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『アステリズム・オンライン 〜世界で唯一ゲームをラストクリアした俺、現実世界で正体を隠して無双する〜』  作者: かいばーく


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第十章・第一話「情報共有」



 翌日の放課後、指定されたのは本条のカフェだった。


 閉店後の店内、奥のテーブルにはクロウと本条、そして俺の三人が向かい合っていた。テーブルの上には、これまで集めた情報がまとめられた資料が広げられている。


「まず、結論からだ」


 クロウが切り出した。その声には、いつもの飄々とした軽さがなかった。


「黒鴉の動きが、想定してたより速い。末端だけじゃなく、お前の周りの人間にまで、直接接触を始めてる」


「莉世たちのことですよね」


「それだけじゃない。他にも、似たような報告が何件か入ってる」


 本条が資料の一枚を差し出してくる。そこには、莉世や亜衣が受けたのと似たような接触の記録が、いくつも並んでいた。


「共通してるのは、直接的な危害を加えるんじゃなく、あくまで情報収集に留めてる点だ」本条が続ける。「今のところは、な」


「今のところ、ということは……」


「向こうの狙いが変わる可能性がある、ってことだ」


 クロウが淡々とした口調で言葉を継いだ。


「情報収集の段階が終われば、おそらく、次は行動に移る。もっと直接的な手段にな」


 その言葉に、俺は思わず拳を握りしめた。莉世、亜衣――そして、澪。頭の中に、大切な人間の顔が次々と浮かんでは消えていく。


「対策は、何かあるんですか」


「今、総帥の正体を追ってる。そこさえ潰せれば、組織自体の動きも鈍るはずだ」


 本条がそう言うと、クロウが小さく頷いた。


「もう少しで、尻尾を掴めそうな気がしてる。だから、もう少しだけ時間をくれ」


 俺は小さく息を吐き、頷いた。


「分かりました。俺も、できることは何でもやります」


 テーブルの上に広げられた資料に目を落としながら、俺は静かに闘志を燃やしていた。


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