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老婆

 分類難しいなぁ……



 まずは母が体験した一つ目の話から。

 母はいつも中庭スペースにある広めのゴミ集積場に、朝はゴミを捨てに行っていた。

 一階の玄関ロビー(エレベーターホール)から中に入ると、正面にエレベータードア、左に中庭に続く非常階段、右手に管理人室の受付窓口があって、受付窓口の前に立って左が西棟から南棟に続く廊下、右側の廊下は入ってすぐ各世帯のポストがズラっと並び、その先には数件の部屋のドアがある行き詰まり。

 で、この付近で、お婆さんが何かを握り込むようにして立っていた。


 このマンションは時々、痴呆老人がうろついていることがある。

 自分も何度か見かけたことがあるのだが、徒歩だとそこそこ離れているが、老人ホームがあり、そこから来ているのかもしれないという話で、他の住民も目撃することがあるらしい。

 で、この時も様子がおかしかったので、その老婆もそうなのだろうなと思ったのだろう。

 母はこの時、どうしたのとか、何を持っているのかとか、とにかく尋ねたそうだ。

 すると老婆は握っていた手を開いた。


 するとそこには……Gの死骸が握られていたのだそうな。

 母は当然、わっと驚いた。それはそうだろう。そうじゃなかったら、そいつは相当G好きに違いない。

 朝からとんでもないものを見せられてしまった。そんな話。





 次の話は、たぶん心霊じゃない……と思う。というか、そうであって欲しい。

 当時勤めていた仕事というのが朝早い仕事で、冬ということもあり、朝五時はまだ外が真っ暗だった。

 中庭駐輪スペースから自転車に跨り、いざ職場へと漕ぎ出す。

 マンションの敷地を出て歩道を突っ切り、車道の路肩へ。

 10M程度走った時だろうか。ちょうどマンション端にある東棟非常階段の真ん前辺りだ。


(あれ? なんだ、あの白い衣装にぼさぼさの振り乱したような長い白髪、異様な歩き方をしている……老婆?)


 えっ?って思いながら、歩道を移動している老人に視線が吸い寄せられる。

 幽……霊……? 服装もそうだし、髪型や歩き方が人間に思えない異様さをしていた。

 瞬間、ゾゾゾッと全身に怖気が走り、全身に鳥肌が立つのを感じる。

 緊張で全身が硬くなるのが分かった。

 原因は、前後にフラフラとゆっくり体を揺らしながら、不気味に、徘徊するゾンビのように歩く老婆だ。

 いや……人……か? 分からない。分からないが、不気味すぎてとにかく怖い。

 こんな時間に? あんな異様な姿で??

 いやでも、痴呆老人なら昼間にこのマンションの敷地で二回くらいは見たあるだろ!

 だからあれはきっと人だ、そうに違いない。

 幽霊よりは信憑性のある話だ。そう思い込もうと思った。怖い。

 心臓はもうバクバク、異様すぎる。あまりにも人間とは思えない動きと見た目に頭が混乱する。

 なんだあれは?

 いくら早朝とはいえ、季節と時間的にまだ外は真っ暗だし、目の前にある大き目の道路(4射線)には、この時間帯にはほとんど車も通らない。

 どうしても視線はそちらに吸い寄せられるが、いつまでも見ているわけにはいかない。


 そして老婆からどんどんと距離は離れていき、冷静になってくると、さっきまでの光景がまるで非現実的なものに思えてきた。

 しかし、じっくり見たわけではないが、白い死に装束みたいな服にも見えたし、本当にわけが分からない。

 恐らく、徘徊老人だとは思うのだが……この出来事はかなりゾっとした出来事の一つだった。

また日曜辺りにでも。

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