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西涼の鉄ちゃん  作者: 坂本 康弘
群雄割拠~西涼と覇王~
20/27

十九戦目「問題児は戦う」

久々で申し訳ない。

最終回までかんばるつもりなので応援よろしくお願いします!

西涼軍は一気に近隣の友好異民族や関中などの友好豪族による支援によって兵力を増やし、二十万へと兵力を伸ばしていった。


西涼連合軍と化した軍を率いるのは馬孟起。


それを補佐するのはこの俺、馬鉄こと馬仲誠だ。


兵力は確かに多い。


戦うことになる曹操軍よりも何倍も多い。


しかし、欠点は全体の錬度だ。


翡玉や翠といった強力な武将が調練をしたが、間に合っていないのだ。


せいぜい初期に率いていた兵士がもっとも優れているため、全体の錬度としては五分五分だ。


今、俺達が目指しているのは洛陽だ。しかし、その前には立ち塞がる関がある。


潼関だ。さらに守将は曹洪という孟徳殿の従妹なのだ。


戦においては昔から孟徳殿に頼られるほどの名将だ。


だが、彼女は武一辺倒の武将なのだ。


あえていうなら華雄将軍。


猪。


猪突猛進。


うん、そんな感じ。


孟徳殿も将としての自覚を持って欲しかったんだろうね。


だけど、そりゃあ間違いだ。


甘く見るなよ。西涼魂見せちょる。




side曹洪


『出て来いよ~!』


『曹洪あんた名将なら出て来い~』


『そんななんだからチビって言われるんだよ~』


ぴくっ


『胸無いもんな』


「殺してやらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


「曹洪様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!落ち着いてくださいぃぃぃぃ!!」


「ええいっ!放せっ!牛金!今からあの男共を皆殺しにしてやらぁ!」


「丞相からは潼関を守るように言われたじゃないですかっ!」


「攻撃は最大の防御なんだよぉぉぉぉ!!」


「援軍の伝令は出しましたから!落ち着いてくださぁぁぁぁぁぁぁい!」


~しばらくお待ちください~


・・・ゴホン。


うん、今日も疲れたよ。


西涼軍が来てからずっと挑発して来ている。


やることは分かってるのよ。


関に立て篭もる相手を引きずり出して殲滅。


基本でしょ。あたしだってそんぐらい知ってるもの。


だけどね。あたしは戦場に出たい!だって武人だから!


華琳様は何考えてるわけ!?


こういうのは子考姉さんの方が得意に決まってるわ!


なんで荊州方面の守備に回すの!?


「来る日も来る日も挑発・・・」


西涼軍は数は多いから、こうやって関に立て篭もってれば勝手に自爆するけど・・・


『胸無し~』


「よし!殺す!」


「落ち着いてください!」


「牛金!あたしはそういう武人なのだ!諦めろ!」


「自分で何言ってるんですか!?・・・はぁ、分かりました」


ん?いいのかな?


「私が手勢を率いて人当てしに行きます。見返してやりますよ!」


「うー・・・。あたしが行きたいのだが・・・」


「部下なんですから、上司が馬鹿にされるのは許せません!」


「・・・うむ、分かった。精鋭の手勢を選んで五百を連れて行け!あの西涼の奴らに魏軍の強さを見せ付けてやれ!」


「御意っ!」


戦抱ひたたれを翻して、彼女は出撃をする。


本当はあたしが行きたいが仮にも守将なのだ。しっかりしないと。


あたしは関の上から牛金の戦いを観戦する。


もちろん、何かあった時のためにすぐに部隊を出撃する用意はしてあるぞ!


お、一騎打ちが始まった。


うーむ。


やっぱり西涼軍は数が多いな。


無論、精兵を連れた手勢五百はどんどん西涼軍の弱歩兵を殺している。


牛金の相手はあの名高い龐徳か。


中々の使い手のようだ。


・・・む?


