにボコられた?」
「えぇ……暗部を家族の陰から護衛をさせて、私が謝罪と事情説明した帰りにボコられた奴等をまとめて渡して来てね。
“そいつ等任せた。私は家族にふざけたマネしようとした親玉を血祭りにして来る“ってかの有名な火之舞結咲が言って動いたものだから裏も表も大騒ぎにだったのよ……。」
凛音さんが遠くを見るようにして教えてくれた。
うちの姉が済みません……。
「そんな経緯で清仁君に“下手な接触は災いが出るぞ“ってなったわけだ。家族想いの良い姉さんもったなぁ清仁君。」
「ははは、そぅですねぇ……。」
面白そうに幸一郎様は言うが反応に困るんですって良くも悪くも取れる言い回しはさぁ〜。
「っと言うのが情報隠蔽した結果、大家の一部関係者以外の評価になる。賢眼のベイスに関わる事実は大家の当主達によって機密事項になった。ベイスは覚醒した磨土拓也によって撃退され行方をくらましたと公表されてっから話すなよ?」
「ベイス――あ~あの時の………あの何処まで俺の事を理解してますか?」
ちらりと凛音さんを見て幸一郎様に聞いた。
「凛音には話してますよ、マーリン様の事、虚無言の事も。マーリン様と清仁君だけで密かに私達にも言えない事をお調べになるそうですね……なので狐坂家は秘密にされている事以外は協力する事にしました。」
「え、何故ですか?私もマーリンからまだちゃんと何を知りたいのか聞いてないし、マーリンが悪い事企んでたらどうするんですか?何も知らないで協力しますって言われても………」
マーリンとは長く?バカみたいに訓練したから俺はある程度信用してはいるけど、マーリンが過去に凄い事をしたとしても今のマーリンを信じるか?最悪はマーリンを騙る詐欺、悪に落ちたマーリンなんて事もあるだろ。
「疑うのも分かります。
理由は簡単ですよ?以前マーリン様とは間接的ですが魔術を教わりました。
お蔭で狐坂家は没落の危機から逃れる事が出来た恩があります。」
「俺が此処に居られるのもマーリン様のお陰って訳だ。
恩を返そうとマレン様を探したが戦争のゴタゴタで何処にいるのか分からなくなってな。マーリン様なら知ってるかもって母上は楽しみしてたんだぜ。」
――――えっ?
マーリンが言っていた事が脳裏を駆け巡る、マレンと言われた人がどうなったか……俺は――
「あぁ〜確かに俺の前に波長が合った人がいるっていってたな。マーリンも懐かしそうに笑ってたな。詳しくまでは話してくれなかったからどうなったかまでは分からないですね。」
「そう―――ですか。清仁君話してくれてありがとうございます。」
「マレン様は力を使い果たし魔力も使えなくなったって話しだったからな、普通ならとうに寿命は尽きてるさ、今更会えないのは分かってたぜ。
だから“気に病むなよ“清仁。」
良かった……気付かれなかった。
もうどうにもならない事実なんて知らない方が良い。
マレンって人も友人に自分の為に復讐なんてして欲しくないはずだから。
嘘をついた事に胸が痛むけど俺一人が抱えて済むなら安いものだ。
次回も1週間後です。
またお会いしましょう。




