嫌いな
「はあ、行きたくないなー」
1人で小石を蹴りながら学校へ向かう。
空には太陽
大地には草木
学校で数学や化学や物理を学ぶより、宇宙図鑑を眺めるか星の観察をしたい。
だいたいこの国、いや、この惑星はおかしい。
なぜ国民全員が学問を学ばなければならないのか。
好きなことを好きなように学んで何が悪いのか。
その上成績優秀者は首都カスティリャで国家公務員にならなければならない…
ソラはそんなことのために勉強してきたんじゃない。
ソラは宇宙を学びたかったんだ。
そんなソラを無理矢理連れて行ったカスティリャの連中を、私は絶対に許さない。
いつか宇宙における大きな発見をして、その第一人者としてソラをあそこから引っ張り出してやる。
それが、私の夢。
「キララちゃん、おはよう」
目線を上げると、教師のクセルクセスが立っていた。
マース=クセルクセス、32歳。
私が7歳になって学校に入学した年に、この土地に赴任してきた。
気づかないうちに学校に着いていたらしい。
「…おはようございます」
また目線を下げる。
私はこいつが嫌いだ。
学問がなんだとぬかすから。
それにこいつ、
宇宙を否定する。
それはソラをも否定することだ。
「また外のこと考えてたの?」
上っ面な笑顔を浮かべて尋ねる。
そんな仮面に騙されるわけないのに。
「そうですけど」
「もったいないなあ、キララちゃんは本当に頭が良いのに」
まだ薄気味悪い表情を崩さない。
「まるで昔のソラくんを見ているようだよ」