何か妙だな。兵の動きがおかしい気がする。


後方に控える馬の旗は馬超と、馬鉄か。


もっと兵士居れば本陣に突撃して、奴らの首を取ってやるのだが。


牛金を見た私だったが、あることに気が着いた。


「あのバカ! 包囲されてるの気が着かなかったのか!」


あたしは愛用の槍を手にし、関から出るために下に降りた。


「なりません将軍!」


出撃をしようとするあたしに部下の一人が止めた。


「・・・なぜだ」


「これでは奴らの思う壺だからです!」


「だからといって牛金を見捨てろというのか!?」


「やむを得ません・・・」


「ええい!黙れ!あたしは行くぞ!」


「しょ、将軍!」


あたしは馬に乗り込み、兵に関を開けさせた。


「これより牛金将軍を救出する!あたしに続けぇー!」


『おおおぉぉぉぉぉおおおぉぉぉぉ!』


「うおりゃぁぁぁぁぁぁぁ!」


あたしは一気に駆けて、牛金を囲む西涼兵を薙ぎ払う。


「ぎゅーきーん!」


「しょ、将軍!」


「来ましたか……」


龐徳がなんか言ってるけど、無視。


あたしは牛金との間に入るように槍を振るった。


「将軍なぜ来たのですか!?」


「お前、普段冷静沈着みたいに気取ってるけど熱くなってると周りが見えていないんだよ! 周りを見ろ!」


やっぱり包囲されてやがる・・・。


まずいな。このままだとあたし達は捕縛されちまう。


・・・撤退しかないか?


くそっ。潼関を守るように言われているのに・・・。


「はぁぁぁぁぁぁぁ!」


「ちぃ!」


龐徳は強い。春蘭ぐらいあるだろう。


兵の数では圧倒的にあっちが勝っている。今、あたし達が関に逃げ込んでも追いつかれるだろう。


「牛金! 撤退する!」


「ぎょ、御意!」


「退けーっ! 退けーっ!」


率いてきた兵士達に撤退を促し、あたしは龐徳を捌きながら撤退させていく。


そして頃合いを見てあたしも馬を駆けて撤退を始める。


西涼軍の追撃が襲い掛かってくる。


追撃が止んだころに残っていたのはわずかな手勢・・・しかもみんな怪我をしている。


「くそっ! くそーっ! 西涼軍覚えてやがれ! 絶対にあたしが倒してやるからなーっ!」


西涼軍がいる方向へあたしは叫んだ。


絶対に・・・次は勝ってやる!


side out




翡玉の活躍によって潼関を制圧。


翠を制圧部隊として派遣して、内部の魏兵は捕縛し装備などを剥いで僅かな食料をあげて逃がした。


魏軍の鎧は使わせてもらうよ。


蒲公英や程銀達を追撃部隊として用意していたために曹洪率いる魏軍を削ることにも成功した。


「翡玉。お疲れ様」


「いえ、これも玉様が考えた策のおかげですから」


陣を引き終わり、天幕に返ってきた翡玉に労わりの言葉をかける。


「ぎょ、玉様・・・」


思わず抱き締めてしまう。


「無事に帰ってきてよかったよ」


「玉様・・・」


おおう。


やばいぞ、これ。


俺の理性が跳んでしますぞ。跳ねるぞ!


・・・と言いたいけど。


「ゴメン。もうちょっといちゃいちゃしたいけど、策考えなきゃ」


「そうですか・・・」


残念そうにする翡玉。シュンって感じだよ。


「この戦いが終わったらいちゃいちゃしようね!」


「ぎょ、玉様!?」


翡玉の驚いた声を耳にしながら天幕から出る俺。


・・・自分で言うのもあれだけど、死亡フラグ立てちゃったよ・・・。


まあ、とりあえず次の策を考えないとな。

今、完結まで書いてあります。

今年には完結予定。

鉄ちゃんの次回作も製作中です。

・・・その前に、近代戦争を入れようと思ってますけどね。


曹洪ちゃんは及川の作品で使いまわされる予定です。

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