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BLUE MARS  作者:
2/10

平凡

「キララ、起きて」


呆れ顔の母親に起こされて渋々目を覚ます毎日。


「ねえ、今日も学校行かなきゃダメなの」


「毎日毎日同じこと聞かないで。ほら、早く起きてごはん食べなさい」


チッ と母親に聞こえない程度に舌打ちをした



「こらキララ!舌打ちなんてしないの!」


母親というのは皆こう地獄耳なんだろうか


それともうちの母親が特殊なのか。


どちらにせよ、おとなしく言うことを聞いた方が良いことに違いはない。



「今日はパンか」


ジパングの民なら米に決まってる。


「文句あるんだったら早く起きて自分で作りなさい」


文句なんて無い。


というか、言えるはずも無い。


「いただきます」


村で採れた小麦で作ったパンに、同様のジャムを塗って食べる。


「学校行かなきゃダメなの」


「しつこい」


母親は洗濯機を回し始めた。


「学校なんか行ったって、学ぶことない」


自分で言うのもなんだが、私は頭が良い。


村の小さな学校では、年の違う子どもと一緒の教室で学ぶが、私はもう4年上の19歳向けレベルの問題まで難無く解ける。


「お母さんはねえ、あんたに勉強よりもっと大切なものを学んで欲しいの」


そんなこと言われても知らん。


「やっぱり小さい頃放ったらかしにしてたのが悪影響だったのかしら…」


「ソラがこんなに立派に育ててくれたじゃん」


私が生まれたときから12歳になるまでずっと一緒にいた。


元気かな、ソラ。


「そりゃソラくんはとっても良い子だけど、子育てはまた別じゃない」


私はソラに育てられて良かったと思ってるけど。


「ほら、もう時間」


早く出てけと言わんばかりに時計を指差す。


はあ、と大きな溜め息をついた。


「分かったよ…行ってくる」


大切なものなら、もう十分なほどに学んだよ、母さん。




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